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Trademark Appeal Case

著名商標と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第12674号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3283917号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3283917号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年9月28日に登録出願され、「カルフルライス」の片仮名文字を横書きしてなり、第30類「米」を指定商品として、同9年4月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及びその理由補充を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至同第37号証を提出している。

(1)本件商標は、請求人の名称及び店舗名からなるものであり、しかも、著名なものである。また、請求人は「カルフル(CARREFOUR)」を自己の商標として永年に渡って使用してきており、その結果、世界的にも著名なものとなっている。そのため、「カルフル(CARREFOUR)」に類似することが明らかな本件商標をその指定商品に使用した場合には出所の混同を生じるおそれがある。さらに、国際的に著名な商標を当該商標の所有者たる請求人の承諾を受けることなく勝手にすることは商業道徳に反するものであり、国際信義にも反する。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第7号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1号の規定によりその登録は無効とされるべきである。

(2)請求人の概要

「カルフル(CARREFOUR)」はフランス最初の大規模小売店舗であり、流通業界ではスーパーよりも大きい店舗であるとしてハイパーと呼ばれている大規模店の嚆矢となっている(甲第7号証 日経流通新聞 昭和59年3月26日)。

最初の「カルフル(CARREFOUR)」の店舗は1963年パリ近郊のエッソン州のセント ジェネヴィエヴ デュ ボワに開店された(甲第7号証参照)。カルフル(CARREFOUR)社は爾来フランス全土に出店を進め、その過程でノーブランド商品の販売、情報新聞の発行、クレジットカードの発行、比較広告等斬新な経営戦略を行い、順調にその売上を伸ばし、店舗の出店を進め、欧州流通業界の風雲児と呼ばれていた(甲第7号証 日経流通新聞 昭和59年3月26日、甲第3号証 日本経済新聞 昭和50年9月13日等参照)。請求人は商品の販売にとどまらず、自動車保険等の金融サービスの分野にも進出している(日経流通新聞 甲第10号証 日経流通新聞昭和59年9月10日付、同第12号証 日経流通新聞 昭和60年5月13日)。

さらに、プライベートブランドの商品の販売を行い(甲第11号証 日経流通新聞 昭和60年4月15日)、高級品のピエールカルダンの香水等も販売するようになった(甲第22号証 日経流通新聞 平成5年10月26日)。

現在ではフランス国内で166の「カルフル(CARREFOUR)」の店舗を有するに至っている。

企業規模の面で見ると、「カルフル(CARREFOUR)」はフランスにおける1995年の時点では売上高は一位の小売店であり、従業員数では18番目に,資本金の点では19番目に、海外への投資の点では13番目にランクされる(甲第1号証参照)。

それ故、「カルフル(CARREFOUR)」は同社の名称並びにメイン商標としてフランスでは極めて著名なものとなっていると言える。けだし、フランス全土で166ヵ所もの店舗があれば、日常生活において該店舗を頻繁に目にするであろうし、一般消費者を対象として様々な商品を販売する大規模小売店舗の常として絶え間無く大々的な宣伝広告活動をするからである。上述したように、現に請求人は情報新聞の発行など積極的な宣伝広告活動を行ってきた。

このことは、わが国において全国規模の店舗展開を行っている大規模小売店舗の名称及びその商標(例えば、ダイエー、イトーヨー力堂)を誰でもが知っている事実から明らかである。わが国とフランスとが事情を異にするとは考えられない。

カルフル(CARREFOUR)社は店舗展開がフランス国内では飽和成熟状態になり、国内法規による規制がある故に、1975年頃より積極的に海外への進出を図ってきた。その店舗はブラジルに33店舗(最初の店舗は1975年にサンパウロに開店)、アルゼンチンに11店舗(最初の店舗は1975年にブエノスアイレスに開店)、1989年以来台湾には8店舗、1992年以来ポルトガルには2店舗、イタリアには5店舗、トルコには1店舗(1993開店)、マレーシアには1店舗(1994年開店)、1994年以来メキシコには3店舗と海外に店舗展開を行っている。特に、同社は近年国際化の戦略をより積極的に進め、しかも、その重点をタイ、中国、韓国等のアジアに置いている。

