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Trademark Appeal Case

「パスチェック」の機能表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第13723号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「パスチェック」の文字を横書きしてなり、第9類「電子応用扉自動開閉装置,電動式扉自動開閉装置,通行者用電動式ゲート」を指定商品として、平成8年6月13日に登録出願、指定商品については、平成10年5月19日付手続補正書をもって「電子応用扉自動開閉装置,電動式扉自動開閉装置,電動式改札口用遮断板開閉装置,電動式有人改札口用遮断板開閉装置」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、外来語として一般に知られる『乗車券・定期券、通行証』等の意味を有する『パス』の語と、『照合、検査』等の意味を有する『チェック』の語を、『パスチェック』と書してなるところ、全体として指定商品との関係から『不正乗車や不正な進入を防ぐための機能』を想起、認識させるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「パスチェック」の片仮名文字をやや太めの書体をもって表してなるものであるところ、これを構成する前半の「パス」及び同後半の「チェック」の各文字部分は、一般に「通る。通過する。合格すること。通行証・定期券・入場券」及び「照合、検査、点検」の意味合いをもって、一般に親しまれ、使用されている平易な外来語と認められる。

しかして、「パス」及び「チェック」の語は、運輸・交通に関連する新聞記事データベース情報及びインターネット情報によれば以下の事実が認められるところである。

(1)「

パス

かざすだけで自動改札機を

パス

運輸省が新システム開発へ」との見出中に、「パス」の語が定期券を指称するものとして使用されていること(1996.3.18付読売新聞東京版)。

(2)「愛知県議会も無料

パス

を返上 鉄道や公営施設用」との見出しのもと「愛知県議会の会派の団長会議が十二日開かれ、県議らに渡されている鉄道や公営施設などの無料

パス

すべてを、十月末までに返上することを申し合わせた。」との記事中に「パス」の語が用いられていること(1995.10.13付朝日新聞名古屋版)。

(3)「JR東日本、自動改札にキセル防止網 首都圏で今年度中に」との見出しのもと「悪質なキセル乗車を一掃しようと、JR東日本は自動改札システムを活用した定期券の

チェック

に乗り出す。入場の際、改札機を通らなかった定期券が出口の改札機を通過した場合には、自動的に扉が閉まる仕組みで、導入するのは全国の鉄道会社で初めて。今年度中に山手線を中心とした首都圏で実施に踏み切る。」との記事中に「チェック」の語が用いられていること(1994.4.22付日本経済新聞)。

(4)「キセル定期券通しません! 東京周辺のJRに25日から“判別改札機”が登場」との見出しのもと「.........キセルの中で最も多いこの手口を防ぐため、.........この券売機を使わず、最低料金の切符だけ買った乗客が定期券で下車しようとしても、定期券に新型券売機の利用記録がないため、改札機が自動的にキセルを

チェック

する。」との記事中に「チェック」の語が用いられていること(1998.3.18付読売新聞東京版)。

(5)「日本信号、磁気カードによる入退室管理システムを発売。ビルや工場向けに本格拡販」との見出しのもと「日本信号は、ビルや工場、研究所の入退場者を

チェック

管理する『セキュリティゲートシステム』の本格販売を開始した。駅の自動出改札システムを応用したもので、一般に使用されているプラスチック製磁気カードによる社員証などの入場資格証を読み取り、一人ずつスムーズに出入り

チェック

ができる。」との記事中に「チェック」の語が用いられていること(1993.3.15付日刊工業新聞)。

(6)「不正乗車

チェック

に新システム導入」「西鉄大牟田線に『フェアトリップシステム』を導入」として「西鉄電車では、4月1日から、不正乗車を防止して、お客様の不公平感を解消し、適正な運賃の収受を目的として「フェアトリップシステム」(不正乗車防止システム)を導入いたします。詳細は、下記のとおりです。」「.........(3)システムの内容 お客様が、乗車時に定期券・回数券などを自動改札機に入れられた際に入場駅・入場時刻などの情報を記録し、降車時に自動改札機でその情報を確認させていただくもの。」「●サイクル

チェック

定期券・カード・回数券のご利用が、改札から入→出→入→出となっているかどうか

チェック

するもの。」「●入場から出場までの時間の

チェック

入場駅が同じ駅の場合、入場から出場までの時間をチェックするもの。」との平成11年3月2日付「お知らせ」に「チェック」の表示が用いられていること(http://www.nnr.co.jp/nnr/inf/release/release98_45.htm)。

以上によれば、「パスチェック」の文字(語)からは、一般的に「改札点検(チェック)」「入場(券)点検」等の意味合いを容易に理解し得るものであり、特に、運輸関連の事業分野ないしは建物設備関連の事業分野においては、磁気媒体(定期券、入場券、通行券)と読み取り装置による、通行、入退室チェック装置の機構・機能を表示するものとして容易に理解されるといえるものである。

してみると、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記実情よりして、該商品の品質、機能(「入退室又は入退場時に不正等をチェックする機能を有する装置」という品質機能)を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきである。

請求人(出願人)は、本願商標は「入場券」を意味する英語「pass check」の表音であるから、直ちに指定商品の品質表示とはいえない旨述べているが、該英語が請求人主張の意味合いをもって、世上親しまれているとの実情は格別認められず、本件については前記認定判断を相当とするから、その主張は採用の限りでない。

そして、かかる構成になる本願商標は、前記チェック装置の製造・販売に関わる事業者であれば、該商品を流通過程・取引過程におく場合必要な表示であって、何人もその使用を欲するものであるから、商標の本質的機能(自他商品の識別標識)及び商標保護の法目的からして、これを登録商標として一私人の権利に帰属させ、その独占的使用に委ねることは妥当性を欠くものといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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