結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31074号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1336445号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和48年2月14日に登録出願され、「健美茶」の漢字を縦書きしてなり、第29類「茶」を指定商品として、同53年7月21日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録が、同63年7月21日及び平成10年5月6日の2度に亘りされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)請求人が調査した結果、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、その指定商品「茶」について使用されている事実を見出すことができないものである。
従って,本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)被請求人により平成12年3月1日に提出された答弁に対する弁駁
被請求人は答弁理由中で本件商標は通常使用権者である「アサヒビール薬品販売株式会社」が使用している、と主張しているが同社については単に社名を述べているに過ぎず、本件商標の通常使用権者であることを何ら立証していない。のみならず、同社が、どのような会社で、同社によって本件商標が付された茶が、何時からどのように販売されていたのかについて具体的に述べていないので、本件商標が同「アサヒビール薬品販売株式会社」によって使用されているという実態が極めて不明瞭である。
以上のような説明不足の理由のみを以ってする被請求人の主張は、提出された証拠を参照して推認するしかないのである。そこで、乙第1号証の1乃至3は、答弁書中証拠方法欄の記載によれば通常使用権者が発行した販売カタログ、同カタログ中の商品パンフレットであるとのことであるが乙第1号証の2の上部に「新発売アサヒ健美茶」、下部右寄りに小さく「アサヒ健美茶」との記載を認めることは出来るものではあるが、このカタログは表紙と思われる面に「VOL 2 1997」なる記載があるけれども、なんら立証がなされていないため、この印刷物が、何時、だれによって作成され、どのように頒布或いは使用されたものなのかについて述べるところがないので、本件商標の使用の実態を推認することは不可能である。
次に、乙第2号証として提出された本件商標を付した商品のパッケージなるものを精査するに、これはパッケージを開いたものをコピーしたものと思われるが、確かに「アサヒ健美茶」なる記載を見ることが出来るとしても、答弁書中証拠方法欄の記載によれば、この商品は、1998年11月製造であるとのことで、該パッケージの背と思われる面の右下部にゴム印で押したような「98・11/DA」なるものを見ることができるのみで、このパッケージが実際に1998年11月に製造されたものであるとする証拠として十分とはいえないものである。換言するに、このパッケージは、1998年11月製造のものに見せかけるために、前記「98・11/DA」なるゴム印を後で押捺してコピーして捏造されたものといわれても仕方のないもので、証拠として極めて信憑性を欠くものである。
このコピーに表示されている容器について、だれによって何時、製造されたものなのか、内容物は誰によって何時、製造され、どのようにパックされ、何時から誰によってどのように販売されたものなのか等について何ら触れていないので、この証拠から推認し得るものか定かでない。
さらに、このパッケージ背面には「販売者アサヒビール薬品株式会社」なる記載があり、これは答弁理由中の「被請求人から通常使用権の許諾を受けたアサヒビール薬品販売株式会社により平成9年には本件商標を付した茶の販売が行われていた」という被請求人陳述とは著しく矛盾する。この点について、被請求人は何ら述べていない。
(2)商標法第50条第2項において、「登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」と規定されており、その法意とするところは、登録商標が使用されている事実が仮にあったとしても使用の証明がされないときは登録の取消しを免れないという原則的な規定であると思料するところ、答弁書に述べられている被請求人陳述及び提出された証拠を以ってしては、本件商標が実際に商標権者等によって使用されたという事実を立証するには十分とは言えないものである。
ましてや、商標は自己の商品と他人の商品とを識別し、かつ、他人の商品との出所の混同を防止する機能を有するものとして保護されるものであるから、商標法第50条の規定により登録商標がその指定商品について使用されているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討されなければならないとするならば、前述のように、被請求人の答弁における本件商標を付した商品が誰によって、どのように製造され、どのように販売されたものであるかについて、すなわち、本件商標を付した商品の流通性をも詳細に述べ、かつ、立証すべきであって、これらが欠如している答弁の理由をもってして、本件商標が実際に使用されたという事実を肯認することはできないのである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、理由及び弁駁に対する答弁を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証乃至同第2号証(枝番号を含む)を提出している。
