結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35531号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第4207585号商標(以下「本件商標」という。)は、「FLORA SUN」の欧文字(標準文字による。)を横書きしてなり、平成9年7月2日に登録出願、第3類「せっけん類、香料類、化粧品」を指定商品として、同10年11月6日に登録されたものである。
2.請求人の引用する商標
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第2062465号商標(以下「引用A商標」という。)は、「FLORA」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年6月20日に登録出願され、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)」を指定商品として、同63年7月22日に設定登録され、その後、平成10年4月28日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。同じく、登録第2107468号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲のとおり「FLORA」の欧文字と図形の組み合わせよりなり、昭和60年7月3日に登録出願され、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)」を指定商品として平成元年1月23日に設定登録され、その後、平成10年10月27日商標権存続期間の更新登録がなされたものである。同じく、登録第2257251号商標(以下「引用C商標」という。)は、「フローラ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和63年5月11日に登録出願され、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、平成12年4月18日商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
3.請求人の主張
請求人は、「登録第4207585号商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を、概要次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、「FLORA SUN」の欧文字を横書きしてなり、商標構成中の「FLORA」の文字は「植物、花の神、女性の名前」等の意を有する英語の綴り文字であり、又、「SUN」の文字は「太陽、日光、恒星」等を意味する英語であることは、わが国の英語の普及度からみれば普通に理解される文字である。
更に、「SUN」の文字は、本件商標の指定商品中の「化粧品」については、「日焼け止め用又は日焼け用のオイル、日焼け止め用又は日焼け用のクリーム」等、又その他の商品については「サングラス」等の太陽光線や紫外線に対応する商品について普通に使用されている文字であるところから、「SUN」の文字は用途・品質表示とみられ商標としての識別機能を有しないものと判断すべきである。
しかも、本件商標は「FLORA」「SUN」の二つの文字を若干の間隔を設けて連結してなるものであって、この文字構成の関連性からみて特定の観念を認識させるものではなく、全体一連の成語として使用され又理解されているものでもない。
したがって、本件商標を常に一連一体のものとして認識しなければならない格別の理由はない。
してみれば、本件商標は他人の登録商標を利用したにすぎないものであるばかりでなく、全体の称呼が「フローラ・サン」と冗長、かつ段落を有するものであるから、上記した理由と相俟って簡略化して「FLORA」の文字部分のみの称呼をもって商取引きがなされる場合が決して少なくない。
したがって、本件商標からは「フローラ」の称呼をも生じるものである。
一方、引用各商標はいずれも「FLORA」と「フローラ」の文字からなる構成であるから、構成に相応して生じる称呼は「フローラ」であることは明らかである。
したがって、本件商標から生じる「フローラ」と引用各商標から生じる「フローラ」の称呼とは類似のものである。
また、両者はその指定商品においても同一または類似の商品について使用するものであり互いに類似するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)答弁に対する弁駁
