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Trademark Appeal Case

記号と記述的名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第15845号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「T−Internet」の欧文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成8年12月11日登録出願(パリ条約による優先権主張 1996年6月11日ドイツ連邦共和国)、その後、指定商品については、最終的に、同11年12月24日付手続補正書により、「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,インターネット用の電気通信機械器具,レコード,インターネット用の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」に補正されているものである。

2 当審の拒絶理由

当審において、新たに拒絶理由通知書をもって、請求人(出願人)に対して、意見を述べる機会を与えて示した本願商標の拒絶理由は、次のとおりである。

本願商標は、「T−Internet」の文字を書してなるところ、一般にローマ文字1文字乃至2文字よりなる標章又はハイフンで結合した標章を商品の規格、型式、又は品番を表示するための記号、符号として取引上普通に使用していることより、ローマ文字とハイフンの結合した「T−」の文字は、商品の記号、符号の一類型と認められる。

請求人は、「T−」の文字は、請求人の使用する商標であることを示すものである旨主張しているが、そのことが我が国において一般需要者において広く知られているとはいえないし、その証左も示していないところである。

そうとすれば、我が国需要者が本願商標の構成中「T−」の文字に接したときは、前記の如く、判断するというのが相当である。

一方、「Internet」の文字(語)は、「世界規模の通信ネットワーク」の意味合いを有するものと容易に認識され、本願の指定商品には、「インターネット用機器」が包含されているものと認められる。してみれば、商品の記号、符号の一類型である「T−」の文字とインターネットを認識する「Internet」の文字とを結合した本願商標をその指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」について使用した場合、これに接する需要者は、何人かの業務に係る商品であることを認識し得ないものといわなければならない。そして、前記以外の商品について使用した場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 拒絶理由に対する請求人の意見の要点

本願商標の「T」は、請求人の「Deutche Telekom」の「Telekom」の頭文字を採ったものであって、商品及び役務の商標として、例えば「T−InterConnect」、「T−Net Solution」、「T−Online」、「T−LAN」、「T−NetCall」と採択使用されており、これら商標の「T」は、商品又は役務の符号・記号としてではなく、商標の必須構成要素となっており、本願商標は、それらと同様に一体不可分のものとして使用され、当該商標に接した平均的知識水準の需要者もこれを商品の符号・記号としてではなく、商標の必須構成要素と理解し、素直に、本願商標を一体不可分のものとして捉えるものである。 したがって、本願商標の「T」の文字が商品の符号・記号ではなく、当該商標の必須構成要素となる以上、「T」は他の構成要素と分離されることがないので、本願商標は、「T−Internet」として一体不可分のものと捉えられる。その結果、本願商標は、特別顕著なものとなって自他商品識別標識として機能できる。

また、我が国では、複数の語からなる結合語を採択する場合に、言葉の冗長性を嫌って先頭となる語の頭文字を採って、これを後続の語と組み合わせることが頻繁に行われるようになっている最近においては、需要者は、ローマ字1文字とある語とがハイフンで組み合わせてなる結合語を、単にある語にローマ文字と付加したものと認識するのではなく、全体として何か特定のものを指す一つの語と認識し一体不可分のものと捉えるようになっている。

そして、商標の認識に際しても、需要者は、本願商標のように、ローマ字1文字とある語とがハイフンで組み合わせてなる商標を一体のものとすることに何ら抵抗はなく、むしろ、一体のものと捉えるのが自然であると認識するに至っている。

さらに、本願商標は、各構成文字が同一書体、同一の色彩で横一段に記載され、その構成中、ハイフンは、「T」と「Internet」の両者を一体として認識、理解させるために本願商標の構成要素として取り入れられたものであって、外観上「T」と「Internet」とに分離される理由はなく、また、該文字より生ずる「ティーインターネット」の称呼はさほど冗長なものではなく、簡易迅速を尊ぶ取引界にあっても、称呼の面で「T」と「Internet」とに分離される余地はない。

