Trademark Appeal Case
役務と商品の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90738(T2000−90738/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4373167号商標(以下「本件商標」という。)は、「Mapoint」の文字を横書きしてなり、平成10年12月28日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として平成12年4月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「MAPPOINT」の文字を横書きしてなり(標準文字による商標)、平成10年12月7日(パリ条約による優先権主張 1998年6月8日 (US)アメリカ合衆国)登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク及びその他の記録媒体その他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品として平成12年1月14日に設定登録された登録第4351746号商標(以下「引用商標」という。)と、称呼において類似の商標であり、本件商標の指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と引用商標の指定商品「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク及びその他の記録媒体その他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具」は、相互に類似の商品・役務である。
また、引用商標は、申立人が世界各国でソフトウエアに使用している著名商標であるから、本件商標は、出所の混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
まず、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とが類似するか否かについて検討する。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定役務及び引用商標の指定商品は、(a)同一事業者によって行われることが多い(b)用途が共通する(c)同一の場で提供されることがまれではない(d)ユーザーが共通する、旨述べる。
確かに、電子計算機などの電子機器、或いは電子計算機用プログラム(以下「プログラム」という。)を各種メディアに格納した製品などを製造、販売するメーカーが、他のメーカーの依頼に応じてプログラムの設計、作成、保守を行う場合もあり、また、プログラムの設計、作成、保守の役務に係るユーザーが、同時に電子機器やプログラム製品のユーザーである場合もあり、電子機器やプログラム製品を製造、販売するメーカーが、併せて有料で販売した製品のメンテナンスを行う場合のあることは知られているところである。
しかしながら、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の役務は、本来、プログラム自体、或いは電子機器などを製造、販売するメーカーである需要者の求めに応じて提供される役務であって、一般需要者を対象に提供される役務ではない。このような観点からみると、本件商標の役務と引用商標の商品とは、多くの場合、取引の対象、形態、流通経路について共通するものではないというべきであり、上記の如く一部において共通する場合があるとしても、そのことをもって、両者が直ちに類似するものということはできない。
そうすると、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とが類似するものでない以上、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないといわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の主張及び提出に係る証拠を検討すると、申立人は、ソフトウエア「MAPPOINT」は「MICROSOFT OFFICE」シリーズの一つである地図情報検索ソフトウエアであり、平成11年度の販売高は全世界で3,735,000米ドル、宣伝広告費は1,372,000米ドルであると述べ、証拠を提出する。しかしながら、我が国における事情は何ら明らかでなく、かつ、米国を含め国別の個別事情は示されていないものであり、提出された証拠を総合しても、これらの証拠では、本件商標の登録出願の時に、我が国のみならず他のいずれの国においても引用商標が著名性を獲得していたものとは認めることができない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は引用商標権者に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならないから、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
(3)以上のとおりであって、本件商標は、申立人の主張するいずれの法条にも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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