(イ)本件商標は「FLORA」と「SUN」の二つの文字を若干の間隔を設けて構成されているものであって、この文字構成の関連性からみても特定の観念を認識させるものではなく、全体一連の成語として使用され又理解されているものでもない。したがって、本件商標を常に一連一体のものとして認識しなければならない格別の理由はない。
特に、「SUN」の文字は本件商標の指定商品中の「化粧品」については、この種商品を取り扱う業界において「日焼け止め用又は日焼け用のオイル、日焼け止め用又は日焼け用のクリーム」等を示す商品であることを認識させるために普通に使用しており、又その他の商品については「サングラス、サンルーム、(広辞苑、参照)」等の太陽光線や紫外線に対応する商品について普通名称となっており、殊更に証拠を提出するまでもなく商品の用途・品質表示として認識されていて、商標としての識別機能を果たし得ない文字である。
しかも、本件商標は二つの文字間に間隔を設けてあるところをみれば、上記した商品に使用するものであろうことは推察し得る。
そして、本件商標は他人の登録商標を利用したにすぎないものであるばかりでなく、分断可能な構成よりなり、しかも、全体の称呼が「フローラ・サン」と冗長、かつ段落を有するものであるから、上記理由とあいまって簡略化して「FLORA」の文字部分のみの称呼をもって商取引きがなされる場合が決して少なくない。
したがって、本件商標からは「フローラ」の称呼をも生じるものであって、絶対にその登録を容認することはできない。
(ロ)被請求人は、本件商標から生じる称呼は「5音構成」と主張しているが、本件商標の「FLORA SUN」から生じる称呼は「フローラ・サン」の6音よりなるものである。第3音目の長音(−)は、滑らかな称呼を重視する商標の称呼上の理由及び該文字構成の普通の発音からみても、決して無視することはできないものであるから、本件商標から生じる構成音数は「6音」との認識でなければならない。
したがって、全体を一連に称呼すれば冗長である。
(ハ)被請求人は、乙各号証を提出して「SUN」及び「FLORA」の文字を有する登録商標の存在を例示し、「SUN」及び「FLORA」の文字の一連性を主張するが、その大部分は、一連的な蓋然性を有する商標構成であって、本件商標の構成とは軌を一にするものではない。
(ニ)引用商標についてみれば、引用各商標のいずれも「FLORA」と「フローラ」の文字からなる構成であるから、該構成に相応して生じる称呼は「フローラ」であるとするのが自然である。
したがって、本件商標から生じる「フローラ」と引用各商標から生じる「フローラ」の称呼において、両者は類似の商標であり、また、両者はその指定商品においても同一または類似の商品について使用するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
4.被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概要次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第99号証を提出した。
(1)本件商標は、ローマ字にて「FLORA SUN」と横書きしてなるものであり、その構成文字からして、「フローラサン」なる称呼を生じることは明白である。
一方、引用各商標は、いずれも「フローラ」なる称呼が発生することは明らかである。
そこで本件商標の称呼と引用商標の称呼とを比較すれば、本件商標の称呼「フローラサン」は、引用商標の称呼「フローラ」には存在しない「サン」の音を有している。しかも本件商標の称呼は全体としてわずか5音からなる短い音数のものであるが、そのうち「サン」の音は称呼全体の音数の2/5にあたる2音を占めていて、称呼全体に占める影響は大きく、そのため聴者に対して与える印象も強く、聴取上引用各商標の称呼「フローラ」と相紛れるおそれは全くない。
そのほか、外観および観念の面においても、本件商標と引用各商標との間で相紛れるおそれはないことは明らかである。
してみれば、本件商標が引用各商標と類似しないことは明白である。
(2)「SUN」の文字部分を単独で取り出せば、「太陽、日光、恒星」等を意味する英語であることは認めざるを得ないが、「SUN」の文字が「日焼け止め用又は日焼け用」のオイルやクリーム等、あるいは「サングラス」に普通に使用されている文字であるとの証拠は全く提出されておらず、また仮にそうであったとしても、そのことから直ちに「SUN」の文字が用途・品質表示とは言えない。「SUN」の文字は飽くまで「太陽、日光」等を意味するに過ぎないのであって、「SUN」の文字を含む商標を商品に付した場合でも、その商品が太陽、日光等に対してどのような用い方をされるものであるか、あるいは太陽、日光に対してどのような機能、品質を有するものであるかは、「SUN」の文字からは引出されないのである。仮に百歩譲って「SUN」の文字から「太陽光線や紫外線」が示唆されたとしても、太陽光線や紫外線に対してどのような用い方をするか、あるいは太陽光線や紫外線に対してどのような機能、品質を有するかの点までは、「SUN」の文字からは到底示唆され得ず、したがって「SUN」の文字が用途・品質表示と認め得ないことは明らかである。
