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Trademark Appeal Case

ありふれた氏と業種名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−401(T2000−401/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成10年7月23日に登録出願され、第30類「穀物の加工品」を指定商品とするものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、ありふれた氏の『坂本』の文字とその指定商品の業種名として採択・使用されている『製麺所』の文字を『坂本製麺所』と普通に用いられる方法で書してなるにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張の主旨

請求人は下記のように主張し、甲第1号証ないし甲第25号証を提出している。

本願商標は、「坂本製麺所」と漢字で同書、同大、同間隔で左横書きに書してなり、請求人の営業する製麺業を表示する商号である。本願商標のように商号を商品に使用した場合、必ず「坂本製麺所」と一連に認識、称呼されることは商取引の経験則からして明らかである。したがって、「坂本」の文字と「製麺所」の文字を分離考察しなければならない格別の理由は存しない。また、本願商標と同一の商号の使用は、「タウンページ」「ハローページ」等の電話帳に発見できない。故に、「坂本製麺所」の文字、名称は、指定商品についてありふれて使用されているものではない。そして、本願商標のように商号を商品に使用した場合、必ず「坂本製麺所」と一連に認識、称呼されることは商取引の経験則からしても明らかである。さらに、他の審決例をみても、本願と同じように商号を商標にした「三田精米株式会社」「株式会社福田種鶏場」「三本コーヒー株式会社」「大塚食品工業株式会社」等の商号商標については、それぞれの名称に相応する指定商品について、上述した理由と同じ理由によって、それぞれ登録審決がなされている。してみれば、本願商標の「坂本製麺所」は、上述した理由によって、また上述した審決例と照らし合わせても、それ自体で指定商品に対し自他商品識別機能を有し、特別顕著性を充分に有するもので、商標法第3条第1項第4号に該当しないものであるから、登録されるべきである。

4 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、「坂本製麺所」(以下、本字中の第4文字は、簡体字の「麺」で代用する。)の漢字を横書きしてなるところ、商標中「坂本」は、氏姓として極めて多く、これがありふれた氏姓であること、また「製麺所」の文字は、麺製造業の業務を営む者が、自己の業態を示すために、自己の名称(商号)の一部に普通に使用する文字といえることは、原査定の認定のとおりであって、請求人も争わないところである。

そして、ありふれた氏と「製麺所」という文字を組合せた名称が、製麺業者に採択され易いことは、請求人が甲第14号証として提出した「タウンページ」(職業別電話帳)豊島・文京・北・板橋・練馬区版(東日本電信電話株式会社;平成12年3月発行)抜粋中の、「岩崎製麺所」(豊島区西巣鴨1−33−3在)、「佐藤製麺所」(北区神谷2−3−1在)の記載、同人の甲第19号証として提出した「タウンページ」(職業別電話帳)熊谷版(東日本電信電話株式会社;平成11年10月発行)抜粋中の、「田中製麺所」(羽生市下川崎22在)の記載、同人の甲第20号証として提出した「タウンページ」(職業別電話帳)春日部・越谷・草加版(東日本電信電話株式会社;平成11年10月発行)抜粋中の、「木村製麺所」(越谷市蒲生旭町6−21在)の記載、同人の甲第21号証として提出した「タウンページ」(職業別電話帳)浦和・大宮版(東日本電信電話株式会社;平成11年10月発行)抜粋中の、「大塚製麺所」(大宮市上小915−2在)の記載、同人の甲第22号証として提出した「タウンページ」(職業別電話帳)川口・朝霞版(東日本電信電話株式会社;平成11年10月発行)抜粋中の、「鈴木製麺所」(和光市本町在)の記載等によって裏付けられるところである。

したがって、本願商標は、製麺業を営む多数の者が使用する蓋然性が高いものであるから、その指定商品との関係で、ありふれた名称といわねばならず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。

ところで、請求人は、既登録例を示し、また、本願商標は、請求人が営業する製麺業を表示する商号であるとして甲第13号証(包装袋)を提出し、本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、本願商標は、その使用により自他商品の識別ができるに至っているなど格別の実情があるとは認められないから、前記のとおり、ありふれた名称であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するとした原査定は、妥当なものであって取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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