Trademark Appeal Case
テレホンカードの商品該当性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成1年審判第6230号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本願商標は、「GOLF」の欧文字を書してなり、第11類「テレフォンカード、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年12月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願の指定商品中『テレフォンカード』は、一定の金額を磁気カードに記憶させておき、カードを使用することによって所定のサービスを受けるものであるから、この種カードは有価証券に類するものと認められるので、商標法上の商品とはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。」と認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願の指定商品中に含まれるテレホンカードは、公衆電話で硬貨の代わりに使用できる磁気カード(例えば、「知恵蔵1992」朝日新聞社発行、「現代用語の基礎知識1992」自由国民社発行及び「情報・知識imidas1992」集英社発行等を参照)であって、磁気ストライプ等により金額と度数が記録されており、これをカード式公衆電話機に差し込むとそのカード内に記録されている残度数を電話機前面に表し、通話時間に応じて減算され、残度数が0になるまで繰り返して利用され得る機能を有するものである。
しかして、テレホンカードは、昭和57年にカード式公衆電話機に使用するものとして登場し、長距離通話時に硬貨の連続投入の不便の解消と、100円併用式公衆電話機の普及に伴う釣り銭問題の解消策として開発されたものであり、日本電信電話株式会社によって、▲1▼直接販売、▲2▼販売代理店への販売委託、▲3▼特定会社への販売委託等の方法をもって販売されているものである。
テレホンカードには、デザインを付し、キャラクター性やネーミング等の感性的な付加価値を付したものも販売されており、これが贈答用又はコレクションの対象として、取引されている実情も見受けられる。
「プリペードカード法の手引き−前払式証票の規制等に関する法律」(平成2年12月19日発行、株式会社シーメディア、株式会社ユニバース出版社)をみると、第1章法律制定の背景の項には、「プリベートカードに代表される前払式証票は、利便性に富む新たな決済手段として、昭和57年のNTTのテレホンカードの発売以来、様々な分野において急速に普及し始めており、.........」の記載がみられ、決済手段としてのブリペードカードの特徴として、▲1▼前払性、▲2▼使用価値残高の可変性、▲3▼無記名性、▲4▼携帯の便利性、▲5▼短時間で確実な決済処理可能性等が挙げられている。また、第2章法律の概要の項には、前払式証票の定義として「商品券等とプリベートカードを、『前払式証票』として統一的に定義している。(ギフト券・回数券・利用権等、形・材質を問わない)」の記載がみられる。そして、「プリベートカードQ&A−前払式証票の規制等に関する法律のすべて」(平成2年11月10日発行、株式会社中央経済社)をみると、第2章前払式証票の項において、法律上の「前払式証票」とはとして、「この法律において『前払式証票』とは、前払いにより発行され、▲1▼売買契約等により物品の給付等を受ける場合に、その反対給付としての代金の支払いに使用することができ、▲2▼それ自体に物品・サービス給付請求権が表彰されている券やカードなどのことをいいます。この『前払式証票』には、テレホンカード等のいわゆるブリペードカードが含まれますが、......」と解説されている。
上記記載からすれば、テレホンカードは、商品券等とともに前払式証票の規制等に関する法律にいう前払式証票であって、サービス給付請求権が表彰されているカードと認められる。
しかも、最高裁判所平成2年(あ)791号平成3年4月5日第三小法廷決定によれば、テレホンカードは、その券面上の記載及び外観と磁気情報部分とが一体となって、電話の役務の提供を受ける財産上の権利を証券上に表示しているものであるから、有価証券に当たると判示されている(「判例時報(平成3年7月11日発行、株式会社判例時報社)No.1383」参照)。
そうとすれば、テレホンカードは、有価証券に当たるものと判断するのが相当である。
請求人は、贈答用又はコレクションの対象として、デザインを付し、キャラクター性やネーミング等の感性的な付加価値を付したテレホンカードが市販されているから、テレホンカードは商標法上の商品である旨主張する。
しかしながら、請求人の主張するテレホンカードは、テレホンカードに付されたデザインの価値により、テレホンカードの額面と異なる価格で売買されているのにとどまるものと解されるものであって、売買の対象となっているのはテレホンカードそのものであるから、デザインの価値如何にかかわらず、額面分の電話通話のサービス給付請求権が表彰されている有価証券といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法施行令で定める商品区分第11類に属さない商品を包含して出願されたものであるから、結局、本願商標が商標法第6条第1項の要件を具備しないとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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