結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35361号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4158781号商標(以下、「本件商標」という。)は、「AVANDIA」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品として平成8年12月24日に登録出願され、同10年6月19日に設定登録されたものである。
請求人の所有に係る登録第1633007号商標(以下、「引用商標」という。)は、「アバン」の片仮名文字と「AVAN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として昭和53年9月11日に登録出願され、同58年11月25日に設定登録されたものであって、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効にする。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第31号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)第4条第1項第11号について
請求人は、その製造・販売に係る医療用医薬品「脳代謝・精神症状改善剤」の販売名として、昭和61年12月より使用を開始し、同商標を使用した商品について、積極的に販売促進に努め、盛んに宣伝広告を行うと共に、これを大量に販売した結果、昭和62(1987)年から連続して脳代謝賦活剤分野における売上高・シェア共にトップの座を維持していたものである。
かかる請求人による使用の結果、引用商標は、請求人の製造・販売にかかる「脳代謝・精神症状改善剤」を指称するものとして、本件商標の出願時及び登録査定時には、需要者・取引者とりわけ医師・薬剤師間において広く認識されていたものである。
ところで、商標の類否は、同一又は類似の商品に使用された両商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者にあたえる印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断されるべきであり、このような取引の事情には、引用商標の周知・著名性も含まれる。このことは、平成4年(行ケ)第82号判決のほか多数の判決において判示されているものである。
そこで、上記のような引用商標に関する取引の状況を踏まえて、本件商標と引用商標の類否を以下に比較考察する。
引用商標は上記のとおり本件商標の出願時及び登録査定時には医薬品取引市場において極めて著名なものとなっていたものである。
しかして、本件商標は、自他商品の識別標識として重要な役割を果たす前半部に「AVAN」の文字を有しており、その余の「DIA」の文字は後半部にあって、取引者・需要者に与える印象は前半部に比べ弱く、また、「AVANDIA」全体として既成語を形成しているといった事情もないことから、本件商標が、その指定商品「薬剤」について使用されたときには、「AVAN」を連想・想起せしめ、当該薬剤が請求人の「AVAN」商品のシリーズ商品・姉妹商品として、恰も請求人或いは請求人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずる虞れがあるというべきであり、かかる意味において両商標は類似の商標とされるべきである。
そして、本件商標と引用商標の指定商品が相抵触することは論ずるまでもなく、明らかである。
(2)第4条第1項第15号について
本件商標は、上記のとおり、その登録出願時において、請求人の「脳代謝・精神症状改善剤」を指称するものとして医薬品取引市場において極めて広く認識されるものとなっていた商標「AVAN」をそのままその前半部に含むものである。一方、本件商標後半部の「DIA」はそれ自体特に意味を有しない語であって特定の出所を認識させるものでもないことから、本件商標が、その指定商品「薬剤」について使用されたときには、「AVAN」の部分に着目して、「脳代謝・精神症状改善剤」である「AVAN」を連想・想起し、当該薬剤が請求人の「AVAN」商品のシリーズ商品・姉妹商品として、恰も請求人或いは同人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずること必至である。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、また仮にこれに該当しないものであるとしても、同法第4条第1項第15号に該当するものとして、同法第46条第1項第1号により登録を無効とすべきものである。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第15号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求人の製造・販売に係る引用商標を付した医療用医薬品「脳代謝・精神症状改善剤」は、平成10年における医療用医薬品の再評価の結果、有用性を示す根拠がないものと判定され、平成10年5月25日をもって薬価基準から削除された(乙第1号証の2及び3並びに同第2号証)。その結果、同日以後該商品は保険診療に使用できなくなり、市場に流通していた商品は全て回収されたのである。すなわち、引用商標は平成10年5月25日以降1年5ヶ月以上に亘ってその指定商品中「薬剤」について使用されていない。
