結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年異議第91440号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4303152号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年10月9日に登録出願、「コレクション」の片仮名文字と「COLLECTION」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),レコード,ロケット,スロットマシン,消防車,消防艇, 自動車用シガーライター,ウエイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム」、第16類「紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,裁縫用チャコ,荷札,遊戯用カード,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,装飾塗工用ブラシ,封ろう,観賞魚用水槽及びその附属品」及び第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成11年8月6日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるとして、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む)を提出し、その登録は取り消されるべきである旨、登録異議の申立ての理由を述べている。
登録異議の申立てがあった結果、本件商標はその指定商品中の第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類「おもちゃ,人形」について商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。
<取消理由>
本件商標は、「コレクション」の仮名文字及び「COLLECTION」の欧文字を上下二段に表してなるところ、これら各文字(語)は、一般に「収集、収集品,所蔵品」等の意味合いで世上親しまれている平易な英語又は外来語といえるばかりでなく、申立人提出の甲各号証によれば、いわゆる「ゲーム機」を含む「おもちゃ,人形」等を取り扱う業界においては、いわゆるアニメ漫画やゲームソフト作品の登場キャラクターに模したキャラクター商品又はそのシリーズ作品(群)を販売するに当たり、需要者の収集志向に応えるべく特定作品分野の一群の商品について、当該作品名に「コレクション」又は「COLLECTION」の語を冠するなどして、取引上普通に使用しているのが実情である。
そうすると、本件商標をその指定商品中の第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類「おもちゃ,人形」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、需要志向に応じた一定分野の商品群であること、すなわち、当該販売企画に係る商品であるという品質ないしは一種販売の方法を表示したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中の前記商品について、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
上記3の取消理由に対し、商標権者はつぎのように意見を述べ、乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
(1)本件商標を構成する「コレクション」「COLLECTION」の文字は、取消理由で言われるように「収集,収集品,所蔵品」等の意味合いを有する名詞である。本件異議申立理由補充書に添付の証拠に示されているように、「コレクション」「COLLECTION」の文字を使用する場合は、「アートコレクション」「アニマルコレクション」「カードコレクション」等のように「コレクション」又は「COLLECTION」の文字と収集の対象となる物等を意味する他の文字とを組み合わせて使用するのが一般的である。これは、「コレクション」「COLLECTION」の文字が「収集,収集品」等を意味するとしても、それだけでは何の収集又は収集品であるのか分からないからである。言い換えれば、上述のとおり「コレクション」又は「COLLECTION」の文字には、対象物が特定されない抽象的な ”収集”等という意味しかないために「コレクション」「COLLECTION」の文字の前に対象物や時期等を意味する文字が組み合わされて使用されるのである。したがって、本件商標は、商品の内容等を表示するものではなく、識別力を有する商標であると確信する。
「コレクション」すなわち「収集品」「所蔵品」の対象になり得るものとしては、例えば商品にあっては「化粧品」「レコード」「自動車」「洋服」「身飾品」「印刷物」「おもちゃ」「加工食品」「酒類」等があり、また役務にあっては「広告」「主催旅行の実施」「映画の上映」「飲食物の提供」等の役務の提供に供される「カタログ」「パンフレット」等の多種多様な物品が考えられる。
しかしながら、「コレクション」「COLLECTION」と表示しただけで、その「洋服」等が直ちに「収集品」になるものであることを需要者に想起させることはなく、また「おもちゃ」に使用されてもその「おもちゃ」が直ちに「収集品」になることを需要者に想起させるものではない。なぜならば、すべての商品及び物品が収集(コレクション)の対象となるからであり、収集品になるか否かは需要者の趣味趣向に左右されるものであって、万人に共通するものではない。このことは、収集の対象となる様々な物品に対して「コレクション」又は「COLLECTION」の商標が登録されている事実からも支持されている。
[既登録商標との関係]乙第1号証ないし乙第14号証は、いずれも「コレクション」又は「COLLECTION」の文字からなる登録商標の書誌情報である。これらの証拠から、「コレクション」又は「COLLECTION」の文字を表示する多数の商標が、広範囲の商品又は役務に亘って多数商標登録されていることが判る。
例えば、「傘」「つえ」「電気製品」「飲料のラベルやキャップ」「文房具」「本」「洋服」等の収集を趣味とする人が多くいるにも拘わらず、これらの商品を対象にして「コレクション」又は「COLLECTION」が登録されている。これらの事実は、商品又は役務の種類とは関係なく「コレクション」又は「COLLECTION」が識別力を有するという上述の主張と一致するものである。また、特に資料は提出しないが、「セレクション」「SELLECTION」や「ユニット」「UNIT」等の使用態様が本件商標とよく似た英語又は外来語からなる登録商標も多数存続している事実がある。これらの事実を参酌しても、本件商標が直ちに商品の内容等を表示するものではなく、即ち、識別力を有するものであることは明らかである。
