Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第20907号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「耐光防水」の文字を上段に、「TAIKOUBOUSUI」の文字を下段に書してなり、第3類「せっけん類,香料類,帯電防止剤,さび除去剤,自動車用つや出し剤,樹脂ワックス,床用つや出し剤,その他のつや出し剤,自動車用コート剤,床用コート剤,その他のコート剤,靴クリーム,靴墨,樹脂ワックス用剥離剤」を指定商品として、平成6年12月28日に登録出願されたものであり、その指定商品については、平成8年6月4日付の手続補正書により、「せっけん類,香料類,家庭用帯電防止剤,さび除去剤,フロアーポリッシュ用剥離剤,自動車用つや出し剤,フロアーポリッシュ,床用つや出し剤,その他のつや出し剤,自動車用コート剤,床用コート剤,その他のコート剤,靴クリーム,靴墨」に補正されているものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『耐光防水』及びそのローマ字表記「TAIKOUBOUSUI」の文字を上下二段に表してなるものであるが、指定商品との関係において、『光による退色を押さえ、かつ、防水の性質を持たせる商品』が数多く存在していることから、本願商標を指定商品に使用しても単に商品の品質、効能を表示したにすぎないものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」との理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
商品「つや出し剤」を取り扱う業界においては、被塗布物のつやを出すだけではなく、雨水をはじいたり、水あかの付着を防いだり、太陽光線の紫外線照射による被塗布物の劣化や褪色を防ぐ効果を唱った商品が取り扱われているところ、これらの効果を表示するために、「防水」「撥水」「耐水」「耐光」などの語が使用されている実情が存するところである。
このことは、例えば、「カーワックス 固形・練り型が復活、防水や耐光、機能を向上」との見出しのもと「.........カーワックス大手の○○も『耐光UV』と『超防水』の二種類の固形・練りタイプの新商品を投入した。『耐光UV』は紫外線による色あせや変色を防ぐことに優れた商品。.........。『超防水』は...すべての雨や水、酸性雨をカット、塗装面への浸透を食い止める。...」との新聞記事(1994年4月2日付 日経流通新聞)の見出し部分における、これらの語の使用事例からも窺い知れるものである。
しかして、本願商標の構成は、前記したものであるところ、上下の文字が「耐光防水」、「TAIKOUBOUSUI」と、それぞれ一連に書されてはいても、これに接する取引者・需要者は、上段部の「耐光防水」の部分については、上記したような取引の実情に照らせば、この部分は「耐光」と「防水」の文字を結合してなるものと認識し、それぞれの語が使用されている意味合いから、これを全体的に把握し、ここから「紫外線等による色あせや変色を防ぎ、かつ、雨や水が塗装内面に浸透するのを防ぐ効果のある商品」であると理解するというのが相当である。
また、下段部の「TAIKOUBOUSUI」の文字については、上段部の文字をローマ字で表記したものと理解するに止まるものというべきである。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品中「つや出し剤」の範疇に含まれる「自動車用つや出し剤,フロアーポリッシュ,床用つや出し剤,その他のつや出し剤,自動車用コート剤,床用コート剤,その他のコート剤」との関係においては、商品の品質・効能を表示する標章であると認識されるというべきであり、また、指定商品中「靴クリーム,靴墨」に使用するときには、これらの商品にも、耐光性や防水性が求められることから、同様の認識がなされるものというべきである。
なお、請求人は審判請求書において、「本願商標の指定商品の取引分野においては、本願商標と同様、複数の漢字を熟語となした商標が使用される傾向にあり、需要者・取引者は、厳密な意味においては商標的な機能が多少弱い態様の商標であったとしても、そのような熟語・態様については自他商品を識別するための標識として十分に理解するに至っている。例えば、『速撥水...』、『激防水...』、『耐酸防水...』、『超光沢...』、『超防水...』、『新耐久...』といったような商標が本願商標の指定商品について使用されている。そして、これらの商標群は、他社の同種の商品と識別するための標識として機能しているのが現状である。」旨述べ、本願商標は商標法第3条第1項第3号には該当しないと主張している。
しかしながら、本願商標についての、需要者・取引者の認識・理解については、前記の認定のとおりであり、また、各社が採択している各表示について、これが需要者・取引者によって自他商品を識別するための標識として認識されているとの証左は示されてはおらず、当審が職権をもって調査するも、請求人主張の内容を裏付ける事実は見いだせない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとの原査定は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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