請求人は平成4年当時で、世界の小売業ランキングでは第9位になっていた(甲第21号証 日経流通新聞 平成5年12月21日)。

以上述べたことからして、「カルフル(CARREFOUR)」は請求人の名称、その店舗の名称及び同社の商標としてフランスのみならず世界的にも著名なものとなっていた。

(3)わが国におけるカルフル(CARREFOUR)の著名性

わが国においては現在のところカルフル(CARREFOUR)の店舗は存在しない。しかしながら、このことが即カルフル(CARREFOUR)が著名なものではないことにはならない。近年の国際通信及び国際交通網の発達により、わが国の需要者、取引者は海外の取引事情を容易に知ることができるようになった。一方、わが国の経済の国際化に従って、需要者、取引者は海外の取引事情の収集を積極的に行うようなった。そして、流通業者にあっても例外ではない。このことは、流通業者を含めての経済関係の者が購読することの多い日本経済新聞、日経流通新聞等に海外の欄があることからも明らかである。

このような事情の下、フランス最大の小売店であり、世界的に店舗を展開し、売上ランキングでも10位以内にあるカルフル(CARREFOUR)のことを流通業者は業務の必要上当然知り得ていると言える。

そして、請求人は実際に日本の新聞にもたびたび掲載されている。請求人はこの事実を示すために、その一例として日本経済新聞関係の新聞の検索リストを提出する(甲第2号証)。また、請求人がフランス最大の小売店であり、海外の出店を進めて、欧州流通業界の風雲児と呼ばれている等の注目を集める存在であることを証するため、そのリストに掲載された記事の中からいくつかの記事そのものの写をここに提出する(甲第3号証乃至同第30号証)。この検索リストは昭和50年以降の新聞記事がリストされているが、これ以前のものはデータベースに入力されていないので検索されない。決して、これ以前に記事がなかったことを意味するものではない。

ここで注意すべきことは、これら新聞記事は請求人の宣伝広告のためのものではなく、むしろ、世間で注目を集めている存在を取り上げるものであることである。すなわち、これら新聞に請求人自体がすでに注目を集めた存在であったことを意味するのである。無論、新聞記事になったことにより、それまでカルフル(CARREFOUR)のことを知らない者もこの意味を知るようになる。

そして、請求人はその代表者が日本で行われたシンポジウムに出席したり(甲第18号証 日経流通新聞 昭和62年11月19日)、また.海外の出店先でわが国の流通業者と競合したり、日本の流通業者を訪問したりする(甲第2号証)等、現実に流通業者との接触が多い。

以上の事情からすれば、本件商標が出願された平成6年9月頃には、わが国の流通関係の者にはカルフル(CARREFOUR)は請求人の名称、その店舗の名称及び同社の商標として著名なものとなっていたと言える。

本件商標の指定商品たる米は請求人のような大規模小売店舗で必ず販売されるものである。すなわち、流通関係の者は本件商標の指定商品の取引者、需要者となり得る。この点で、本件商標の指定商品の取引者、需要者はカルフル(CARREFOUR)のことを知り得ていたと言える。

さらに、近年海外旅行に出かける日本人の数は飛躍的に増大し、海外に行ったことがない日本人の方が稀な存在になっている。そして、フランスは旅行先としては、本件商標の指定商品の主たる最終消費者である若い女性を中心に人気ある場所であり、毎年多数の日本人がフランスを訪れてきた。請求人はフランス全土で店舗を展開しているフランス最大の小売店であるから、フランスを訪れた日本人はいやでも「CARREFOUR」を目にするものと言える。そのため、流通業界関係者のみならず、日本人の多くの者がカルフル(CARREFOUR)を知っていたと言える。

