Trademark Appeal Case
会社略称の誤認と公序良俗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第10934号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第2類「塗料,染料,顔料,印刷インキ,絵の具」を指定商品として、平成8年4月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、全体として法人を表したものと理解させる『日本HP(株)』及びその名称を英文字表記した『HP japan Ltd.』の文字を有するものであるところ、当該名称は出願人の名称と相違するものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当するものである」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「HPJ」、「日本HP(株)」及び「HP japan Ltd.」の各文字を表してなるものであるところ、その構成中の「日本HP(株)」の文字部分は、「(株)」が、会社の種類の一つである「株式会社」の略と認められるものである。
そして、下段の「HP japan Ltd.」の文字部分は、その上段の「日本HP(株)」の部分を欧文字表記したものと容易に理解されるものである。
ところで、請求人(出願人)の名称は、「ヒューレット・パッカード・カンパニー(HEWLETT-PACKARD COMPANY)」であり、「日本HP(株)」、「HP japan Ltd.」ではない。
そして、「日本HP」の文字部分については、請求人の子会社である「日本ヒューレット・パッカード」(正式名称「日本ヒューレット・パッカード株式会社」)を表示するものとして使用されているとしても、本願商標中の構成文字は、「日本HP(株)」であり、「日本HP」とは異なるものであること、そして、本願の指定商品について、「日本HP(株)」が、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下「日本ヒューレットパッカード社」という。)の略称として広く認識されていることについて何ら立証していないものであるから、「日本HP(株)」の文字が日本ヒューレットパッカード社の略称として取引者、需要者に認識されるものとは認められない。
加えて、「HP japan」の文字部分は、日本ヒューレットパッカード社のインターネットのホームページの表題において使用されていることは認められるにしても、該事実のみをもって、本願商標構成中の「HP japan Ltd.」の文字が、日本ヒューレットパッカード社の欧文字表記である「Hewlett-Packard Japan,Ltd.」の略称として、取引者、需要者に認識されていると認めることができない。
そうすると、本願商標中「日本HP(株)」及び「HP japan Ltd.」の文字部分は、日本ヒューレットパッカード社の略称として認識されるものであるということができず、「日本エイチピイ(エッチピー)株式会社」の略及びその欧文字表記を表したものと認識される場合が少なくないというのが相当である。
してみれば、本願商標は、請求人あるいはその子会社と異なる会社の名称(商号)を表示したと認識され得るものであり、これをその指定商品について使用したときに、実際の商品の出所が請求人あるいはその子会社であるにもかかわらず、取引者、需要者が、「日本エイチピイ(エッチピー)株式会社」と称する会社の取扱いに係る商品であるかのごとく、商品の出所について誤認を生じるおそれがあるというのが相当であるから、商取引の秩序を乱し、ひいては公の秩序を乱すおそれがある商標といわざるを得ないものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す限りでない。
なお、請求人は、本願商標と同一の商標が他の類で登録されている旨主張するが、本願商標がその指定商品との関係において、日本ヒューレットパッカード社の略称としてのみ需要者、取引者に認識されるといえないから、その主張は採用できない。また、請求人は、子会社である日本ヒューレットパッカード社作成の本願商標を商標登録することを承諾する旨の承諾書を提出しているが、前記のとおり、本願商標が該子会社の略称とのみ認識されるとは認めがたいものであるから、前記判断を覆すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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