商標法第46条の規定に基づき商標登録の無効審判を請求するには、請求人に右審判請求をするについての法律上正当な利益が存することを必要とする。引用商標は、その使用に係る要指示医薬品が公権力により有用性がないものと断定された結果使用できなくなったものであるから、既にその行政処分がなされた時点において引用商標に化体していた業務上の信用は一挙に崩壊し、更に1年5ヶ月以上に亘って使用されないことによりその指標力は雲散霧消したと言うべきである。かかる空権に依拠した本件審判請求は、正当な競業秩序の維持を目的とする商標法の精神に著しく背反し、請求人において審判請求についての正当な利益が存しないものである。したがって、本件審判請求は、審決をもって却下されるべきものである。
(2)本件商標は、外観上一体の構成よりなり、特定の意味合いを有しない造語よりなる商標として認識されるものである。称呼について考察すると、本件商標は、一体不可分の構成に照らして「アバンディア」と一連に称呼されるものであり、更に、他の英単語について見ると、「India」、「media」、「encyclopedia」等も全て一連に称呼され、「dia」の文字部分が接尾語として認識されることは有り得ない。したがって、本件商標が「AVAN」と「DIA」とに分けて認識されることはあり得ず、常に「アバンディア」の一連の称呼のみを生ずる。
本件商標と引用商標とを比較すると、両者が外観において判然と識別し得ることは明らかである。また、両者は、共に特定の意味合いを有しないものであるから、観念について比較すべくもない。本件商標と引用商標からは、夫々「アバンディア」及び「アバン」の称呼を生ずる。両称呼は語調・語感が著しく異なり、明瞭に識別し得るものである。
よって、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼の何れにおいても非類似のものである。
請求人は、本件商標と引用商標との類否判断は、具体的な取引状況に基づいて為すべきであると主張している。而して、引用商標の使用に係る商品は、薬事法第49条に規定されている厚生大臣の指定に係る要指示医薬品であり、最終需要者は医師から指示を受けた場合にのみこれを購入するのであるから、他の医薬品と自ら対比して選択し決定する余地がない。一般需要者が自らの意思で選択・購入する、いわゆる大衆薬と異なり、引用商標を付した商品は、これを選択・決定する医師及び医師の処方箋に基づき、これを医薬品の中から選択・抽出する薬剤師の範囲において目的意識性をもって知られていたのであり、これは請求人も半ば自認しているところである。
上記のように引用商標に係る取引の実情を斟酌すると、請求人が言う「商品の出所について混同を生ずる虞」のある主体とは、本件商標の出願時及び登録査定時においては、医師・薬剤師であったのである。しかして、医薬品の取り扱いにおいて極めて慎重さが要求される医師・薬剤師が、本件商標と引用商標とを混同する虞があったとは、到底想定できないのである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法同条同項第15号に背反して登録されたものではない。
さらに、「アバンユウ」「アバンゾール/Avansol」「アバンテ/AVANTE」「AVANEL」「アバンサ」等の「アバン」若しくは「AVAN」の文字を語頭に含む商標が、「薬剤」を含む指定商品について、引用商標とは非類似のものとして登録されているのである。これらの商標審査及び薬剤取引の実際に照らしても、請求人の主張は理由がないものである。
(3)本件審判請求と同趣旨の理由に基づく本件商標に係る登録異議申立に対して平成11年3月15日に本件商標の登録を維持する旨の決定がなされ、「引用商標が本件商標の出願時に本件請求人の業務に係る商品『脳代謝・精神症状改善剤』を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標と引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれからしても充分に区別し得る商標であり、本件商標をその指定商品に使用した場合、該商品が請求人又は同人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせる虞がない。」と認定されている。右異議決定において示された判断は、本件についてもそのままあてはまるものである。
(4)上記のとおり、本件審判請求は、請求の利益を有しない者によってなされたものであるから却下されるべきものであり、仮に請求人が請求の利益を有するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法同条同項第15号に背反して登録されたものではない。
(1)利害関係について
被請求人は、「引用商標は、その使用に係る要指示医薬品が公権力により有用性がないものと断定された結果使用できなくなったものであるから、かかる空権に依拠した本件審判請求は、請求人において審判請求についての正当な利益が存しないものである。」旨主張する。
しかしながら、請求人は、前記のとおり、現に有効に存続する自己の登録商標を引用して本件審判請求をなすものであるところ、これによって本件商標の登録が無効とすべきものであるならば、本件商標の存在により、重大な不利益を被るものであるといわなければならないから、本件審判請求をなすについて法律上の利益を有する者と認められる。
(2)商標法第4条第1項第11号