以上述べた如く、「カルフル(CARREFOUR)」は請求人の名称、その店舗の名称及び同社の商標として、本件商標が出願された当時には日本においても、本件商標の指定商品の取引者、需要者たる流通関係の者を中心に広く知られていたと言える。

なお、新聞記事においては請求人は「カルフール」と表示されているが、「カルフール」と「カルフル」の相違は「CARREFOUR」の表音表記の相違に過ぎず、両者は実質的に相違するものではない。われわれ日本人は外国語の表音表記における長音の有無によって二つの表記を別のものであるとは取り扱わない。したがって、「カルフール」と「カルフル」とは同一のものと考えられる。すなわち、「カルフール」に関しての記事も「カルフル」が著名なことを立証できるのである。

(4)しかるに、本件商標はその構成中に「カルフル」の文字を含んでいるにもかかわらず、その出願に際して請求人の承諾を得なかった。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号の規定に該当するものと言える。

また、上述したように、本件商標の指定商品たる米は食料品として請求人のような大規模小売店舗で必ずと言ってよい程販売されるものである。請求人の店舗は現在わが国にはないが、近年、大規模小売店舗ではカタログ等による通信販売が頻繁にされるようになっている。そして、「カルフル(CARREFOUR)」は店舗名であるとともに請求人のハウスマークとなり、その取り扱うものは多種多様の商品から金融サービスまで多岐に渡っている。

一方、本件商標の後半部分「ライス」は指定商品の普通名称であるから、「カルフル」の部分が当該商標の要部と言える。したがって、簡易迅速を尊ぶ商取引においては時として「カルフル」の部分をもって「カルフル」と略称されることもあり得る。これらの事情に鑑みれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が請求人自身ないしは同人と人的または資本的に関係のある者の業務に係るものであると需要者はその出所について混同するは必定である

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定にも該当するものと言える。

さらに、フランスにおいて最大の小売業者故に、極めて著名な商標及び店舗名であり、様々な国々で店舗の展開を行った結果、国際的にも知られているものを、無断で盗用するために出願することは、商業道徳に反し、国際信義にも反するものであると言わざえるを得ない。特に、わが国においては、近年まで大規模小売店舗の出店が厳しく規制されており、現実には海外からの出店は事実上できない状況にあった。このような事情に乗じて、海外の著名商標を勝手に自己の商標として出願、登録を認めることは著名商標の盗用を是認することになり、わが国の国際的信用問題にも発展するおそれがある。その採択した商標が請求人の商標、名称及び店舗名とローマ字綴りのみならずその日本で通用しているローマ字の読みまでもが偶然一致することなど到底考え難い。

わが国の著名な大規模小売店舗の商標及び名称である「ダイエー」、「イトーヨーカ堂」が海外で何ら関係ない第三者に勝手に出願され登録が許された場合、わが国の国民感情としてこれを受け入れることができるであろうか。

商標が選択的行為によって採用できるものであっても、その商標選択にあたり商業道徳及び国際信義に反するような行為があってはならないのは当然のことである。

商標法第4条第1項第7号の規定の公序良俗に反する商標とは、競業秩序の維持を図る商標法の趣旨及び近年国際的な競業秩序の維持が問題となっていることに鑑みると、商業道徳及び国際信義に反するものも含まれると解される。

したがって、請求人からその採択・出願に際して何らの承諾を得ず、商業道徳及び国際信義に反して採択された本件商標は商標法第4条第1項第7号の規定に該当するものと言える。

以上述べた如く、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第8号及び同15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1号の規定によりその登録は無効とされるべきである。

(5)カルフル(CORREFOUR)の著名性

請求人「カルフル(CARREFOUR)」社は、平成9年7月29日付審判請求書において、その名称であり、かつ店舗名として使用している「カルフル(CARREFOUR)」の著名性については十分に証明したところであるが、今般次の証拠を更に補足提出し、その著名性に関する請求人の主張が正当な理由に基づくものであることを立証する。

