Trademark Appeal Case
結合商標の要部観察
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第6429号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第16類「紙類,印刷物,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、平成7年12月27日に登録出願したものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は以下の3件である。
(1)登録第791399号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和41年7月5日に登録出願、第1類「化学品,薬剤,医療補助品」を指定商品として、昭和43年8月20日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。
(2)登録第1899647号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和51年12月25日に登録出願、第25類「紙類,文房具類」を指定商品として、昭和61年10月28日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。
(3)登録第2090878号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和51年12月25日に登録出願、第26類「印刷物,書画,彫刻,写真,これらの附属品」を指定商品として、昭和63年11月30日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。
3 請求人の主張
請求人は、本願商標は、1)「T」と「Mobil」の前後及びその間に「・」を配することにより、両者をデザイン上一体性を持たせて結合せしめており、取引の経験則上デザイン上一体性のある商標は一体不可分のものとして取り扱われる、2)本願商標から生ずる「ティーモービル」の称呼は冗長でない、3)「T」は商品の記号・符号とは認識されない、4)「T」は出願人の使用する商標を示すものであり不可欠である、ことを理由として、「Mobil」の部分をもって要部観察されることはないと主張している。
4 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、「T」の文字と「Mobil」の文字及び「・」を「T」の前に1つ、「T」と「Mobil」の間に3つ、「Mobil」の後に1つ配しているが、「T」の文字と「Mobil」の文字は、これらの間に配されている3つの「・」により、視覚的に分離されていると認められるものである。また、両語を組み合わせた「TMobil」の文字は特定の意味を有するものと認められないものであり、一体不可分のものとして捉えなければならない特段の事情も見いだせない。
そして、本願商標の「Mobil」の文字部分は、アメリカ合衆国の大手石油会社が使用して著名な商標「Mobil」と同一の文字からなるものである。
前記実情からすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、「Mobil」の文字のみに着目して取引に資する場合も少なくないとするのが相当である。したがって、本願商標は、「Mobil」の部分より「モービル」の称呼を生じ、また、前記著名な商標「Mobil」を想起させるものということができる。
請求人は、「T」の文字は出願人の使用する商標を示すもので不可欠である旨を主張し、請求人(出願人)に係る出願リストを甲第1号証として提出しているが、これは本願商標が実際に使用されている事実を示すものではないから、これをもって、本願商標が常に一体不可分のものとして、取引者・需要者に認識されるものと認めることはできない。また、甲第2号証ないし12号証は、本願商標と異なる構成態様の商標に関するものであって、事案を異にする。したがって、請求人の主張を採用することはできない。
他方、引用A商標ないし引用C商標は、別掲(2)及び(3)のとおりの構成よりなるから、これより「モービル」の称呼を生ずる。
してみると、本願商標と引用A商標ないし引用C商標は、外観において差異が認められるとしても、「モービル」の称呼を同一にする互いに紛れるおそれのある類似の商標といえるものである。
そして、本願商標の指定商品は、引用A商標ないし引用C商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができないとした原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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