sokuhyo

Trademark Appeal Case

容器形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第8050号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を別掲に示すものとし、第3類に属する商品を指定商品として、平成9年9月11日に立体商標として登録出願(パリ条約による優先権主張 1997年3月18日 フランス国)、その後、指定商品については、平成10年10月26日付手続補正書により「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、デザインが施された形状からなるものであるが、これをその指定商品との関係よりみると、商品の入る本体部分と蓋の部分が容易に認識できるものであるから、全体として上記商品の収納容器として採用し得る形状の一形態を表した立体的形状よりなるものといわざるを得ないから、これをその指定商品について使用しても、単に商品の収納容器(包装)の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標の立体的形状部分のみが独立して周知・著名であって、自他商品の識別機能を有するに至っているものと認めることはできない。」旨認定して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用するものを登録する立体商標制度を導入した。

立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

(2)立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても「3.(1)立体商標制度の導入 需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。

また、商品の形態を不正競争防止法により保護を求めた事件の判決においても、例えば、「商品の形態自体は、その商品の目的とする機能をよりよく発揮させあるいはその美感を高める等の見地から選択されるものであって、本来、商品の出所を表示することを目的とするものではないけれども、二次的に出所表示の機能を備えることもありうべく、この場合には商品の形態自体が特定人の商品たることを示す表示に該当すると解すべきである。」(東京地裁 昭和52年12月23日言渡 昭和50(ワ)3035号)との判示がなされており、これと同旨の判示をした判決はこの他にも多数存するところである。

したがって、前記(1)の解釈は、本件独自の見解でないことは明らかである。

(3)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲に示すとおり、女性のボディーを模した台座を有する容器本体部分と蓋部分とからなり、液体等を収納する容器の形状としての一形態を表したものとみるべきであって、これを指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に液体等の商品の収納容器と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

請求人は、本願商標は、商品の形状(包装の形状を含む。)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標には該当しないから、原審の認定は誤っている旨主張する。

しかしながら、本願指定商品(特に化粧品)を取り扱う業界においては、特にその収納容器に特徴をもたせたものを採択し、販売していることが一般に行われているところであって、この特徴は、商品の機能(使い易さ等)や美感(見た目の美しさ)を効果的に際立たせるための範囲のものというべきである。

しかして、本願商標は、その形状が特徴的なものであっても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであり、商品の形状を普通に用いられる方法の範疇で表示する標章のみからなる商標というべきであって、本願商標は、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められないことは(1)で述べたとおりである。

また、請求人は、本願商標が使用をされた結果、取引者、需要者間において、本願商標に係る形状をもって他の同種の商品と識別されている事実について何ら立証していないところである。

したがって、前記特異性をもって、指定商品の収納容器の一形態を表示するものであるとの認定及び本願商標に対する取引者、需要者の認識に係る原審の判断を覆すには足りないというべきである。

4 結 論

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。