(a)他の事件における異議決定理由

平成6年商標登録願第93588号は平成6年9月13日に出願されたものであり、一方、本件商標の出願日は平成6年9月28日であり、ほぼ時期を同じくして出願されたものと言えるから、時期的な面で本件審判がこの登録出願と別異に取り扱われるべき理由はなく、著名性の判断は同様になされるべきである。

(b)本件商標出願前からの著名性

請求人は本件商標の出願日前より一般に販売されている書籍「欧州企業の実態と情報/ECの企業戦略」(昭和53年6月25日初版発行)に「スーパーの代名詞」として紹介され、その商号商標「カルフル(CARREFOUR)」が極めて著名であったことが、当時のわが国において紹介されている(甲第32号証)。すなわち、この記事から、昭和53年当時「カルフル(CARREFOUR)」は少なくともフランスにおいて著名な存在であって、その事実がわが国に紹介されていたということがわかる。近年における国際通信網の発達、経済の国際化、及びわが国取引者が自己の取引分野の諸外国(特に先進国である欧米)の事情については常に目を向け熱心に研究していることは良く知られているところである。これらの事情に鑑みれば、本件商標が出願された平成6年頃には取引者の間では「カルフル(CARREFOUR)」は著名な存在として知られていたと判断すべきである。

(c)現在の著名性

(ア)他社の宣伝広告

アクサ生命保険株式会社の新聞広告(平成10年8月18日 日本経済新聞掲載)に、請求人は「ヨーロッパで最も尊敬されている企業ランキング」の第8位に位置づけられる企業として掲載されている(甲第33号証)。(データ提供:フィナンシャルタイムズ1997年「Europe’s Most Respected Companies」特集)

すなわち、少なくとも同広告で掲載された10社については、ヨーロッパでは極めて著名であることが、わが国において紹介されていることがわかる。因みに、アクサ生命保険株式会社のランキングは第6位であり、その順位を武器に宣伝広告を行なっている事実に鑑みても、第8位である請求人のヨーロッパにおける信頼度が遜色ないものであり、知名度・著名性が相当程度であることは言うを俟たないところである。

(イ)著名雑誌及び新聞における掲載

また、現在における請求人及びその商号商標の著名性を示す証拠として、請求人は甲第34号証乃至同第37号証を提出する。同第34号証は著名誌「The Fortune Global 500(August 4,1997)」に掲載された資料である。この資料によれば、請求人は1996年(平成8年)当時世界の第5位のスーパーマーケットであり、日本のダイエー、イトーヨーカ堂よりも上位にランクされている。この世界第5位という地位は、1996年に一夜にして築いたものではなく、請求人がその事業を一歩一歩拡大してきたことは審判請求書にも述べたとおりである。逆に言えば、本件商標が出願された平成6年当時であっても、すでに世界的に見てかなりの上位にランクされた存在であったことが容易に窺い知ることができる。この点からも、わが国取引者の間でも「カルフル(CARREFOUR)」は著名な存在として知られていたと判断すべきものである。

また、甲第35号証乃至同第37号証は最近の日経流通新聞に掲載された請求人に関する記事である。

(6)商標法第4条第1項第8号及び第15号

以上の通り、請求人の所有にかかる商号商標「カルフル(CARREFOUR)」は、本件商標の出願前から現在に至るまで、ヨーロッパでは極めて著名であり、かつその事実が本件商標の出願前からわが国において紹介されている。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号及び同15号の規定に違反して登録されたものであるから、本件商標は無効理由を含むものである。

(7)商標法第4条第1項第7号

また、請求人の本社のあるパリは本件商標の出願前から日本人が最も訪れたい街として人気の高い場所であり、当時から極めて数多くの日本人観光客、ビジネスマンが訪れていた場所である。むしろ、上掲書籍「ECの企業戦略」を読んでいた人よりも、実際に現地において巨大スーパーマーケツト「カルフル(CARREFOUR)」を目の当たりにした人の数の方が優るかもしれない。そのような状況にあって、当時から著名な商標と同一の商標を出願し登録を得ることは許されるべきものではなく、現在であれば、商標法第4条第1項第19号に該当するものとして拒絶・無効処分にされるものであるが、本件については同条文が存在せず適用できないため、本来拒絶・無効処分にすべきものとして取り扱われていたものであり、本件商標についても、同条項を適用し無効とすべきものである。

