sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標と結合商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16142号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ROBERTA CASALE」の欧文字を書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年5月22日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その構成中に、イタリア国ベネティア市在住の『Roberta di Camerino』が『婦人・紳士物の衣料品』等に使用している著名な商標『ROBERTA』の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.「ROBERTA」商標の著名性について

(1)別掲に示す事実関係を総合すると、「ROBERTA」の文字からなる商標(以下「ROBERTA」商標という。)は、これと綴り字を同じくする「Roberta」や片仮名表記の「ロベルタ」、さらに、これらの商標の所有者でイタリアに本社を置く会社の名称「Roberta di Camerino/ロベルタ・ディ・カメリーノ」(以下「ロベルタ社」という。)の使用と相俟って、我が国においては、遅くとも本願商標の出願前までには、ロベルタ社の取り扱いに係る商品(特に、衣料品、靴、かばん類等のファッション関連商品)を表示するものとして、その商品の取引者・需要者の間において広く認識され、その状態は現在に至っても継続しているものと認めることができる。

(2)請求人は、職権に基づく証拠調べ通知に対する意見書において、そもそも「ROBERTA」は日本の「太郎」や「花子」と同様に、欧米では一般的なありふれた名前であり、これをイタリアのデザイナーである「ROBERTA di CAMERINO」と結びつけるのは適切でない旨主張している。

しかしながら、欧米でありふれた名前であっても我が国ではそのような事実はなく、むしろ、我が国において、ありふれた名前であっても、その使用商品や使用程度・実績等により、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たす場合がある。「ROBERTA」商標は、それが欧米の一般的なありふれた名前であるかどうかの認識の程度に関係なく、上記認定のとおり、我が国においても、ロベルタ社の取り扱いに係る商品に広く使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を十分に備えた著名商標といえるものであるから、請求人の上記主張は理由がない。

(3)また、請求人は、職権に基づく証拠調べ通知に対する意見書において、ロベルタ社が使用する商標は、全て「Roberta di Camerino」であって、それには必ずネクタイをアレンジした「R」のマークが一体となったものであり、「ROBERTA」が単独で使用されていることはない旨主張している。

しかしながら、先の職権に基づく証拠調べ通知書において示したように、請求人が主張する商標の使用態様のほかにも、「ROBERTA」や「Roberta」が単独でロベルタ社製品に多数使用されていることは明らかである(具体的な証拠については、平成12年9月12日付けの職権に基づく「証拠調べ通知書」を参照。)から、この点に関する請求人の主張も理由がない。

2.出所の混同を生ずるおそれについて

(1)本願商標は、前記のとおり、「ROBERTA CASALE」の文字を書してなるものであるところ、その構成上、「ROBERTA」と「CASALE」の各文字が分離して看取されるものであり、また、両文字が結合された「ROBERTA CASALE」の構成文字全体をもって、一般に親しまれた特定の熟語や特定の人名を表すものとは認め得ないところである。

そうすると、本願商標の指定商品中には、「被服,バンド,ベルト,履物」等のファッション関連商品といえるものが多数含まれており、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、これに接する取引者・需要者は、ロベルタ社の「ROBERTA」商標と共通の、本願商標の構成中前半の「ROBERTA」の文字部分に着目し、同時に「ロベルタ」(「ROBERTA」・「Roberta」)と呼ばれる著名ブランドを連想し、本願商標をロベルタ社と何らかの関係のある者の商標、即ち姉妹ブランドであると考えることが多いと認めるのが相当である。

してみると、ロベルタ社及び同人と組織的、経済的に関係のない者が「ROBERTA」の語を含む商標を本願商標の指定商品に使用した場合、ロベルタ社及び同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の取扱いに係る商品との間に、出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

そして、この出所の混同を生ずるおそれは、本願商標の出願時はもとより、現在(審決時)においても認められるものである。

(2)この点に関し、請求人は、「ROBERTA」や「Roberta」の各文字を一部に有する商標が他の者によって多数登録されており、本願商標はこれと同種のものであり、その登録が拒絶されることは、特許庁の見解に統一性がなく、商標行政を混乱させるものである旨主張している。

しかしながら、「ROBERTA」又は「Roberta」の語を含む商標の登録が他に存在することは否定しないものの、それらの商標と本願商標とは、その構成や判断時点等を異にするものである。また、それらの商標がロベルタ社によって使用される一連の「ROBERTA」商標(「Roberta」及び「ロベルタ」を含む。以下同じ)と明確に区別されていると認めるに足りる証左はなく、むしろ、上記認定のとおり、「ROBERTA」商標が著名である事実に照らせば、取引者・需要者が、「ROBERTA」の語を含む商標について、ロベルタ社及び同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の取り扱いに係る商品を表示するものであって、それが付された商標を著名な「ROBERTA」商標あるいはその姉妹ブランドであると誤解している可能性も否定できないものというべきである。

そうである以上、「ROBERTA」又は「Roberta」の語を含む商標が他の者によって多数登録されていることをもって、本願商標についての上記出所の混同を生ずるおそれの阻却理由にはならないし、そのような商標の登録の拒絶は、商取引の秩序の維持や需要者の利益保護を図る商標法の目的にも適うものであるから、結局、請求人の上記主張は理由がないものといわざるを得ない。

3.結語

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、取り消す限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。