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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第31429号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1320758号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「NAPIS」の文字を横書きしてなり、昭和49年12月23日登録出願、同53年2月1日に設定登録、平成9年9月24日更新登録、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療器械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品とするものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『電子応用機械器具((電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。))』」について登録を取り消す。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

請求人の調査したところによると、本件商標は、請求に係る指定商品について継続して過去3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

被請求人は、本件商標を指定商品中の「電子応用機械器具((電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。))」について日本国内で継続して3年以上使用していない。

また、本件商標は、その登録原簿(甲第1号証)によって明らかなように、専用使用権を設定又は通常使用権を許諾されていない。

したがって、被請求人は、日本国内において継続して3年以上、請求に係る指定商品について本件商標を使用しておらないから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により、指定商品中の「電子応用機械器具((電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。))」についての登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の主旨

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

(1)被請求人は、現在、本件商標を使用しているので、証拠を提出する。乙第1号証は、被請求人のカタログであり、本件商品が、「通信制御装置,基地無線局・AC電源,スタンドマイク,CRT,中央処理装置,専用ソフトウェア,キーボード,マウス」からなる「配車室および基地局設備」と、「移動局無線機,AVM操作器,録音機能付マイク,GPS受信アンテナ」からなる「移動局設備」と、からなることを示している。乙第2号証は、被請求人のカタログであり、乙第1号証の商品構成に付加して、「配車室および基地局設備」に「専用キーボード」、「移動局設備」に「カーナビモニター,カーナビ本体」を付加することが可能であることを示している。乙第1号証には、「GPS NAPIS E」「GPS NAPIS」「NAPIS」「NAPIS E」の文字が使用されている。乙第2号証には、加えて「GPS NAPIS SERIES」「GPS NAPIS シリーズ」の文字が使用されている。特に、本件商品の構成要素中、「中央処理装置,専用ソフトウェア,(専用)キーボード,マウス」は、電子計算機そのものである。したがって、本件商標が「電子応用機械器具」について使用されていることは明らかである。

(2)なお、被請求人の使用する商標中「GPS NAPIS E」「GPS NAPIS SERIES」等の用例について、これが本件商標「NAPIS」と物理的に同一でない点につき、念のために被請求人の意見を以下に述べる。

まず、「GPS」の部分は本件商品がGPS(グローバル・ポジショニング・システム)という技術を利用していることを示すものであり、「GPS」の部分のみで自他商品の識別はできないものである。また「E」や「SERIES」の部分は、同様に自他商品の識別ができない部分である。したがって、「GPS NAPIS E」「GPS NAPIS SERIES」等の使用は、本件商標と社会通念上同一性を有する商標の使用と認められるものである。

(3)以上のことより、本件商標は被請求人により本件審判請求前から「電子応用機械器具((電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。))」について使用していることは明らかである。

4 請求人の弁駁

請求人の、被請求人の答弁に対する弁駁の主旨は次のとおりである。

(1)被請求人提出の乙1号証、乙2号証には、被請求人の主張によれば、「配車室及び基地局設備」と「移動局無線機,AVM操作器,録音機能付きマイク,GPS受信アンテナ移動局無線機,AVM操作機,録音機能付マイク,GPS受信アンテナ」からなる「移動局設備」とからなる商品、さらには「配車室及び基地局設備」に「専用キーボード」、「移動局設備」に「カーナビモニター,カーナビ本体」を付加することが可能であることが掲載されているとされ、前記商品の構成要素中、「中央処理装置,専用ソフトウェア,(専用)キーボード,マウス」は、電子計算機そのものであると主張されている。

(2)しかしながら、前記乙各号証に掲載の商品は、前記各種の機器類により構成されているものではあるとはしても、本件商品は、タクシーの配車を単純な操作で、経済的に行えるようにしたタクシー配車システムであり、その主体は、「配車室及び基地局設備」と「移動局設備」とからなる設備そのものである。

