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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90433(T2000−90433/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4352647号商標の指定商品中「電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4352647号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年12月22日に登録出願され、「HIT SHOP」の欧文字と「ヒット ショップ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オソン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用の浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成12年1月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

「HIT SHOP」(以下「引用商標」という。)は、申立人(株式会社光通信 以下「申立人」という。)の業務に係る商品「携帯電話及びPHS」を表示する商標として取引者・需要者の間において広く認識されている周知商標であり、本件商標は、これに類似する商標であるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第4条第1項第10号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。

〈取消理由〉

本件商標は、「HIT SHOP」の文字と「ヒット ショップ」の文字とを二段に横書きしてなるものであり、「ヒットショップ」の称呼を生ずるものである。

ところで、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人会社は、平成6年4月に携帯電話機器の売り切り制解禁に伴い携帯電話機器の販売を開始し、同5月に東京、新宿に「HIT SHOP」第1号店を開店させ、その後、「HIT SHOP」販売店の全国展開に伴い、平成10年8月には500店舗、平成11年2月には1200店舗に店舗数が達し、これらのことからすると、申立人は「HIT SHOP」店舗を全国展開している携帯電話機器の販売の大手企業と認めることができる。

そして、携帯電話への加入数が平成10年8月で3,500万台を越え、同11年2月には4,000万台に達し、携帯電話は若年層から成年層に至る幅広い層に利用されている実状を考慮すると、本件商標の出願時の平成10年12月には「HIT SHOP」の文字からなる商標は、携帯電話機器の販売標識として一般に広く認識されていたものと認めるのが相当であり、「HIT SHOP」が「ヒットショップ」と称呼されることは明らかである。

してみれば、本件商標は、引用商標と「ヒットショップ」の称呼において類似するものであり、その指定商品中、「電気通信機械器具」は、「携帯電話機器」と同一又は類似のものである。

したがって、本件商標の指定商品中、上掲の指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由通知に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べた。

(1)登録された商標が、商標法第4条第1項第10号の規定に該当する商標であるかは、申立人は以下の事実を証明すべきである。

即ち、商標が商標法第4条第1項第10号の周知商標に該当するに至ったかどうかは、以下のような事実を総合勘案して判断するものとする。

イ、実際に使用している商標及び商品 ロ、使用開始時期 ハ、使用期間 ニ、使用地域 ホ、生産、証明又は譲渡の数量 ヘ、広告宣伝の方法、回数及び内容

(2)そして、上記の事実は、例えば、次のような証拠方法によるものとする。

イ、仕切伝票、納入伝票、注文伝票又は商業帳簿 ロ、広告宣伝等が掲載された印刷物(新聞、雑誌、カタログ、ちらし等) ハ、商標が使用されていることを明示する写真等 ニ、広告業者、放送業者、出版業者又は印刷業者の証明書 ホ、同業組合又は同業者の証明書 ヘ、商品取引先又は代理店の証明書 ト、需要者の証明書 チ、公的機関等の証明書(国、地方公共団体、在日外国大使館、商工会議所 等)

(3)以下に上記の事実が、申立人が提出した証拠方法により十分に立証されているか否かを検討する。

1)申立人が「イ、実際に使用している商標及び商品」について

申立人が提出した甲第1号証から甲第4号の6の証拠方法を検討したが、申立人が「実際に使用している商標及び商品」が「携帯電話機」であると明確に示されてはいない。

確かに、申立人が、「HIT SHOP」の店名で営業していたことは、申立人が提出した証拠方法からは認識することが可能であるが、前記「店名」で「携帯電話機」が販売されていたかどうかは明らかにされていない。

「携帯電話機」に引用商標である「HIT SHOP」又は「ヒットショップ」を付して使用していた事実を証明し、申立人が使用している商標「HIT SHOP」が、商標法第4条第1項第10号の規定に該当する商標であると主張されるならば、「HIT SHOP」又は「ヒットショップ」が「携帯電話機」に使用していることが明確に表示されている証拠方法であるべきである。

従って、この点の申立人の証明は、申立人が提出された証拠方法では、極めて不十分であり、本件商標の商標権者は容認することはできない。

2)引用商標の「ロ、使用開始時期、ハ、使用期間及びニ、使用地域」について

引用商標が、商標法第4条第1項第10号の規定に該当する周知商標であるためには、「ロ、使用開始時期、ハ、使用期間及びニ、使用地域」が明確に証拠方法により裏付けられることが必要である。

申立人が提出した甲第1号証〜甲第4号証の10までには、申立人は、ロ、使用開始時期については、「本件異議申立人たる株式会社光通信は、1988年(昭和63年)2月にOA機器や電話機などの販売・リース業務を目的として設立され、1994年(平成6年)4月に携帯電話機がレンタルから現在の売り切り制になるに伴い、携帯電話機の販売を開始した。

そして、同年5月に東京・新宿に携帯電話機の販売店として「HIT SHOP」第1号店(直営店)をオープンし」との記載がある。

しかしながら、引用商標である「HIT SHOP」又は「ヒットショップ」を「携帯電話機」に真に使用しているとの証拠が全く示されていない。 また、申立人は、ハ、使用期間及びニ、使用地域については「1996年(平成8年)5月に全国で100店舗、同年8月には140店舗を突破し、更に、1997年(平成9年)2月には全国で300店舗に到達し、そして1998年(平成10年)8月には全国で500店舗を突破し、1999年(平成11年)8月末には1816店と日本国内の駅前やショッピングセンター内など軒並みに出店を果たした。正に、うなぎ上りで「HIT SHOP」の店舗数を増やし、今日の携帯電話・PHSの爆発的な普及の一翼を担ったと言っても過言ではない。」と主張し、甲第2号証、甲第3号証の1〜7、甲第4号証の1〜10を提出している。

