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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第9311号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、願書に記載した商標(標準文字による商標)のとおり、「VACMAN」の欧文字を横書きしてなり、1997年3月11日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定による優先権を主張して平成9年4月24日登録出願、指定商品については、平成11年1月8日付手続補正書をもって、第9類「コンピュータネットワークアクセスサーバー,電子応用機械器具及びその部品,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電気通信機械器具,回転変流機,調相機」と補正したものである。

2 引用商標

原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第1766151号商標(以下、「引用A商標」という。)は、昭和57年6月18日に登録出願、後掲(1)に示すとおり「パックマン」の片仮名文字を横書きしてなり、第11類「パーソナルコンピユータ用のゲームプログラムを記録したカセツトテープ、フロツピーデイスク、電子回路、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成60年5月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

同じく、原審において拒絶の理由として一旦開示し、かつ、当審における平成12年4月24日付審尋書をもって改めてこれを本願商標の拒絶の理由とする旨請求人に対して通知し、その意見を求めたところの登録第4097828号商標(以下、「引用B商標」という。)は、後掲(2)に示すとおり「SONY」及び「BAGMAN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成4年3月2日登録出願、第11類「電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く),電気材料」を指定商品として、同9年12月26日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり「VACMAN」の欧文字よりなるところ、該文字は特定の観念を生じさせない造語と認められるものである。そして、これに接する需要者は我が国において一般に親しまれているローマ文字或いは英語風の読み方をもって、これを「バックマン」と読み、その称呼をもって取引に資するとみるのが自然である。

(2)他方、引用B商標は、前記したとおり、「SONY」及び「BAGMAN」の各文字よりなるところ、これら各文字部分は上下二段に配置され、かつ、文字の大きさ及び書体を異にすることから視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上もこれら各文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。

すなわち、上段の「SONY」の文字は、引用商標権者の名称(ソニー株式会社)の著名な略称であり、かつ、その指定商品とする電気機器、電子機器等の商品分野において、我が国はもとより諸外国においても広く知られたいわゆる著名商標として容易に理解される一方、下段の「BAGMAN」の文字部分は、必ずしも一般に親しまれた英語とはいい難く、むしろ英語の「BAG(バッグ)」、「MAN(マン)」の各文字を結合した一種の造語として認識し把握されるとみるのが相当である。

かかる場合、引用B商標に接する取引者・需要者は構成中の「SONY」の文字はその生産または販売主体を表す役割を果たす部分(代表的出所標識)として認識し、以て全体として「SONY(ソニー)の取扱いに係る『BAGMAN』(バッグマン)印(じるし)」または「SONY(ソニー)製のBAGMAN(バッグマン)印(じるし)」の如く、下段の「BAGMAN」をその個別的商標(個別商品毎のいわゆる個別商標)と認識し把握されるとみるのが相当である。

そして、取引場裡にあって、この種商品の需要者は数ある同種商品中より特定商品を選択購入するに際して、その代表的出所表示部分を除いた、個別的商標をもって簡便に取引に資することは、しばしば見受けられるところであってみれば、単に「バッグマン」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものといわなければならない。

してみれば、引用B商標は、その構成全体に相応して「ソニーバッグマン」の一連称呼を生ずるほか、「BAGMAN」の文字部分に相応して、単に「バッグマン」の称呼も生ずるものといわなければならない。

(3)そこで、本願商標より生ずる「バックマン」の称呼と引用B商標より生ずる「バッグマン」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に5音からなり、中間において、「ク」と「グ」の音の差異を有するほかは、前半の「バッ」及び後半の「マン」の各音を同じくするものである。しかして、該差異音は「ク」の音の清音と濁音という違いであって、構音部位を殆ど同じくし、かつ、称呼の識別上明瞭に聴取し難い中間に位置する関係上、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標と引用B商標とは、称呼において紛れ得るものというべきであり、このほか外観・観念の点を考慮するとしても、なお、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。そして、本願商標の指定商品は、引用B商標の指定商品中に内包されるものと認められる。

(4)したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって拒絶すべきものである。

請求人は、引用B商標は「ソニーの外交員」、「ソニーの取り立て屋」、「ソニーのかばん持ち」等の特定の観念が生じ、全体として称呼されるべきである旨述べているが、一般に引用B商標が請求人の述べる意味合いの語として理解されるというべき合理的理由はなく、また、その証左も見出せないから、その主張は妥当でない。そして、かかる構成にあっては「BAGMAN」が個別的商標として単独に商品識別の機能を発揮し得ること前記認定のとおりであるから、その主張は採用の限りでない。

なお、本願商標については、前記理由によりすでにその拒絶を免れないものであるから、原査定が認定した商標(引用A商標)との類否については、その判断を省略した。

よって、結論のとおり審決する。

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