Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17032号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、西暦1992年12月21日スウェーデン国においてした商標出願についてパリ条約第4条に基づく優先権を主張して、平成5年6月14日登録出願、商標の構成を後掲(1)に示すとおり「ITC」の欧文字とし、指定商品を第7類「パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,金属加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車,風車」を除く),風水力機械器具」とするものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2174225号商標(以下、「引用A商標」という。)及び登録第2174226号商標(以下、「引用B商標」という。)は、共に昭和62年7月9日登録出願、商標の構成をそれぞれ後掲(2)及び(3)に示すものとし、いずれも指定商品を平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令に基づく商品の区分(以下、「旧類別」という。)第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」として、平成1年9月29日に設定の登録がされ、これら登録に係る権利は、いずれも平成11年6月15日に存続期間の更新登録がされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記したとおり「ITC」の欧文字よりなるものであるから、該文字の外観及びこれに相応して生ずる「アイティーシー」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
他方、引用A商標及び引用B商標は、その構成それぞれ後掲(2)及び(3)に示すとおり、井桁(いげた)状輪郭図内に「ITC」の欧文字を配したもの(以下、「ITC(図)標章」という。)と「ウオーニング・M」、「WARNING M」の各文字又は「ウオーニング・センサータグ」、「WARNING SENSOR TAG」の各文字(以下、これら各文字を一括して「WARNING標章」という。)との結合よりなるところ、これら両部分を全体として称呼した場合は、極めて冗長に亘る音構成といえるばかりでなく、いずれの場合も、ITC(図)標章と同右側に表された「WARNING標章」とは、視覚上自ずと分離して看取し得るものであり、かつ、意味上においてこれら両部分を常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情はなく、また、主従・軽重の差も見出せないから、かかる場合、両部分はそれぞれが独立して商品識別の機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、簡易・迅速を旨とする取引場裡にあっては、当該商標を常に全体として取引指標とする場合ばかりとは限らず、適宜親しみ易く馴染み易い部分を抽出し、他の部分を省略して簡便に取引に当たることが屡々行われる取引事情よりすれば、引用A商標又は引用B商標に接する取引者、需要者は、構成中のITC(図)標章に着目し、同部分の外観又はこれより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないとみるのが取引の経験則に照らし相当である。
また、この場合、井桁(いげた)状輪郭図は、一般に、文字、図形又は記号等の外周を囲むための輪郭図として社会一般において普通に用いられる周知の形状であってありふれた形状の一つと認められるから、それ自体は、商品識別の機能を有しないものか若しくは極めてその機能の弱いものとみるのが相当である。
そうすると、引用各商標にあって、ITC(図)標章はそれ自体独立して商品識別の機能を果たし得るものであって、これより「アイティーシー」の称呼を生ずるものというべく、したがって、引用各商標は同称呼をもって取引に資される場合も少なからずあるといわなければならない。
そうとすれば、本願商標と引用各商標とは、「アイティーシー」の称呼を同じくする点において互いに紛れ易く、また、外観においても両者は同一書体というべき「ITC」の欧文字を共通にする点において近似した印象を与えるものであるから、これら各点を取引の実情に照らし総合判断するに、両者はその出所について混同を生じさせる虞のある類似の商標といわなければならない。
また、本願商標の指定商品は、旧類別第9類に属する商品を包括的に指定する引用各商標の指定商品中に含まれるものと認められる。
してみれば、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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