確かに、申立人が提出した証拠方法中には、そのような記述は存在するが、申立人が引用商標を携帯電話機に明白に使用していることの事実は前記証拠方法中には明示されてはいない。

3)引用商標を携帯電話機に使用した「ホ、生産、証明又は譲渡の数量及びヘ、広告宣伝の方法、回数及び内容」について

申立人が提出した証拠方法からは、引用商標である「HIT SHOP」又は「ヒットショップ」を「携帯電話機」に使用したとの「ホ、生産、証明又は譲渡の数量」及び「ヘ、広告宣伝の方法、回数及び内容」の証明がなされていない。

申立人が提出した甲第1号証〜甲第4号証の10までの証拠方法には、店名が「HIT SHOP」又は「ヒットショップ」であることは認識できるものであるが、引用商標を携帯電話機に使用した「ホ、生産、証明又は譲渡の数量」が明示されていない。

また、引用商標を携帯電話機に使用していたとの事実があれば、「ヘ、広告宣伝の方法、回数及び内容」を証拠により証明することは極めて重要である。

即ち、申立人は、「平成6年5月に東京・新宿に携帯電話機の販売店として「HIT SHOP」第1号店(直営店)をオープンし」との記載がある点から、申立人はこの時期から「携帯電話機」に「引用商標」の使用を開始しているとしている。このことから、平成5年から今日に至るまでに引用商標が商標法第4条第1項第10号に該当し、周知商標となったからには、可成りの回数をテレビ、ラジオ等で広告宣伝したものと推測される。

このような、引用商標を使用開始してから短期間で周知商標となるためには広告宣伝の回数、広告金額等を明示したテレビ、ラジオ各社である第3者の証拠方法が必要不可欠であると考える。

4)そして、上記の事実は、以下のような証拠方法により証明されるべきものである。即ち、イ、仕切伝票、納入伝票、注文伝票又は商業帳簿、ロ、広告宣伝等が掲載された印刷物(新聞、雑誌、カタログ、ちらし等)、ハ、商標が使用されていることを明示する写真等、ニ、広告業者、放送業者、出版業者又は印刷業者の証明書、ホ、同業組合又は同業者の証明書、ヘ、商品取引先又は代理店の証明書、ト、需要者の証明書及びチ、公的機関等の証明書(国、地方公共団体、在日外国大使館、商工会議所等)により証明されるべきものである。

しかしながら、申立人が提出した証拠方法は、申立人が独自に作成した(株)光通信会社案内、(株)光通信の第9期から第12期までの事業報告書等である。

このような証拠方法は、申立人自身がある程度裁量して作成することが可能であるから、これらの証拠方法を全面的に信用することはできないものである。

このことは、申立人が最近、売上げが激減し、極めて申立人自体が苦境にたたされているのが現状であるとともに、米国において虚偽の記事を掲載して株主を募集して、訴えられるとの事実が新聞に報道されている。

このことから、申立人が作成した資料は、証拠方法としては不的確な場合が多々あるものである。

申立人は、引用商標が商標法第4条第1項第10号に該当する商標であると主張するのであれば、第3者のしかも公的機関が証明した証拠方法を提出して主張すべきである。

以上のとおり、本件商標の登録は維持する、との決定を求めるものである。

5 当審の判断

本件商標は、前記したとおり「HIT SHOP」、「ヒットショップ」の文字よりなるところ、申立人の提出に係る甲第2号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)によれば、申立人は、平成6年4月より携帯電話機器の販売を開始し、同年5月には東京・新宿に「HIT SHOP」第1号店(直営店)を開店し、その後、企業規模を拡大・発展させ本件商標の出願前である平成10年(1988年)8月には「HIT SHOP」の店舗数が全国で500店舗を突破したことが認められる。これらの事実は同じく本件商標の出願前に発行された新聞、業界雑誌の「携帯電話・PHS」の記事(甲第4号証の1ないし同号証の8)により裏付けられている。

そうとすれば、申立人の提出に係る前記証拠には、商標権者が上記4の意見書で主張するように、引用商標が携帯電話に直接付された仕切伝票、納入伝票等の取引書類、広告宣伝等がなされた印刷物、同出版業者又は印刷業者あるいは公的機関の証明書等は提出がないとしても、上記の事実によって、引用商標である「HIT SHOP」が「携帯電話機器」の販売標章として使用されていたことは明らかであるといわざるを得ない。

しかして、本件商標は、「HIT SHOP」、「ヒットショップ」の文字を普通に用いられる態様で書してなるものであり、その指定商品中の「電気通信機械器具」と引用商標に係る「携帯電話機器」とは、密接な関係にある同一又は類似の商品といえるものである。

したがって、先の取消理由は妥当なものであって、本件商標は、指定商品中「電気通信機械器具」についての登録は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、同第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないので、同第43条の3第4項の規定によりその登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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