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Trademark Appeal Case

著名故人氏名と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第8776号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別掲に示したとおりの構成よりなり、願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年10月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、1980年に死亡した世界的に有名な俳優である『STEVE McQUEEN』の文字を書してなるものであるところ、当人と何ら関係のない他人である出願人に登録を認めることは国際信義上妥当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」として本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおり、「STEVE McQUEEN」の欧文字よりなるところ、該文字は、1963年「大脱走」、1971年「栄光のルマン」、1972年「ゲッタウェイ」、1973年「パピヨン」、1974年「タワーリング・インフェルノ」等数多くの映画作品に出演し、1980年に死亡した世界的に有名なアメリカ合衆国の映画俳優であるスティーヴ・マックィーンの氏名と認められるものである。

そして、「スティーヴ・マックィーン」は故人であるが、その名声はその後も衰えるところなく、しかも、遺族が現存しているものである。

ところで、商標法は、公正な競争を図り、取引秩序を維持することを目的とする競業秩序を維持する面を持っているものであるが、商標法第4条第1項第7号は「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標は、商標登録を受けることができない」旨を規定しており、その趣旨は商標の構成自体が公序良俗に反する場合だけでなく、一般に国際信義に反する場合も含まれると解される。

これを本願商標についてみれば、本願商標を登録することは故スティーヴ・マックィーンの名声に便乗し、指定商品についての使用の独占を図る目的が認められ、かつ、世界的に著名な映画俳優の氏名を一私人たる請求人が、遺族の承諾もなく商取引に使用することは、故人の名声・名誉を傷つけるおそれがあるものであって、我が国の国際的な信頼も損なうおそれがあると言うべきであり、ひいては国際信義に反するものとして、公序良俗を害する行為と言わざるを得ないから、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当すると判断するのが相当である。

なお、請求人は、本願出願人の地位を遺族名義に変更する旨主張するところ、その手続きがされている事実を確認することができないから、当審において平成12年9月12日付け審尋書により、請求人が、米国の著名な映画俳優、故スティーヴ・マックィーンの遺族から本件出願の許諾を受けるべく交渉を重ねていることについて、その交渉の進捗状況(現状と今後の見通し)を具体的に説明されたい旨、審尋したが、請求人からは、何らの応答もない。

してみると、請求人が本願商標の登録を受けることについて、スティーヴ・マックィーンの相続人が承諾しているとは認められない。

したがって、本願商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものであるから、原査定は、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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