弁理士監修
商標登録・知財実務で頻出する 100 語を収録。定義だけでなく、現場で使える実務のポイントもあわせて解説します。
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商標をどの商品やサービス(役務)について使用するかを特定したもの。商標権の権利範囲を決める最も重要な要素。
同一または類似の商標が複数出願された場合、先に使用していたかどうかにかかわらず、一番早く出願した者に登録を認める原則。
特殊なロゴやフォント(図案化)を用いず、特許庁が定めた標準的な書体のみで構成される文字商標のこと。
著名な商標について、自社が事業を行わない非類似の商品・サービス分野であっても、第三者による便乗使用(フリーライド)を防ぐために登録を認める制度。
商品に標章を付す行為、標章を付した商品を譲渡する行為、広告やWebサイトに標章を表示してサービスを提供する行為などのこと。
商標権者が他人に商標の使用を許諾するライセンス権。専用使用権(特許庁への登録が効力発生要件で、独占的)と、通常使用権(非独占的)がある。
文字や図形だけでなく、音、色彩のみ、動き、ホログラム、位置など、多様なブランド発信の形態を保護するために導入された商標。
「地域名」+「商品(サービス)名」からなる商標(例:松阪牛など)について、事業協同組合等の団体に登録を認める制度。
企業全体を象徴するブランドマーク(例:TOYOTA、SONYなど)。個別の商品名(ペットマーク)と組み合わせて使用されることが多い。
企業が販売する個別の商品やサービスにつけられるブランド名(例:プリウス、ウォークマンなど)。
商標権を他社に譲り渡すこと。特許庁へ「移転登録」の手続きを行わなければ、第三者に対抗する効力(登録の効力)は発生しない。
商標権を担保として金融機関等から融資を受ける際に設定される権利。特許庁への登録が必要。
商標権者が、第三者(ライセンシー)に対して自社の商標の使用を許諾する契約。
他人が商標を出願する前から、自社が日本国内でその商標を不正な目的なく使用しており、かつその商標が消費者の間に「広く認識(周知)」されている場合に限り、継続使用が認められる権利。
会社法に基づき、企業が営業上自己を表示するために登記する名称(株式会社〇〇など)。商標とは管轄(法務局か特許庁か)や効力が全く異なる。
著名なブランド名が、第三者によって無断で全く関係のない商品やサービスに使われることで、ブランドの持つ「唯一無二のイメージ」や「顧客吸引力」が薄まってしまう現象。
かつては特定の企業が独占していた商標が、一般消費者に「その商品の一般的な名前(代名詞)」として使われすぎた結果、商標としての識別力を失ってしまうこと(例:エスカレーターなど)。
商品の形状やパッケージの形状、キャラクターの立体的な人形など、三次元の立体的な形状からなる商標(例:コカ・コーラの瓶の形状など)。
商標の使用を許諾された者(ライセンシー)が、さらに第三者(サブライセンシー)に対してその商標の使用を許諾すること。
企業のビジネス目標に合わせ、どの国で、どの区分で、どの商標(文字かロゴか)を出願・維持・放棄するかを総合的にマネジメントすること。
自社のロゴやブランド名を、パンフレットやWebサイトでどのように表示すべきか(色、余白、禁止事項など)を定めた社内向けのマニュアル。
権利者が一度適法に販売・流通させた商品については、その商品に対する商標権の効力は目的を達して尽きたものとされ、その後の転売(中古販売など)には権利行使できないとする法理。
存続期間中であっても、権利者が自らの意思で特許庁へ放棄の手続きを行い、商標権を将来に向かって消滅させること。
自分の商品・サービスと、他人の商品・サービスを区別することができる機能。商標法第3条で規定され、これがないと登録されない。
出願された商標が登録要件を満たしていないと審査官が判断した場合に、その理由を通知する公式文書。
拒絶理由通知に対して、出願人が反論や主張(自社の商標と引用商標は非類似である等)を述べるために特許庁へ提出する書面。
出願後に、願書の記載事項(主に指定商品・指定役務)を修正・削除するために提出する書面。要旨の変更は認められない。
消費者の間に広く認識されている商標。周知商標(特定の地域や業界で有名)と著名商標(全国的・一般的に有名)に分けられる。
審査中の他人の商標出願が登録されるべきではない(拒絶されるべき)という証拠や理由を、誰でも匿名等で特許庁に提出できる制度。
2つの商標が似ているかどうかの判断。特許庁は原則として「外観(見た目)」「称呼(読み方)」「観念(意味)」の3要素を総合的に観察して判断する。
商標から自然に生じる「読み方」「発音」のこと。商標の類否判断において、日本では特にこの称呼が同一・類似であるかどうかが最も重視される傾向にある。
商標の見た目、視覚的な印象のこと。文字の書体(フォント)、図形の構成、色彩、全体的なデザインから受ける印象を比較する。
商標を構成する文字や図形から、消費者が自然に思い浮かべる「意味」や「概念」のこと。
