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Trademark Appeal Case

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本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第4493号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、その構成を別掲に示すものとし、第12類に属する商品を指定して、平成8年8月21日に登録出願、その後、指定商品については、平成9年12月18日付の手続補正書をもって「制動装置,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、『非常用ブレーキ補助装置』の意味合いを看取させるにとどまる英語『PANIC BRAKE ASSIST』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『前記商品』に使用したときは、単に商品の品質等を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」との理由で本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は前記したとおりの構成であって、「PANIC」、「BREAKE」、「ASSIST」の各文字の頭文字「P」、「B」及び「A」を他の文字より大きく表示してなるところ、このような表示方法は格別特異なものでなく、普通一般に用いられる強調的手法の域を脱しないものといわなければならない。

そして、この「PANIC」、「BREAKE」、「ASSIST」の各語は、それぞれ、「恐怖、狼狽、突然の」、「制動機」、「補助」などを意味する平易な英語であって、それぞれの表音である「パニック」、「ブレーキ」、「アシスト」の語も同旨の意味合いの外来語として一般に親しまれて使用されているものである。

そうすると、本願商標は、前記の各語(英語)を結合してなるものと容易に認識し理解されるものといえる。

(2)しかるところ、この「パニック」、「ブレーキ」、「アシスト」の各語又はこれらの結合辞である「パニックブレーキ」、「ブレーキアシスト」の語について、例えば、自動車業界関連の新聞記事データベース情報及びいわゆるインターネット情報によれば、以下の事実が認められる。

(a)「[ナビゲータ−]事故回避のブレーキングを学べる」との見出しのもと、「ニッサンドライビングパークという施設が本格稼働を始めた。.........その概要を紹介すると。まずブレーキング。それもかつて教習所で教わったようなソフトブレーキではなくて、水をまいた滑りやすい路面で思いつきり、床を踏み抜かんばかりの力でブレーキを踏む。そうした時クルマはどんな動きをするか、クルマは思い通りに止めることができるのかどうかを実体験するというメニューがある。つまり事故を起こす寸前、このままではぶつかってしまうという時に踏むブレーキである。ところがこの

パニックブレーキ

、多くの人がしっかりと踏めない。」との記事中に用いられていること(1998.7.3付毎日新聞東京版夕刊7頁)。

(b)「[運転じょうずへの道]ABSの使い方」との見出しのもと、「最近はオートマチック車が主流を占めていることもあり、アクセルを右足で踏めば、クルマは安定して走る。自分の意思の通りに走らせることもそんなに難しくなくなった。でもクルマを止めることは難しい。とりわけ、突然クルマを止めなくてはならない

パニックブレーキ

が問題だ。」との記事中に用いられていること(1993.5.28付毎日新聞東京版夕刊7頁)。

(c)「『日産ドライビングパーク』体験記」との見出しのもと、「.........日常ではなかなか遭遇することのない

パニックブレーキ

などの体験を通して、運転者みずから安全領域を広げてもらおうという試みだ。.........そしてABSを作動させない状態で時速50キロメートルからのブレーキング。」との記事中に用いられていること(1997.3.14付日刊工業新聞12頁)。

(d)「[ダッシュボード]トヨタの新コンセプトカー『ラウム』に試乗」との見出しのもと、「.........さらにトヨタが開発した

パニックブレーキ

の補助機構、『

ブレーキアシスト

』(急ブレーキを十分に踏み切れない人のために、機械的にブレーキの踏み増しをしてくれる)もこのラウムから標準装備されたのも特筆ものだ。」との記事中に両語が用いられていること(1997.5.30付毎日新聞東京版夕刊4頁)。

(e)「

ブレーキアシスト

緊急時の操作助ける、踏み方の違い検出(くるま新技術の目)」との見出しのもと、「ここ二カ月間に、日産自動車、トヨタ自動車、ベンツが相次いで

ブレーキアシスト

装置を発表した。この装置は従来のブレーキ倍力装置とは異なるものだ。ブレーキ倍力装置は制動時のペダル踏力を軽減する装置なのだ。.........これに対して、

ブレーキアシスト

装置は緊急時にペダルを十分強く踏めないドライバーのために開発された。つまり、脚力が十分ありながら、緊急時にそれを生かせないドライバーのために開発された装置だ。」との記事中に用いられていること(1997.3.18付日経産業新聞12頁)。

(f)「

ブレーキアシスト

」として、「 緊急時にブレーキを踏んだ場合、その踏み込み速度と踏み込み量から、緊急ブレーキであることをシステムが検知し、強い制動力を発生させるものです。いざという時の危険回避の大切なポイントである制動操作をより確実なものにします。」との表示が用いられていること(http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Harrier/safety/)。

(g)「ラインナップ グロリアに待望の『グランツーリスモ』新登場」として、「グロリア主要装備.........●

ブレーキアシスト

」との表示が用いられていること(http://www.satio-hyogo.co.jp/lineup/gloria.html)。

(h)「安全装置の基礎知識(

ブレーキ・アシスト

装置)」として、<ブレーキの踏み込み力を補助します>急ブレーキなど強いブレーキ力が必要な際に、ブレーキの踏み込み力をさらに補助してブレーキ力を増やす装置です。この装置により、緊急時にブレーキを強く踏めない人でも、強く踏める人並みのブレーキ力を得ることができるようになります。」との表示が用いられていること(自動車事故対策センターのホームページ http://www.osa.go.jp/anzen/html2000/003191.html)。

(3)上記事実によれば、「パニック」、「ブレーキ」、「アシスト」の各語又はこれらの結合辞である「パニックブレーキアシスト」の文字(語)からは、自動車業界一般においてすでに研究され実施されているブレーキ補助装置、すなわち、急ブレーキを十分に踏み切れない人のために機械的にブレーキの踏み増しをしてくれる装置の意味合いを容易に感得し得るものといわばければならない。

そうとすると、本願商標を、その指定商品中の前記機構を備えた「制動装置」および「自動車」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、全体として、それが、パニックブレーキを踏んだ時に作動するブレーキアシスト装置、又は、同装置が装備された自動車であることすなわち、商品の品質(機能、構造)を表示したものと理解するにとどまり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。そして、前記以外の「制動装置」及び「自動車」に使用するときには商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。

そして、請求人会社は、上記新聞記事及びインターネット情報に紹介されている技術・商品分野に携わる当業者であることから、請求人はかかる業界事情を知悉していたと推認するに難くないものである。

そうすると、「『Panic』の語は一般に『非常用』との意味を生じさせず、また、『ブレーキ補助装置』を『Brake Assist』と表現することが需要者間で普通に用いられているとは言い難い」旨を述べる請求人の主張は妥当でなく、採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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