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Trademark Appeal Case

商品区分の解釈と不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31105号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2244760号商標(以下、「本件商標」という。)は、真円輪郭内に「NIC」の文字を表示したとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具の属するものを除く)、電気材料」を指定商品として昭和55年9月11日登録出願、平成2年7月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く),電子管・半導体素子・電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」についての登録はこれを取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。

(1)本件商標は、審判請求に係る指定商品について継続して3年以上、日本国内において使用されておらず、商標原簿にも通常使用権・専用使用権の設定登録がないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その商標登録は取り消されるべきである。

(2)請求人は、商願平8−129924号を出願中であって、本件商標を引用され拒絶の理由通知を受けたものであり、本件審判の請求について利害関係を有する(甲第3号証)。

(3)答弁に対する弁駁

(イ)電子技術を利用し、応用する多種多様なシステムに係る機器は、電子の作用を応用したもので、その機器の機能の本質的な要素とするものであっても、そのすべてが電子応用機械器具の概念に属するものではない(甲第4号証)。

(ロ)被請求人が本件商標を使用する商品についてみるに、「登録商標の使用説明書(1)」添付のカタログ「マンションセキュリティインターホン・システム」によれば、共同玄関に設置の「集合玄関機」と各「住戸(内)親機」とは接続されて有機的に代用をするものであり、呼出・通話(映像)機能・オートロック解錠機能等を有するほか、「住戸親機」には防災警報・防犯ランプ等の機能も付加されているものである。

このような目的・用途・品質を有するこれらの機器は、電子応用機械器具の概念に属する商品とは言い得ず、電気通信機械器具の概念に属する商品というべきである。

「登録商標の使用説明書(2)」は、「集合玄関機」の取扱説明書であり、取扱書も解説をするとおり、「集合玄関機」は「住戸親機」と「管理室親機」とが接続されて機能をするものである。

さらに、被請求人は、「集合玄関機」は暗証番号の識別機能と電気錠の解錠機能を供えていればよく、インターホンのごとき電気通信機能を必要としない」旨、主張をするが、同人提出の乙第1号証は集合玄関機について、「キースイッチによる解錠、管理室・居室からの解錠はできます」と説明し、「住戸親機」と「管理室親機」と電気通信の回線(回路)をもって接続され、遠隔操作をもってする解錠機能を有するものである。

このような目的・用途・品質を有するこれらの機器は、電子応用機械器具の概念に属する商品とは言い得ず、電気通信機械器具の概念に属する商品というべきである。

3 被請求人の答弁

本件商標権者は、本件商標を審判請求に係る指定商品「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」について現在に至るまで継続して3年以上、日本国内において使用していると主張し、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

(1)本件商標は、英文字NICを円で囲んだものであるが、商標権者は、登録商標と同一の商標を商品「集合玄関機」に使用している。これは、「登録商標の使用説明書」に添付した資料より明らかである。

(2)「登録商標の使用説明書(1)」には「集合玄関機」を記載したカタログ及び取扱説明書が添付されている。カタログ及び取扱説明書の裏側の下端に「日本インターフォーン株式会社」の文字と共に英文字「NIC」を円で囲んだ、本件商標と同一の標章が記載されている。

本件商標の使用時期は、「登録商標の使用説明書(1)」に添付したカタログによって明らかである。カタログの裏側の下端に「このカタログの内容は、1997年3月現在のものです。Cat.NO.7301(970350)T」と記されている。これは、このカタログが1997年3月の時点に日本国内にて頒布されていることを示す。

以上より、商標権者は、本件商標を商品「集合玄関機」について使用していることは明らかである。

(3)商品「集合玄関機」は電子応用機械器具に属するものである。

(イ)「集合玄関機」はマンション等の集合住宅の共同玄関にて使用されるセキュリティシステムであり、共同玄関のドアの電気錠を解錠する機能を有する。

「集合玄関機」の本体はドア付近に設けられ、訪問者はテンキーによって暗証番号を入力する。暗証番号が正しかったら小さなディスプレイに“OPEN“の文字が表示され、ドアの電気錠は解錠される。

「集合玄関機」は、基本的には暗証番号の識別機能と電気錠の解錠機能を有する。従って、少なくとも、玄関のドア付近に設けられた暗証番号入力装置と、その暗証番号が正しいか否かを判定する論理回路と、電気錠に解錠を指示する命令信号を供給する信号発生器及び信号伝送路とを有する。