本件商標は、その構成前記のとおり、「AVANDIA」の欧文字を書してなるところ、その構成文字は、同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔で書されているばかりでなく、外観上もまとまりよく一体的に表されていて、しかも、これより生じると認められる「アバンディア」の称呼も格別冗長というべきでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、他に本件商標中の前半の「AVAN」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「アバンディア」の称呼のみを生ずると判断するのが相当である。
他方、引用商標は、前記のとおり、「アバン」と「AVAN」の文字を二段併記してなるものであるから、その構成文字に相応して「アバン」の称呼を生ずること明らかである。
そこで、 本件商標より生ずる「アバンディア」の称呼と引用商標より生ずる「アバン」の称呼を比較するに、両称呼は、その音構成、音数の差などにより、明瞭に区別し得るものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標とは、その外観・観念についても類似するものということはできない。
したがって、両商標は、その外観、称呼、観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
(3)商標法第4条第1項第15号
請求人の製造・販売にかかる「脳代謝・精神症状改善剤」(品名「アバン細粒6%」「アバン錠」)は、引用商標が著名性を有する根拠となる商品であるが、「医薬品再評価の終了した医薬品の取扱いについて(厚生省保険局医療課長)」(乙第2号証)によれば、該商品は、平成10年度の医療用医薬品再評価の結果、有用性を示す根拠がないものと判定され、平成10年5月25日に薬価基準から削除され、また、同日以降、該商品は、保険診療上使用できなくなり、市場に流通している医薬品は、速やかに回収処置が講じられることとなっていることが認められる。
そうとすれば、平成10年5月25日以降、上記商品について使用されていないものと推認できる。
そして、前記(2)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であること及び上記実情を併せ考慮すれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、請求人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁書においてその理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第15号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)請求人の製造・販売に係る引用商標を付した医療用医薬品「脳代謝・精神症状改善剤」は、平成10年における医療用医薬品の再評価の結果、有用性を示す根拠がないものと判定され、平成10年5月25日をもって薬価基準から削除された(乙第1号証の2及び3並びに同第2号証)。その結果、同日以後該商品は保険診療に使用できなくなり、市場に流通していた商品は全て回収されたのである。すなわち、引用商標は平成10年5月25日以降1年5ヶ月以上に亘ってその指定商品中「薬剤」について使用されていない。
商標法第46条の規定に基づき商標登録の無効審判を請求するには、請求人に右審判請求をするについての法律上正当な利益が存することを必要とする。引用商標は、その使用に係る要指示医薬品が公権力により有用性がないものと断定された結果使用できなくなったものであるから、既にその行政処分がなされた時点において引用商標に化体していた業務上の信用は一挙に崩壊し、更に1年5ヶ月以上に亘って使用されないことによりその指標力は雲散霧消したと言うべきである。かかる空権に依拠した本件審判請求は、正当な競業秩序の維持を目的とする商標法の精神に著しく背反し、請求人において審判請求についての正当な利益が存しないものである。したがって、本件審判請求は、審決をもって却下されるべきものである。
(2)本件商標は、外観上一体の構成よりなり、特定の意味合いを有しない造語よりなる商標として認識されるものである。称呼について考察すると、本件商標は、一体不可分の構成に照らして「アバンディア」と一連に称呼されるものであり、更に、他の英単語について見ると、「India」、「media」、「encyclopedia」等も全て一連に称呼され、「dia」の文字部分が接尾語として認識されることは有り得ない。したがって、本件商標が「AVAN」と「DIA」とに分けて認識されることはあり得ず、常に「アバンディア」の一連の称呼のみを生ずる。
本件商標と引用商標とを比較すると、両者が外観において判然と識別し得ることは明らかである。また、両者は、共に特定の意味合いを有しないものであるから、観念について比較すべくもない。本件商標と引用商標からは、夫々「アバンディア」及び「アバン」の称呼を生ずる。両称呼は語調・語感が著しく異なり、明瞭に識別し得るものである。
よって、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼の何れにおいても非類似のものである。
請求人は、本件商標と引用商標との類否判断は、具体的な取引状況に基づいて為すべきであると主張している。而して、引用商標の使用に係る商品は、薬事法第49条に規定されている厚生大臣の指定に係る要指示医薬品であり、最終需要者は医師から指示を受けた場合にのみこれを購入するのであるから、他の医薬品と自ら対比して選択し決定する余地がない。一般需要者が自らの意思で選択・購入する、いわゆる大衆薬と異なり、引用商標を付した商品は、これを選択・決定する医師及び医師の処方箋に基づき、これを医薬品の中から選択・抽出する薬剤師の範囲において目的意識性をもって知られていたのであり、これは請求人も半ば自認しているところである。