3 被請求人は、2の請求人の主張に対し何ら答弁していない。

4 当審の判断

よって判断するに、「カルフール」の文字については、甲第32号証の「欧州企業の実体と情報 ECの企業器具戦略」(産業能率短期大学出版部 昭和53年6月25日初版発行)によれば、「7 スーパーの代名詞 ーカルフールー」の「浅いスーパーの歴史」の項に、「・・・現在カルフール・グループは、フランス内外に五〇店舗、総売り場面積三七万平方メートルを有し、年商四九億フラン(約三〇〇〇億円)を越えるフランス最大級の流通グループに成長し、カルフールという名がスーパーの代名詞として使われているほどである。・・・」と記載され、同じく、同第13号証の同63年(1985年)9月9日日付けの日経流通新聞によれば、「・・・カルフールは、生協の食品製造工場や商品の品質管理研究所の運営も引き受けることを検討している。」と記載され、同じく、甲第17号証の同62年(1987年)5月25日付けの日経流通新聞によれば、「合弁で台湾にスーパー展開」「仏カルフール」及び「・・・カルフールは本国フランスの積極的な出店のほか・・・アジア地区への進出は初めて、台湾では台北に大型スーパーの一号店を開設、台湾で七、八店のチェーン展開を予定している。」とそれぞれ記載されていることが認められる。

さらに、甲第3号証乃至同第12号証、同第14号証乃至同第16号証、同第18号証乃至同第24号証及び同第27号証乃至同第30号証によれば、「カルフール」の文字からなる店舗が紹介されていることが認められる。

以上の事実からすると、請求人の使用に係る商標「カルフール」(以下「引用商標」という。)は、食品等に使用し、本件商標の登録出願時には、すでに、わが国において、取引者、需要者の間において広く認識されていたものと判断するのが相当である。

そこで、本件商標をみると、本件商標は、「カルフルライス」の文字からなるところ、本件商標の構成中、後半の「ライス」の文字部分は、「米」等の意味を有するものとして、本件商標の指定商品の業界のみならず、広く一般に知られているものである。

そうとすれば、本件商標は、その指定商品「米」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、後半の「ライス」の文字部分を「米」であること、即ち、商品の普通名称及び品質を表示するにすぎないものとして理解し、前半の「カルフル」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認識して、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字中の「カルフル」の文字部分に相応して、単に「カルフル」の称呼をも生ずるといわなければならない。

これに対し、引用商標は、その構成文字中の「カルフール」の文字部分に相応して、「カルフール」の称呼が生ずること明らかである。

そこで、本件商標から生ずる「カルフル」の称呼と引用商標から生ずる「カルフール」の称呼とは、これらは、長音を含む4音及び5音より構成されているものであって、「カ」「ル」「フ」「ル」の4音を共通にし、異なるところは、中間部分において「フ」の長音の有無の差異を有するにすぎないものである。

しかして、該差異音は、引用商標が前音「フ」を発音したままの状態で伸ばす音であって、前音「フ」の余韻として感じられる程度のものであり、明確に聴取され難いものであるから、両者の称呼の差異が全体に及ぼす影響は極めて小さいものである。

してみると、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相近似し、称呼において彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その外観、観念について考慮しても称呼において類似する商標である。

してみると、本件商標をその指定商品に使用した場合、上記事情よりして、これに接する取引者、需要者は、請求人が食品等について使用する引用商標を想起し、「カルフルライス」の本件商標を使用した商品が、あたかも請求人若しくは同人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その余の無効理由について判断するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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