Trademark Appeal Case
効能表示商標の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2000−90506(T2000−90506/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4357779号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年2月4日に登録出願され、「クリア スキン ピーリング」の文字と「CLEAR SKIN PEELING」の文字とを二段に左横書きしてなり、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液」を指定商品として、同12年2月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
本件商標は、「肌をきれいにするためのピーリング剤」を直感させるものであるから、単に商品の効能、用途、品質を表示するものにすぎないものであり、上記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、指定商品中の第3類に属する指定商品についての登録は取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由
登録異議申立人提出の甲各号証によれば、本件に係る登録商標からは、「古い角質がたまってできたザラつきや毛穴につまった汚れを取り除き肌をすべすべにする」の意味合いを想起し得るものである。
してみれば、本件に係る登録商標を第3類の指定商品中、「古い角質がたまってできたザラつきや毛穴につまった汚れを取り除き肌をすべすべにするための商品」について使用した場合は、単に該商品の品質・効能・用途等を表示するにすぎないものとみるのが相当であり、第3類の「前記に照応する商品以外の商品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件に係る登録商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
本件商標構成中の「クリア/CLEAR」及び「スキン/SKIN」の語からは、「クリアな皮膚」とか「クリアな肌」の観念は生ずるかもしれないが、「ピーリング/PEELING」の語は、なじみの薄い語であり、「剥がす」という意味に理解されることがあったとしても「汚れを取り除く」という意味は出てこない。
本件商標は、全体として何となく意味が理解でき、肌がきれいになりそうだという意が感じられるにとどまる造語商標であり、充分に識別性を有しているものである。
申立人の提出に係る甲第1号証にある「セスコーポレーション株式会社」は、参考資料2ないし4のように、本権利者ルートの商品を取り扱う取引先の会社であるから、セスコーポレーション株式会社が「クリアスキンピーリング」の語を使用しているのは当然であって、これをもって、「クリアスキンピーリング」の語が普通に使用されているとはいえない。
5 当審の判断
本件商標は、上記のとおりの構成からなるところ、「クリア/CLEAR」の語は「きれいにする」等の意味を、そして「スキン/SKIN」の語は「皮膚、肌」の意味を表すものとして、いずれも広く一般に知られている語であり、又、「ピーリング/PEELING」の語は「(皮などを)はぐ、剥がす」等の意味を有するものである。
ところで、近年、エステティック等の業界においては、医療現場で行われているピーリング剤と称される薬品を用いて、古くなった皮膚表面角質層を剥がし、新しい皮膚の再生を促す治療法を採り入れたスキンケアについての美容法が広く行われており、これを「ケミカルピーリング」等と称しているのが実情である。
そして、登録異議申立人の提出に係る甲第1号証中のMAXFACTORの資料によれば、「クリアな素肌、クリアスキン肌診断」のように「クリア」あるいは「スキン」の語が用いられており、又、同号証中のウェルテック・ジュジュの資料によれば、「ケミカルピーリングをご自宅で!」の表題のもとに、「クリアスキンセット」として「ピーリングソープ、ピーリングジェル」等の商品が掲載されている。更に、同号証中のセスコーポレーション株式会社の資料には、「クリアスキンピーリング」の語自体も使用されていることを認めることができる。
そうとすれば、「クリア スキン/CLEAR SKIN」の語からは「クリア(きれい)な肌」の意味合いを理解し得るものであり、又、「ピーリング/PEELING」の語は、一般的に広く親しまれている語であるとまではいえないにしても、上記の実情及び証拠に照らしてみれば、化粧品等の取引者・需要者間においては、スキンケアに関する用語として「古くなった皮膚表面をはぎ取る、汚れを取り除く」の如き意味合いを表す語として理解・認識されているものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、いずれも記述的な意味合いを表す「クリア スキン/CLEAR SKIN」の語と「ピーリング/PEELING」の語とを連綴してなるにすぎないものであって、全体としてみても、「古い角質がたまってできたザラつきや毛穴につまった汚れを取り除き肌をすべすべにする」の如き記述的な意味合いを越えるものではないから、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質、効能、用途等を表したものと理解・認識させるにすぎないものといわなければならない。
この点について、商標権者は、甲第1号証にあるセスコーポレーション株式会社による使用は、本権利者ルートの商品を取り扱う取引先の会社による使用であるから、これをもって、「クリアスキンピーリング」の語が普通に使用されているとはいえない旨主張しているが、該セスコーポレーション株式会社の扱う商品が商標権者ルートの商品であるとしても、その表示方法は、必ずしも商標的な使用とはいえず、甲第1号証の他の使用例と同程度のものであり、品質表示的な使用といわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、これを第3類の指定商品中の「古い角質がたまってできたザラつきや毛穴につまった汚れを取り除き肌をすべすべにするための商品」について使用した場合は、単に該商品の品質・効能・用途等を表示するにすぎないものとみるのが相当であり、第3類の「前記に照応する商品以外の商品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、その指定商品中の上記商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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