(3)請求人は、化粧品について「日焼け止め用」のオイル、クリームと、「日焼け用」のオイル、クリームとを並列的に並べて「SUN」の文字が用途・品質表示であると言い立てているが、仮に「SUN」の文字が「日焼け止め用」と「日焼け用」の両者に普通に使用されているとすれば、そのこと自体が、逆に「SUN」の文字が用途・品質表示にあたらないことの証左となり得る。すなわち、「日焼け止め用」の商品は太陽光、特に紫外線を阻止しようとするものであるのに対し、「日焼け用」の商品は太陽光、特に紫外線を取入れようとするものであるから、両者はその用途や品質が全く相反すると言わざるを得ない。そして「SUN」の文字が飽くまで「太陽、日光」等を表わすに過ぎず、それ以上の「日焼け止め用」あるいは「日焼け用」の意味合いまでは含んでいないからこそ、「SUN」の文字を上述のように太陽光、紫外線に対して全く相反する用途・品質を有する商品に使用することができるのである。
以上のように、「SUN」の文字は用途・品質表示とは言えず、商標としての識別機能を有していないとは言えないことが明白である。
(4)本件商標の構成では「FLORA」の文字部分と「SUN」の文字部分との間に若干の間隔が設けられていることは事実であるが、全体の称呼「フローラサン」は決して冗長なものではなく、その音数はわずか5音に過ぎない。「FLORA」の文字部分と「SUN」の文字部分との間に若干の間隔があっても、一連に「フローラサン」と称呼されるのが通常である。しかも審判請求人も自ら認めているように、「FLORA」の文字部分も「SUN」の文字部分も、ともに日本人にとってなじみの深い英語であり、このことからも、全体として滑らかに一連に称呼されると言わざるを得ない。
してみれば、既に述べたように「SUN」の文字部分が特に用途・品質表示にあたるものではなく、商標としての識別機能を担う一翼を担っていることと相俟って、本件商標はその全体として商標としての識別機能を発揮するのであって、「FLORA」の文字部分のみの称呼をもって商取引がなされるおそれは極めて少ない。
(5)本件商標の構成文字中、「SUN」の文字部分は用途・品質表示に相当するものではなく、また本件商標の称呼は決して冗長なものでもなく、したがって、本件商標は全体として一連に「フローラサン」と称呼されるものであり、「FLORA」の文字部分のみが抽出されて「フローラ」の称呼が生じるものではない。
5.当審の判断
本件商標と引用各商標の類否について判断するに、本件商標は、「FLORA SUN」の欧文字(標準文字による。)よりなるところ、該文字は左右バランス良く表わされていて、これより生ずる「フローラサン」の称呼も格別冗長なものとはいえず、淀みなく一連に称呼し得るものである。また、その構成中の「SUN」の文字が、「太陽」「日光」等を意味する英語であるとしても、かかる構成においては商品の品質、用途等を具体的に表示したものと直ちに理解し得るものとはいい難いところである。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「フローラサン」の一連の称呼のみを生じさせる商標というのが相当である。
他方、引用A、C商標は、その構成上記のとおり、「FLORA」及び「フローラ」の各文字を書してなるものであるから、これよりは「フローラ」の称呼を生ずるものといえる。また、引用B商標は、別掲のとおり文字と図形の組合わせよりなるところ、取引者・需要者は構成中顕著に表されている「FLORA」の文字部分を捉え、これより生ずる「フローラ」の称呼をもって取引にあたるものとみるのが相当であるから、引用B商標よりは「フローラ」の称呼を生ずるものと見るのが相当である。
そこで、本件商標から生ずる「フローラサン」の称呼と、引用各商標から生ずる「フローラ」の称呼を比較すると、両者は前半部において「フローラ」の音を同じくするものの、後半部において「サン」の音の有無という明かな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼しても称呼上互いに紛れるおそれはないものと判断するのが相当である。
さらに、本件商標と引用各商標とは、外観上も明らかに相違し、観念についても何ら類似するものではない。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、結局、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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