(3)このように、前記乙各号証に掲載の商品は、前記乙各号証に謳われた「車両位置等自動表示システム」及び「タクシー配車システム」であるから、これらのシステムの中核をなす主体商品は、移動局無線機,AVM操作器,録音機能付きマイク,GPS受信アンテナ,カーナビモニター,カーナビ本体などであり、中央演算装置,専用ソフトウェア,(専用)キーボード,マウスなどの機器類は、それ自体では「車両位置等自動表示システム」及び「タクシー配車システム」機能を営むことができるものではなく、あくまで演算処理などを行うだけの支援機器にすぎない。したがって、本件商品は、カーナビゲーションシステムと同様に「電気通信機械器具」の範ちゅうに含まれるべきものである。

(4)前記乙各号証の記載をみると、GPSは、本件商品である「車両位置等自動表示システム」及び「タクシー配車システム」のセールスポイントを前面に押し出すためのものであり、「GPS NAPIS E」及び「GPS NAPIS SERIES」の商標構成においては、欠くべからざる構成要素をなすものであり、競合商品との格差をつける商標機能を果たすことをねらったものと言える。したがって、乙各号証により使用されているとする商標「GPS NAPIS E」及び「GPS NAPIS SERIES」においては、最後尾の「E」又は「SERIES」が付記的要素として認定できるとしても、「NAPIS」の前部に構成配置された「GPS」は、「NAPIS」と一体不可分の強い結びつきを有する商標構成要素であり、「GPS NAPIS」として一つのまとまった商標を構成するとみるのが社会通念に合った見方である。したがって、被請求人の答弁における「GPS NAPIS E」及び「GPS NAPIS SERIES」の使用態様が、「NAPIS」の商標の使用にあたるとする主張は失当である。

(5)したがって、本件商標が使用されているとする商品は、 「電気通信機械器具」に属する商品であり、「電子応用機械器具」は含まれず、本件審判の請求理由のとおり、本件登録商標は指定商品「電子応用機械器具((電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。))」に使用されておらず、使用の態様も相違するものであるから、請求の趣旨のとおり審決されるべきである。

5 当審の判断

(1)被請求人が提出した乙第1号証は、1998年3月現在の請求人の商品カタログであり、同カタログに載っている商品は、「車両位置等自動表示システム」であって、この商品について「GPS NAPIS E」の文字からなる商標が使用されている。そして、前記システムは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム(汎地球測位システム))を利用したAVM(Automatic Vehicle Monitoring(オートマチック車両把握モニタリング))システムを介し、自動的に収集した車両位置・車両の実車・空車・待機・休憩等の状態を中央処理装置に付随したCRT地図画面上に表示し、これにより配車指示を可能とし、車載装置にフィードバックせしめるもので、コンピュータ中央処理装置を中心とする配車用設備と、遠隔制御を主とする基地局設備と、AVM操作器・GPS受信装置を主とする移動局設備とから構成されてなるものである。

また、乙第2号証は、1999年4月現在の請求人の商品カタログと認められ、同カタログに載っている商品は、「タクシー配車システム」であって、この商品について「GPS NAPIS SERIES」の文字からなる商標が使用されいる。そして、前記タクシー配車システムは、配車室および情報処理のための基地局設備と移動局設備から構成される、GPS−AVMシステムと連動した中央処理装置を核とした、一連のタクシー配車システムを構成する商品である。

そうとすると、これらの商品をシステム全体としてみた場合には、通信機械器具に属する商品をも含まれているが、本件商標が使用された商品の要となる中央処理装置部分は、システムをコントロール統御する商品と認められるので、電子応用機械器具に属する商品と認められる。

(2)被請求人使用の乙第1号証中に載っている商標「GPS NAPIS E」(以下「使用商標1」という。)の構成中「GPS」の部分は、使用に係る商品「車両位置等移動表示システム」の機能、品質を表すものであり、構成中末尾の「E」の部分は、商品の記号、符号を表すものと認められる。また、乙第2号証中に載っている商標「GPS NAPIS SERIES」(以下「使用商標2」という。)の構成中「GPS」の部分は使用に係る商品「タクシー配車システム」の測位機能、品質を表すものであり、構成中末尾の「SERIES」の文字部分は、シリーズ商品を示すものと認められることから、使用商標1若しくは2に接する取引者、需要者においては、「NAPIS」の文字部分のみで、独立して自他商品識別機能を果たしているものということができる。

したがって、被請求人使用の各商標は、本件商標と社会通念上同一の商標というのが相当である。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の商品について使用していたものと認めることができる。

したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定によりこれを取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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