(ロ)電子応用機械器具は、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素としているものをいう(乙第1号証)。「集合玄関機」は、電子の作用を応用したもので、その機能の本質的な要素としているものである。これは、例えば、乙第2号証として提出した「電気錠の解錠時間と暗証番号の設定方法を具体的に説明した図面」より明らかである。従って、商品「集合玄関機」は電子応用機械器具に属するものである。

(ハ)「集合玄関機」は、電子応用機械器具に属するものであることを更に確認するために、「集合玄関機」は電気通信機械器具に属しないことを明らかにする。

商品「集合玄関機」は電気通信機械器具に属するインターホンと共に販売されてもよいが、インターホンとは別個に、即ち、単独の商品として販売されている。

「集合玄関機」は、暗証番号の識別機能と電気錠の解錠機能を供えていればよく、インターホンの如き電気通信機能を必要としない。通常、電子機器は、消費者の要求に従って多機能を供えた商品として販売される傾向がある。「登録商標の使用説明書(1)」に添付した資料のカタログには、「集合玄関機」とインターホンの機能が合体した商品も紹介されているが、「集合玄関機」が、インターホンの機能を供えない商品として且つ、インターホンとは別個に販売されていることが示されている。

以上より、「集合玄関機」は電気通信機械器具ではなく電子応用機械器具に属するのものである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した乙第1号証の登録商標の使用説明書(1)及び(2)に徴すれば、商標権者は、本件商標と社会通念上同一のものと認め得る商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商品「集合玄関機」について使用していたことが認められる。

そこで、当事者間において、「集合玄関機」は、取消請求に係る商品「電子応用機械器具」に属する商品であるか否かについて争いがあるので、この点について検討する。

(2)先ず、電子応用機械器具の概念には、「電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素になっているものだけが含まれる。」と解するのが相当である(乙第2号証参照)。

そこで、本件商標を使用している商品「集合玄関機」のカタログ(「取扱説明書」を含む。)をみると、「集合玄関機」はマンション等の集合住宅の共同玄関にて使用されるセキュリティシステムであり、共同玄関のドアの電気錠を解錠する機能を有すること、「集合玄関機」の本体はドア付近に設けられ、訪問者はテンキーによって暗証番号を入力する。暗証番号が正しかったら小さなディスプレイに“OPEN“の文字が表示され、ドアの電気錠は解錠されこと、「集合玄関機」は、基本的には暗証番号の識別機能と電気錠の解錠機能を有し、玄関のドア付近に設けられた暗証番号入力装置と、その暗証番号が正しいか否かを判定する論理回路と、電気錠に解錠を指示する命令信号を供給する信号発生器及び信号伝送路とを有する商品であることが認められる。

しかして、被請求人の使用する商品「集合玄関機」には、インターホンの機能を備えたものと該機能を備えないものとが存在し、インターホンとは別個に販売されている事実も認められる。

してみれば、被請求人の使用に係る商品「集合玄関機」は、「電子の作用を応用したもので、その機能の本質的な要素としている商品。」と見ても差し支えないものというのが相当である。

(3)この点において、請求人は、『本件商標を使用をするという商品についてみると、カタログ「マンションセキュリティインターホン・システム」によれば、共同玄関に設置の「集合玄関機」と各「住戸(内)親機」とは接続されて有機的に代用機能するものであり、呼出・通話(映像)機能・オートロック解錠機能等を有するほか、「住戸親機」には防災警報・防犯ランプ等の機能も付加されているものである。

このような目的・用途・品質を有するこれらの機器は、「電気通信機械器具」の概念に属する商品である。

「集合玄関機」の取扱説明書では、本取扱書も解説をするとおり、「本機器」は「住戸親機」と「管理室親機」とは接続されて機能をするものである。

さらに、同人提出の乙第1号証は同機器について、「キースイッチによる解錠、管理室・居室からの解錠はできます」と説明し、同機器が「住戸親機」と「管理室親機」と電気通信の回線(回路)をもって接続され、遠隔操作をもってする解錠機能を有するものである。』旨主張しているが、「集合玄関機」が一部通信機能を有していることは認め得るとしても、「集合玄関機」が共同玄関のドアーの電気錠を解錠する等の機能を有するものであり、「電気通信機械器具」の概念のみに属するものと断定し得ないものであるから、この主張を採用することはできない。

してみると、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「集合玄関機」について使用していたものというのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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