そうすると、前記事情並びに外観及び称呼の一体性からして、本願商標は、一体不可分のものとされ、自他商品識別性があるものとなる。

4 当審の判断

本願商標は、その構成前記したとおり、「T−Internet」の文字を表してなるところ、それを構成する「T」の文字(語)は、ローマ文字の1字、また、「Internet」の文字(語)は、「世界規模の通信ネットワーク」の意味合いを有するものとして、我が国においてよく知られているといえるものであり、その両者の間には、明確にハイフンが存在するのであるから、視覚上、本願商標がハイフンの前後で「T」と「Internet」に分離して看取されることは、その構成自体で明らかというべきである。

そして、ハイフンは、言語表記の補助符号として使用され、英文などで、完全な複合語をなすには至らない2語の連結、1語が行末までに収まりきれず2行にまたがる時のつなぎ、又は、1語内の要素の区切りを示すのに使われるものである(広辞苑第4版)。

次に、本願商標を構成する「T−Internet」の欧文字が一体のものとして、どのような意味内容を有する語であるかが、一般の取引者、需要者に知られているものと認めるに足りる証拠はなく、他にも、上記欧文字が全体としてみて一体不可分のものとしてのみ理解されると認めさせる証拠は、見出すことができない。

そうすると、本願商標に接する一般の取引者、需要者は、これを分離して把握し、認識することが十分にあり得るものといわざるを得ず、「T」と「Internet」のそれぞれに着目した観察と認識が生ずるものといえる。

しかして、一般に、ローマ文字1字ないし2字が、商品の規格、品番等を表すための記号又は符号として、各種商品について商取引上類型的に採択使用されているところであって、本願指定商品を取り扱う家電・情報メディア商品関連等の業界においても、例えば、各社の広告等によれば、「LP−8200C」(セイコーエプソン株式会社のカラーコピーシステム)、「MZ−2520」(シャープ株式会社のパーソナルコンピュータ)、「VZ−5000」(エプソンダイレクト株式会社のパーソナルコンピュータ)、「T760」(株式会社ナナオのカラーディスプレイ)、「XPS Tシリーズ」(デルコンピュータ株式会社のパーソナルコンピュータ)等のように、普通に使用されている事実が認められる。

請求人は、本願商標の「T」の文字は、請求人の名称の一部の頭文字をとったものであり、請求人の商標の冒頭部分に数多く採択されていること、また、請求人が、子会社を通じて、日本国内で販売、提供する商品、役務につき、冒頭部分に「T」の文字を用いた商標を使用していること等を根拠に、本願商標の「T」の文字は、商品、役務の符号や記号としてではなく、商標の必須構成要素となるものとして働いているから、本願商標は、出所を表示するものとしても識別性がある旨主張する。

しかしながら、本願商標を採用した請求人自身の主観的意図や使用状況が請求人主張のとおりであるとしても、本願商標が出所を表示するためのものとして識別性を有するといえるためには、本願商標を含め、冒頭部分に「T」の文字を用いた商標が、請求人の商品を表すものであることが、一般の取引者・需要者に知られていることが必要であるというべきであるのに、このような事実は、見出すことができない。

また、本願商標の後半の「Internet」の文字は、商品「インターネット用機器」との関係においては、その商品の品質、用途を表示するものといえるものである。

してみると、本願商標をその指定商品中「インターネット用電気通信機械器具・電子応用機械器具及びその部品」について使用した場合、これに接する需要者は、前記事情よりして、該商品の種別、型式、シリーズ名等を表示したものと理解するに止まり、それをもって何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとした当審における拒絶理由は、妥当なものである。

なお、請求人は、「T」の文字と他の文字との結合商標が一連の造語と認識され、登録されている例を挙げて、本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの事例は、商標の具体的構成或いは指定商品(役務)において、本願商標とは事案を異にするものであり、それら事例をもって本願商標の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、また、本件については、前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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