上記のように引用商標に係る取引の実情を斟酌すると、請求人が言う「商品の出所について混同を生ずる虞」のある主体とは、本件商標の出願時及び登録査定時においては、医師・薬剤師であったのである。しかして、医薬品の取り扱いにおいて極めて慎重さが要求される医師・薬剤師が、本件商標と引用商標とを混同する虞があったとは、到底想定できないのである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法同条同項第15号に背反して登録されたものではない。
さらに、「アバンユウ」「アバンゾール/Avansol」「アバンテ/AVANTE」「AVANEL」「アバンサ」等の「アバン」若しくは「AVAN」の文字を語頭に含む商標が、「薬剤」を含む指定商品について、引用商標とは非類似のものとして登録されているのである。これらの商標審査及び薬剤取引の実際に照らしても、請求人の主張は理由がないものである。
(3)本件審判請求と同趣旨の理由に基づく本件商標に係る登録異議申立に対して平成11年3月15日に本件商標の登録を維持する旨の決定がなされ、「引用商標が本件商標の出願時に本件請求人の業務に係る商品『脳代謝・精神症状改善剤』を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、本件商標と引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれからしても充分に区別し得る商標であり、本件商標をその指定商品に使用した場合、該商品が請求人又は同人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせる虞がない。」と認定されている。右異議決定において示された判断は、本件についてもそのままあてはまるものである。
(4)上記のとおり、本件審判請求は、請求の利益を有しない者によってなされたものであるから却下されるべきものであり、仮に請求人が請求の利益を有するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法同条同項第15号に背反して登録されたものではない。
(1)利害関係について
被請求人は、「引用商標は、その使用に係る要指示医薬品が公権力により有用性がないものと断定された結果使用できなくなったものであるから、かかる空権に依拠した本件審判請求は、請求人において審判請求についての正当な利益が存しないものである。」旨主張する。
しかしながら、請求人は、前記のとおり、現に有効に存続する自己の登録商標を引用して本件審判請求をなすものであるところ、これによって本件商標の登録が無効とすべきものであるならば、本件商標の存在により、重大な不利益を被るものであるといわなければならないから、本件審判請求をなるについて法律上の利益を有する者と認められる。
(2)商標法第4条第1項第11号
本件商標は、その構成前記のとおり、「AVANDIA」の欧文字を書してなるところ、その構成文字は、同一の書体、同一の大きさ、同一の間隔で書されているばかりでなく、外観上もまとまりよく一体的に表されていて、しかも、これより生じると認められる「アバンディア」の称呼も格別冗長というべきでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、他に本件商標中の前半の「AVAN」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「アバンディア」の称呼のみを生じると判断するのが相当である。
他方、引用商標は、前記のとおり、「アバン」と「AVAN」の文字を二段併記してなるものであるから、その構成文字に相応して「アバン」の称呼を生じること明らかである。
そこで、 本件商標より生じる「アバンディア」の称呼と引用商標より生じる「アバン」の称呼を比較するに、両称呼は、その音構成、音数の差などにより、明瞭に区別し得るものと言わなければならない。
また、本件商標と引用商標とは、その外観・観念についても類似するものということはできない。
したがって、両商標は、その外観、称呼、観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
(3)商標法第4条第1項第15号
請求人の製造・販売にかかる「脳代謝・精神症状改善剤」(品名「アバン細粒6%」「アバン錠」)は、引用商標が著名性を有する根拠となる商品であるが、「医薬品再評価の終了した医薬品の取扱いについて(厚生省保険局医療課長)」(乙第2号証)によれば、該商品は、平成10年度の医療用医薬品再評価の結果、有用性を示す根拠がないものと判定され、平成10年5月25日に薬価基準から削除され、また、同日以降、該商品は、保険診療上使用できなくなり、市場に流通している医薬品は、速やかに回収処置が講じられることとなっていることが認められる。
そうとすれば、平成10年5月25日以降、上記商品について使用されていないものと推認できる。
そして、前記(2)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であること及び上記実情を併せ考慮すれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、請求人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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