結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35519号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
1.本件商標
本件登録第4243382号商標(以下「本件商標」という。)は、「Calligraphy」の欧文字(標準文字)を横書きしてなり、平成9年8月8日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,写真,写真立て,遊戯用カード,紙製文房具,その他文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」を指定商品として、同11年2月26日に設定登録がなされたものである。
2.請求人の主張の要旨
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨つぎのように述べ、証拠方法として甲第1ないし第8号証を提出している。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は、上記記載のとおりの構成であるところ、「Calligraphy」の文字は、甲第1ないし第5号証(広辞苑等)により「ある種の文字を書く技術(書法)」の意味合いを有すると認められるものであり、この力リグラフィーという技術(書法)には、それに適した用紙、文房具類(ペン、インク等)がある(とくに、ペンの中には力リグラフィー専用のペンというものがある。)(甲第6号証)。
そこで、本件商標である「Calligraphy」という文字を商標として、本件商標の指定商品「紙類、紙製文房具、その他文房具類」中、上記のような力リグラフィーなる書法に適した商品に使用するときは、商品が力リグラフィーなる書法のために用いられるものであること(用途)、もしくは、力リグラフィーなる書法に適した性質を有していること(品質)を表示するに過ぎないものといわざるをえない。
したがって、本件商標は、指定商品「紙類、紙製文房具、その他文房具類」中、力リグラフィーという書法に適した商品については、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標である「Calligraphy」という文字を商標として、本件商標の指定商品「紙類、紙製文房具、その他文房具類」中、上記のような力リグラフィーなる技術(書法)に適した商品以外の商品に使用する場合、一般人は、商標の外観・呼称・観念等から判断して、その商品が実際と異なり力リグラフィーという書法に適した品質をもつものと誤認するおそれがある。
よって、本件商標は、指定商品「紙類、紙製文房具、その他文房具類」中、力リグラフィーという書法に適した商品以外の商品については、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人は、本件商標の登録出願に先立ち、「カリグラフィ一」の文字を商標として、第16類「紙類、印刷物、文房具類」を指定商品とする商標登録出願(平成8年商標登録願第31530号)を行ない、平成10年1月16日発送の拒絶理由通知書において、「この商標登録出願に係る商標は、『装飾的な書法(書体)、文字を形象化した特に毛筆、ペンによる描線』の意の英語『Calligraphy』に通ずる『カリグラフィ一』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品『紙類、文房具類』中上記向けの商品に使用するときは、単に商品の用途・品質を表示するものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の該商品に使用するときは商品の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」との拒絶の理由が示され(甲第7及び第8号証)、拒絶の査定を受けているものであり、前記「力リグラフィー」の文字は、本件商標である「Calligraphy」を単に片仮名文字で表したものであって、両者は、意味内容、発音ともまったく同一の単語である。
3.被請求人の答弁
被請求人は、請求人の主張に対して何ら答弁していない。
4.当審の判断
よって判断するに、本件商標は、上記構成のとおり、「Calligraphy」の文字を書してなるところ、請求人が提出した甲第1ないし第5号証(広辞苑等)によれば、「Calligraphy」の文字は、「筆触と筆線を主とする平面芸術の総称、装飾的な書法(書体)、文字を美しく書く技術(書道)」等の意味合いを有する語であること、また、甲第6号証の株式会社日本ヴォーグ社発行(1998年5月)による「カリグラフィー 本格入門独習ブック」には、「カリグラフィーを書くために必要な基本的な道具は、先が幅広のペンと適したインクと紙。」「色違いの線が何本も引くことができる特殊なペンもあります。」等の記載が認められるとともに、カリグラフィー専用の先が平らで幅の違うペン先、フェルトペン及び万年筆、カッパープレートという書体専用のペンホルダー、カリグラフィーを書く際に便利な専用ガイドシート、各書体に合わせた幅の罫入り用紙等の商品の存することが確認し得た。
以上の事実を総合すると、「Calligraphy」の文字は、本件商標登録出願の登録査定時において、本件審判請求に係る指定商品との関係では、「装飾的に文字を美しく書く技術(書道)」ほどの意味合いを表す語として普通に使用されていたものであり、取引者・需要者間でも前記意味合いの語として理解されていたものというのが相当である。
そうすると、本件商標をカリグラフィー専用の先が平らで幅の違うペン先、フェルトペン及び万年筆、カッパープレートという書体専用のペンホルダー、カリグラフィーを書く際に便利な専用ガイドシート及び罫入り用紙等の商品について使用する場合、これに接する取引者、需要者は、該商品がカリグラフィーに適したものと認識、理解するに止まるものといわざるを得ないから、単に該商品の品質、用途を表示するにすぎないものである。
また、本件商標を、前記商品以外の商品「紙類、文房具類」に使用した場合には、該商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
してみれば、本件商標は、その指定商品中「紙類、紙製文房具、その他文房具類」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ない。
そして、この点を述べる請求人の主張に対して、被請求人は何ら反論するところがない。
したがって、本件商標の登録は、結論掲記の商品について、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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