商品の品質(例:スーパー、デラックス)や産地(例:東京)など、誰もが使いたがる一般的な名称であり、特定の企業のブランドとして独占させることが公益上ふさわしくない商標。
審査官が意見書や補正書を読んだ上で、最終的に「やはりこの商標は登録できない」と判断した最終処分。審査段階の終了を意味する。
審査の結果、拒絶理由が見当たらない(または解消した)ため、商標登録を認めるという特許庁からの公式な通知。
文字と図形、あるいは2つ以上の異なる単語が組み合わさって一体となった商標(例:「スーパー」+「〇〇」など)。
結合商標などの類否判断において、商標の中で最も目立つ部分、あるいは消費者に強い印象を与える部分(要部)を抽出して比較する審査手法。
外観、称呼、観念の類似性だけでなく、その商品・サービスが取引される実際の市場の実情(ターゲット層、価格帯、販売方法など)も総合して、出所混同のおそれがあるかを判断するルール。
先行する類似商標が存在しても、その権利者が同意(コンセント)し、かつ出所混同のおそれがないと特許庁が認めた場合に例外的に登録を認める制度(令和6年4月導入)。
一定の要件(すでに出願商標を使用している等)を満たすことで、通常より早く(平均約2ヶ月程度)審査結果を受け取ることができる制度。
他社の先行商標が原因で拒絶された際、その他社に一時的に自社商標を譲渡(出願人名義変更)して登録を受け、登録後に再び自社へ買い戻すという裏技的な回避手法。
有名人(タレント、スポーツ選手など)の氏名や肖像が持つ「顧客吸引力(経済的価値)」を、本人が独占できる権利。
他社が築き上げた有名ブランドの信用や知名度に便乗し、自社の商品やサービスを売ろうとする行為。不正競争防止法の対象にもなる。
他人の登録商標(または出願日の早い商標)と同一または類似しており、かつ指定商品・役務も同一または類似しているため、登録できないとする規定。
他人の業務に係る商品・サービスと混同を生ずるおそれがある商標は登録できないとする規定。非類似の商品・役務であっても、相手の商標が著名な場合は適用される。
審査官と直接(またはオンラインで)面談し、拒絶理由に対する反論や、指定商品の補正案についてすり合わせを行う手続き。
拒絶理由通知に対して意見書や補正書を提出する期限(通常は発送日から40日)を、特許庁に申請して延長すること(最大2ヶ月)。
自己の氏名や、商品の普通名称、産地、品質などを「普通に用いられる方法」で表示する場合には、他人の商標権の効力は及ばないとする規定(商標法第26条)。
特許庁の審査官が、商標法を具体的にどのように解釈し、当てはめて審査を行うかのルールをまとめた公式なマニュアル。
本来は「商品の品質」や「ありふれた氏名」などで登録できない商標であっても、長年の使用によって全国的に有名になり、「あ、〇〇社の商品だ」と誰もが分かる状態になれば例外的に登録を認める規定。
出願から約2〜3週間後に、特許庁がその出願内容(商標、指定商品、出願人など)を公報(J-PlatPat等)で一般に公開すること。
2つ以上の商品・サービスを指定した商標出願の一部を、新たな別個の出願として独立させる手続き。
商標権の存続期間(設定登録の日から10年)を、何度でも繰り返し延長するための手続き。
企業に代わって、特許庁への出願や審判などの手続きを行う国家資格者。外部の特許事務所に委託するのが一般的。
特許庁に出願書類を提出し、受理された日。先願主義の下では、1日でも早く出願日を確保することがブランド防衛の全てを握る。
登録査定後、規定の登録料を国(特許庁)に納付することで、商標登録原簿に登録され、正式に商標権が発生すること。
特許庁が、互いに類似すると推定される商品・役務をグループ化し、共通の英数字(例:01A01など)を付与した独自の分類コード。
取引や交渉の前に、開示する秘密情報(未公開のネーミングやロゴを含む)を第三者に漏洩させない、目的外使用しないことを約束する契約。
新しく使用・出願したい商標が、他人の登録商標(権利)と抵触しないか、登録可能性がどれくらいあるかを事前に調べること。
世界共通で使われている商品・サービスの分類。第1類〜第34類が「商品」、第35類〜第45類が「サービス(役務)」と定められている。
商品を製造して売るのではなく、「商品を仕入れて消費者に販売するサービス(スーパー、コンビニ、ECサイトなど)」の名称を保護するための商標(第35類)。
新商品や社内プロジェクトの名称を、社員から広く募集して決定する社内イベント。
商標権の発生、移転、消滅、ライセンスの設定などの権利関係が記録された、特許庁が管理する公的な帳簿(不動産の登記簿のようなもの)。
他社との共同開発製品やコラボレーション企画において、2社以上の連名で商標を出願し、権利を共有すること。
競合他社や特定のキーワードに関する出願・公開状況を、専用のデータベースや外部サービスを用いて継続的に監視すること。
商標権の存続期間の更新期限(10年)を過ぎてしまっても、期限切れから6ヶ月間であれば、通常の2倍の印紙代(割増登録料)を支払うことで権利を救済してもらえる期間。
社内の新商品ネーミングやロゴ変更において、経営層、事業部、マーケティング部、知財部が集まり、多角的な視点でリスクと戦略を協議する公式な社内会議体。
