Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第772号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ピンプルポア」の文字と「PIMPLE PORE」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、平成9年5月16日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、『本願商標は、「ピンプルポア」「PIMPLE PORE」の文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるところ、”腫れ物、吹き出物”等の意味を有する「ピンプル」「PIMPLE」の文字と”毛穴、小孔”等の意味を有する「ポア」「PORE」の文字の結合であることを理解させるものであり、全体としてニキビなどの”毛穴の腫れ物”を認識させる。してみれば、本願指定商品中には、ニキビの予防、ニキビからの回復のための商品、例えば脂性をおさえ殺菌剤等を配合したニキビ用化粧品や化粧石けん等があることから、この様な本願商標を当該指定商品に使用しても、単にその商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「ピンプルポア」の文字と「PIMPLE PORE」の文字を二段に横書きしてなるところ、これは「にきび」を意味する英語「ピンプル(pimple)」と「毛穴」を意味する英語「ポア(pore)」の各2語を結合してなるものであること明らかである。したがって、かかる2語を結合してなる本願商標からは、「にきびと毛穴」に関連した観念が容易に想起されるものと認められる。
しかして、かかる用語及び指定商品に含まれている「化粧品」を考慮するときは、本願商標の「ピンプルポア」と「PIMPLE PORE」に接する取引者、需要者は、「にきびなどの毛穴の吹き出物」の意味合いの語として容易に理解し把握するものと認められる。
そして上記のことは、「ピンプル」に関する記事が、例えば、1992年3月13日発行の日経産業新聞の16頁に、「イプサ、クリーム状の化粧品を発売−−大人のにきび目立たなく。」の見出しで、『化粧品メーカーのイプサ(本社東京、社長磯ケ谷静男氏、資本金一億円)は五月一日に、大人のにきびを目立たなくさせるクリーム状化粧品「エッセンス ピンプルカバー」を発売する。にきびの赤みを消す肌色のクリームで、メーキャップ前や化粧直しの際に使う。三越銀座店、伊勢丹新宿店、横浜高島屋、大丸心斎橋店など、全国の主要都市にある十九の取扱店で販売する。にきびを荒らさないように揮発性油分を配合しているが、保湿成分も混ぜているため、にきびの周りの肌も潤いを保てる。アルコール分が毛穴に詰まっている皮脂を溶かし、皮脂の通りをなめらかにする。肌を守るビタミンE誘導体も配合している。』が掲載されている。
また、2000年6月26日発行の共同通信の「経済ウイークリー」の欄に、『<気になる商品>大人の「にきび」対策に 各種の成分を配合』の見出しで、『働く女性や主婦ら大人のための「にきび」対策商品が注目されている。にきびといえば中高生などの専売特許と思われがちだが、仕事でのストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣も手伝って、大人でも悩む人が増えている。・・・・・イプサ(東京)の「エッセンス ピンプルクリア」は、ジェル状の製品。指先に取り、にきびやにきびのできやすい部分になじませる。シイタケや昆布などに含まれる水に似た構造を持つ天然成分を配合、乾燥を抑える。にきびのできやすい人は、角質層がアルカリ性寄りに傾いているといい、弱酸性に保ち抵抗力も高めるという。』が掲載されている。
さらに、2000年8月16日発行の日本経済新聞(朝刊)の17頁に、「大人の女性向けニキビケア商品、化粧品メーカーが続々。」の見出しで、「化粧品メーカーが二十〜三十代の大人の女性向けに、ニキビケア商品を相次ぎ投入している。・・・・・イプサは顔・首用のジェル状エッセンス「ピンプルクリア」(三千二百円)などを発売した。百貨店内の「イブサショップ」六十六店で販売し、当初予想の五倍近い売れ行きを示している。」が掲載されている。
「ポア」に関する記事が、1990年4月13日発行の日経産業新聞の15頁に、『化粧品市場に進出、ピジョン、清潔志向に対応。」の見出しで、育児用品メーカーのピジョン(本社東京、社長仲田洋一氏、資本金九億四千八百万円、TEL03・252・4113)は化粧品市場に本格進出する。第一弾として女性用基礎化粧品を四月中旬から販売する。ベビー用スキンケア商品で培ったノウハウをもとに、市場規模の大きい若い女性向けの商品を開発する。基礎化粧品「ポアレア」は毛穴の手入れに力点を置いた新製品。・・・・・』が掲載されている。
また、1990年5月12日発行の日経流通新聞の9頁に、「毛穴の汚れを落とす化粧品、ピジョン(新製品)」の見出しで、『毛穴の手入れに着目した女性用基礎化粧品シリーズ「ポアレア」。清潔な毛穴が美しい素肌をつくると、毛穴のケアに着目。毛穴の汚れをすっきり落とし、毛穴を引きしめる四段階のシステムを採用した毛穴の手入れのための基礎化粧品だ。〈メイククリアオイル〉は毛穴に入り込んだメイクの汚れを浮き上がらせて落とす。
価格は千五百円。〈ソフトクレイ〉は毛穴の中のメイクや汚れを吸着するドロ状パックで、千二百円。〈フェイシャルウオッシュ〉は肌に負担をかけずに毛穴の汚れを落とす洗顔料で、千円。〈フェイスコンディショナー〉は毛穴をひきしめ、肌に潤いを与える化粧水。千二百円。』が掲載されている。
さらに、1994年2月18日発行の日経産業新聞の13頁に、「イプサ、毛穴が目立たないクリーム状美容液。」の見出しで、『資生堂の全額出資子会社で高級化粧品メーカーのイプサ(東京、磯ケ谷静男社長、03・5762・2380)は三月一日、クリーム状美容液「エッセンス・フオーポア」=写真=を発売する。化粧下地の前につけると皮膚の表面に薄く透明な膜をつくり、毛穴の凸凹を目立たなくする。価格は三千五百円。イプサを取り扱っている全国二十七の百貨店で販売していく。』が掲載されている。
そうとすると、化粧品業界においては、「ピンプル(pimple)」及び「ポア(pore)」の文字が使用されている事実があることからして、「ピンプルポア」と「PIMPLE PORE」の文字を二段併記してなる本願商標を指定商品「化粧品」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「毛穴の汚れやにきびなどの吹き出物を目立たなくする化粧品」の如き意味合いを理解、認識させるものであって、商品の品質、効能を表示するに止まり、商品の自他識別の標識としての機能を果たし得ないものと認められる。
請求人は、本願商標「ピンプルポア」「PIMPLE PORE」が品質・効能表示として普通に使用されている事実はなく、本願商標は充分に自他商品識別標識としての機能を有するものであると主張しているが、本願の査定時における「ピンプルポア」及び「PIMPLE PORE」という語の持つ意味、指定商品との関係、組み合わせた語句との関係等を無視することはできないと言わざるを得ず、本願商標の識別力についての前示認定判断を覆すことはできない。
また、多数の登録例があるとしても、本願商標と事案を異にするものであるから、前示のように判断するを相当とする。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときは商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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