(2)取消理由では、本件商標が、(1)世上親しまれている平易な英語又は外来語からなるものであること、(2)「おもちゃ,人形」については商品の品質又は販売方法を表示するものであること、を理由に本件商標に識別力がないと判断している。
しかしながら、平易な英語ということであれば、多くの登録がある「ACE」「SUN」の方が「COLLECTION」よりも平易である。したがって、上記(1)については、「コレクション」「COLLECTION」が識別力を有しないことの理由にはならない。また、「世上親しまれている英語又は外来語」であっても、それが直ちに商品の内容を表示するとは言えないので、平易な英語であっても商標として認識することは可能である。
また、上記(2)の理由が「おもちゃ,人形」についてのみ適用できる根拠はないと確信する。「おもちゃ,人形」以外の商品又は役務に関しても、提出された証拠に示されている使用態様と同様、「サマーコレクション」等のように「対象又は内容を表す語十コレクション又はCOLLECTION」の表示が使用されているので、上記(2)の理由が「おもちゃ,人形」に対してのみ適用できる合理的な理由はない。
「コレクション」又は「COLLECTION」の文字が、他の文字と組み合わされたときには識別力を失うが、単独で使用されたときには識別力を失わないという特異な言葉であることを十分に考慮すべきである。
なお、商標登録異議申立人は、申立人自身が過去に商標出願をして拒絶査定を受けたことを申立理由の一つとして挙げている。しかしながら、このことは本件商標が「おもちゃ,人形」に関して識別力を有しないことを裏付けるものではない。もし申立人が、拒絶査定不服の審判を請求し、商標権者と同様の主張をしていれば、拒絶査定は取消されていたと確信する。
よって、再度審理の上、登録維持の決定を求めるものである。
本件商標について先に示した取消理由は妥当であって、本件商標の登録は、その指定商品中の第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類「おもちゃ,人形」について商標法第3条第1項第6号に違反してされたものといわざるを得ない。
商標権者の述べる意見は、以下の各点よりして、いずれも採用の限りでないから、その理由をもって先の認定を覆すことはできない。
(1)商標権者は、「コレクション」「COLLECTION」の文字は当該収集の対象物を意味する文字とを組み合わせて使用するのが一般的であって、それら文字を伴わず「収集等」の意味しかない本件商標からは直ちにその内容等を表示するものとはいえず、また、収集品・所蔵品の対象となる物品は多種多様に存在しその収集価値は専ら需要者の趣味趣向に左右されるものであるから、ことさら、おもちゃ等についてのみその収集対象とされ、その内容等を表示するものと認定した取消理由の判断は誤りである旨意見を述べている。
しかしながら、一般に「コレクション」「COLLECTION」の文字(語)が各種商品または役務に係る物品について収集品の対象となる得ることは商標権者も認めるところであって、取消理由は、申立人提出の書証(甲号証)によれば、いわゆる「ゲーム機」を含む「おもちゃ,人形」等を取り扱う業界においては、いわゆるアニメ漫画やゲームソフト作品に係るキャラクター商品又は一群のシリーズ作品を販売するに当たり、当該一群の商品(シリーズ作品またはキャラクター商品)を「・・・コレクション」または「・・・COLLECTION」の如く称して「コレクション」又は「COLLECTION」の語を取引上普通に使用している事実が認められ、また、かかる実情よりすれば、これに接する需要者は、当該組み合わされた文字の全体より、あるいは、「コレクション」又は「COLLECTION」の文字(語)のみの場合であっても、容易に一定の商品設計・販売企画(多種類性)に係る一群の商品という品質または販売の方法を表示したものと理解するに止まり、それをもって何人かの業務に係る商品であるのかを認識し得ないものとみるのが相当である。
してみれば、「コレクション」又は「COLLECTION」の文字(語)の特定商品分野における使用状況ないしは当該商品の取引事情を考慮のうえ、事実に基づき客観的に認定・判断した取消理由は正当というべきであるから、これら文字(語)のみでは直ちにその内容等を表示するものではないとし、あるいは、おもちゃ等のみを収集対象商品と認定してその品質・販売の方法を表示するものとした取消理由の誤りを述べる商標権者の主張は妥当でなく、いずれも採用することができない。
(2)商標権者は、本件商標が世上親しまれている平易な英語又は外来語からなることを理由に本件商標に識別力がないと判断した取消理由の誤りを述べている。
しかしながら、取消理由は、本件商標を構成する文字(語)またはその意味合いが世人一般に理解容易というべく、需要者にとって親しまれた英語又は外来語である旨認定したに止まり、その理由のみをもって直ちに本件商標の識別機能の有無までをも認定したものでないこと、先の取消理由の記載に照らし明らかであり、また、前述商品分野の取引事情よりして本件商標が当該商品の品質または販売の方法を表示するに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものとする点については、取消理由及び前述(2)において述べたとおりであるから、これらの点を述べる商標権者の主張は適切でなく、採用の限りでない。
(3)商標権者は、「コレクション」又は「COLLECTION」商標の登録事例(乙第1号証ないし乙第14号証)を挙げて本件商標の登録適格性を述べている。
しかしながら、各々の商品(または役務)の取引分野における取引事情は様々であって、当該商標の識別機能の有無等はその商品(または役務)の取引分野ごとに個別具体的に判断すべきものと解されるところ、商標権者の提示する登録事例はその指定商品において本件商標における前記認定の各商品とは異にするものであって、必ずしも本件事案の登録の適否を判断する基準とするのは適切でないから、それら登録事例の存在を理由に述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。
その他、商標権者の主張を認めるに十分な証拠は見出せない。
(4)結語
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第28類「おもちゃ,人形」について商標法第3条第1項第6号に違反してされたものといわざるを得ないから、結論掲記の商品についての登録は、商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものとし、その余の申立に係る商品については、取り消すべき理由のないものであるから、同法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。