(1)請求人の平成11年8月11日付の審判請求書の主張に対する答弁
被請求人から通常使用権の許諾を受けたアサヒビール薬品販売株式会社により平成9年(1997年)には本件商標を付した茶の販売が行われていたこと明らかであり(乙第1号証の1乃至3)、更にその後商品パッケージの色彩変更がなされたものの、現在も継続的に本件商標を付した商品を販売しているものである(乙第2号証及び同第3号証)。
即ち、本件審判請求の予告登録前3年以内に本件商標は正当に使用されていたものである。
(2)請求人の平成12年5月24日付弁駁に対する答弁
請求人は上記弁駁書にて種々述べているものの、事実本件商標は被請求人の意思により正当なルートで流通し、継続的に使用されていることを証明したのであって、その立証方法までも問われるものではない。
そして、現在も本件商標の付された商品は所謂「通信販売」という方法で販売され、実際に購入できるのであり、その信憑性は疑うべくもないものである。
換言すれば、被請求人が示す商品は何人も容易に購入できるものであって、請求人自らが被請求人の商品の購入をすれば最も簡単に被請求人の使用事実を確認することができる。
よって、まず通常使用権者の地位を有しているかどうか判断するに、乙第1号証の1のカタログの「オッヘル Offre 毎日をここちよくするコミュニケーションマガジン」には、「■ 商品の内容についてのご相談お客様相談室で承ります。」の項には、「お客様相談室(アサヒビール薬品(株)内)の表示及び電話番号が記載され、また、同カタログの裏表紙に「アサヒビール薬品販売株式株式会社」の記載が認められる。以上の事実を勘案をすれば、被請求人と「アサヒビール薬品販売株式会社」とは、関連会社と認め得るものであり、「アサヒビール薬品販売株式会社」は、本件商標について、通常使用権者の地位を有していたものというべきである。
つぎに、本件商標をその指定商品について使用していたかどうか判断するに、本件商標をその指定商品「茶」に使用しているとして、被請求人が提出した乙第1号証の1の「オッヘル Offre 毎日をここちよくするコミュニケーションマガジン」のカタログの「アサヒ健美茶シリーズ」の「アサヒ健美茶インドダイエットティー」の項によれば、「アサヒ」「健美茶」及び「インド式ダイエットティー」の各文字が記載され、また、同項の包装箱の図形中には、「Asahi」「健美茶」及び「HEALTH&BEAUTY」等の各文字が記載され、さらに、同カタログ中には、平成9年4月30日に相当するところの「[カタログ有効期限1997年4月30日まで]」の記載及び同カタログの裏表紙には、「アサヒビール薬品販売株式会社」の記載及び住所等のそれぞれの記載が認められる。
また、乙第1号証の2の「新発売 アサヒ 健美茶」のリーフレットには、「新発売」「アサヒ」及び「健美茶」のそれぞれの記載が認められ、「毎日励まなくっ茶」の「インド式ダイエットティー」の項の包装箱の図形中には「Asahi」「健美茶」及び「HEALTH&BEAUTY」及び「平成9年4月30日」に相当するところの「期間限定 1997年4月30日まで」のそれぞれの記載が認められる。
さらに、乙第1号証の3の「Actio Mateアクティオメイト 目的で選べるおすすめセット」のリーフレットには、「平成9年4月30日」に相当するところの「『有効期限』1997年4月30日まで」の記載が、また、「ヘルシーダイエットセット」の項には、「Asahi」「健美茶」及び「HEALTH&BEAUTY」のそれぞれの記載が認められる。
以上の事実から、乙第1号証の1乃至同第1号証の3を勘案すれば、「平成9年4月30日」に相当する「1997年4月30日まで」には、同第1号証の1のカタログ、同第1号証の2及び同1号証の3のリーフレットがそれぞれ頒布されていたことが推認し得るものである。
そして、乙第1号証の1のカタログ、同第1号証の2及び同第1号証の3のそれぞれのリーフレットによれば、これらに接する取引者、需要者は、当該「茶」が「アサヒ」の「健美茶」及び「健美茶」と称されているものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標について、社会通念上同一性の範囲内においてその指定商品に使用していたものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、その取消請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一性を有する商標に使用されていたものとみるのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。