登録査定の送達後、30日以内の登録料納付期限をうっかり過ぎてしまっても、一定の期間内であれば割増登録料(倍額)を支払うことで納付が認められる救済措置。
ニース協定に基づく商品・サービスの国際分類が、技術の進歩等に合わせて定期的に(基本は毎年)改訂され、ある商品が別の区分に移動すること。
J-PlatPatのような無料データベースだけでなく、海外の商標データや高度な図形検索、類似計算アルゴリズムを備えたプロ向けの有償データベースシステム。
自社および他社の商標や特許の出願動向データを分析し、市場のトレンド予測や、M&A候補の選定など、経営戦略・マーケティング戦略に直結するインサイトを導き出す手法。
拒絶査定不服審判や取消審判などにおいて、一定の要件を満たす場合に、通常よりも優先して早く審理を行う制度。
商標登録が公報に掲載された日(発行日)から2ヶ月以内に限り、その登録を取り消すよう誰でも特許庁に申し立てることができる制度。
すでに登録されてしまった他人の商標に対して、「本来登録されるべきではなかった」として、その登録を初めから無かったこと(無効)にするよう求める審判手続き。
拒絶査定に不服がある場合、3名の「審判官」による合議体でもう一度審理をやり直してもらうよう請求する特許庁への不服申し立て手続き。
正規の代理店ルート以外のルートで、海外で適法に販売されている真正品を日本国内に輸入して販売する行為。
登録商標が、継続して3年以上日本国内で使用されていない場合に、第三者の請求によってその登録を取り消すことができる審判制度。
自社の商標権を侵害している(または侵害の恐れがある)者に対し、使用の中止や損害賠償を求めるために送付する法的な書面。
商標登録されていなくても、広く知られた商品名やパッケージデザイン(商品等表示)の模倣や、営業秘密の侵害などを「不正競争」として規制し、差止や損害賠償を認める法律。
海外から輸入される偽造品(商標権侵害物品)を水際で食い止めるため、税関に対してあらかじめ商標権の情報を登録し、没収や廃棄を求める手続き。
自社の商標と同一または酷似するドメイン名(.comなど)を、悪意のある第三者(サイバースクワッター)に先取りされた場合に、WIPO等の機関を通じて移転や取り消しを求める手続き。
商標権者やライセンシー(使用許諾先)が、わざと他社の商品と混同させるような悪質な商標の使い方をした場合に、ペナルティとして商標登録自体を取り消される制度。
ECサイトや実店舗で流通する自社ブランドの偽造品(コピー商品)を摘発し、販売ページからの削除や税関での差し止めを行う一連の権利行使活動。
マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願において、指定国から一部の商品・役務についてのみ保護を拒絶されること。
日本での出願日から「6ヶ月以内」であれば、外国に出願する際に「日本の出願日と同じ日に出願した」とみなしてもらえる(優先権)パリ条約上の有利な取り扱い。
海外において、現地の代理店や無関係の第三者が、本来のブランドオーナー(自社)に無断で、先回りして自社ブランドの商標を出願・登録してしまうこと。
一つの言語で作成した一つの出願書類を本国官庁に提出することで、複数の加盟国に同時に商標出願したことと同じ効果を得られる国際的な枠組み。
マドプロ出願において、基礎となる本国出願(日本での出願)が国際登録日から5年以内に拒絶や無効などで消滅した場合、指定国すべての国際登録も連鎖して消滅する制度。
マドプロによる国際登録の後から、保護を求める国(指定国)を追加する手続き。
マドプロ国際出願のベースとなる、自国(日本国特許庁)へ出願または登録している商標のこと。
米国などの海外出願において、商標の一部に含まれる「一般的な単語(識別力がない部分)」については、「独占権を主張しません」と宣言する制度(日本にはない)。
マドリッド協定議定書(マドプロ)を使わず、各国の現地代理人(弁護士・弁理士)を通じて直接その国の特許庁へ出願するルート。
自らは事業を行う意思がないにもかかわらず、他社(特に海外企業)の有名ブランドを先回りして出願・登録し、高額な買い取りを要求する悪意の第三者。
日本企業が海外展開する際に、自社の社名(ハウスマーク)をアルファベットで表記して出願する商標。
米国において、商標登録から5〜6年目、および更新時(10年ごと)に、「現在も米国市場で実際にその商標を使用している」ことを証明する証拠とともに提出する書類。
海外の工場に自社製品の製造を委託(OEM等)する際、その製造委託先が自社ブランドの商標を勝手に現地で出願してしまうリスクへの対策。
海外での審査において先行商標と衝突した際、その権利者と「お互いのビジネス領域を侵さない」という条件で併存の同意を取り交わす契約。米国等では日常的に行われる。
日本の防護標章制度が実質的に機能しづらい中国等において、自社のコアブランドについて全45区分すべてで商標を出願・維持する戦略。
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