Trademark Appeal Case
ワールドカップの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91506号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4299741号商標(以下「本件商標」という。)は、「WORLD CUP」の文字を横書きしてなり、平成6年7月29日に登録出願され、第9類「遊園地用機械器具,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,電気計算機」を指定商品として、平成11年7月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)フェデレイション インターナショナル デ フットボール アソシエーション(国際サッカー連盟、通称「FIFA」)は、1904年サッカーの普及・発展及び各国の教会と選手間の親善の促進等を目的として設立された団体で、1930年以来、4年に1回、世界各国の代表チームが参加する「WORLD CUP(ワールドカップ)」を主催してきた。
「WORLD CUP(ワールド カップ)」の語は、サッカー、ラグビー、スキー、マラソン、バレーボールなどの各スポーツの世界一を決めるために定期的に開かれる国際的な大会の名称として知られているが、申立人主催のサッカーの「WORLD CUP(ワールドカップ)」と関連する広告・宣伝をするため、世界中の有力企業は、スポンサー(FIFAのオフィシャルスポンサー、開催国の組織委員会が選出するオフィシャルサプライヤー、さらにそれぞれの地域や国の教会が独自に持つスポンサー等)として競って巨額の費用をつぎ込み、また、関連グッズの製造・販売は、個別の商品毎に結ばれライセンス契約に基づいて行われ、その商品には「WORLD CUP USA94」、「FRANCE98/FIFA WORLD CUP」のような大会ロゴを使用したりしている。
「WORLD CUP」及び「ワールド カップ」の語は、各スポーツの世界一を決めるために定期的に開かれる国際大会の名称として広く知られているものであるから、その「WORLD CUP」の文字を普通に用いられる方法で書した本件商標を、大会の主催者と何ら関係がなく、一法人にすぎない登録名義人が「遊園地用機械器具,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,電気計算機」の商品について、自己の商標として独占的に使用することは、国際信義に反するものである。よって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標登録を受けることができない旨定めた、商標法第4条第1項第7号に違反するものである。
また、世界的に行われる大規模なスポーツ大会を開催するに当たって、いくつもの企業が大会のスポンサー、ライセンシーとなり、自己の商品に大会名を付したり、広告、宣伝等を行っていることは良く知られていることであり、特に、申立人主催の「WORLD CUP(ワールドカップ)」は、ビッグビジネスの場であり、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人主催の「WORLD CUP(ワールドカップ)」のスポンサー、ライセンシーの業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反するものである。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきものであるとしている。
3 当審の判断
本件商標は、「WORLD CUP」の文字よりなるところ、申立人提出の証拠によれば、「WORLD CUP(ワールドカップ)」の語は、サッカー、ラグビー、スキー、バレーボール等、スポーツの国際大会を意味するものと認められ、そして、「WORLD CUP(ワールドカップ)」の語が申立人の主催に係るサッカーのワールカップに関した記事、解説、大会名称等に他の語とともに使用されていることは認められるとしても、それは一般にサッカーのワールドカップを表したものと理解し得るように表現されてなり、単に「WORLD CUP」の語が「サッカーのWORLD CUP」、「FIFA(国際サッカー連盟)」のみを指称するとの事実は認められない。
そして、サッカー以外の上記スポーツにあっても各スポーツ毎にワールドカップであると認識される方法で「WORLD CUP」の語を使用していることは顕著な事実である。
そうとすれば、本件商標の構成文字「WORLD CUP」が、直ちにサッカーのワールドカップを特定する語とはいえず、一般的にも、それを表す語として広く認識されているとは認められない以上、本件商標の登録自体がサッカーのワールドカップやその主催者のFIFAの権威を損ね、ひいては国際信義に反するものになっているとはいえない。
また、本件商標は、不正の目的、不正な利益を得る目的、その他不正な意図を持ってなされたものとは認められないものであり、商取引の秩序を乱すものとはいえない。
もとより、本件商標は、商標自体が矯激、卑わい、差別的又は不快な印象を与えるようなものでないことはいうまでもない。
さらに、本件商標は、申立人が主催する「サッカーのワールドカップ」、サッカーのワールドカップに関連した商品(役務)のみを指称、表示する語として使用され広く認識されているものすることはできないものであるから、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者(スポンサー、ライセンシーを含む。)の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反して登録されたものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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