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Trademark Appeal Case

造語商標の識別力と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−91113(T2000−91113/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4401940号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4401940号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年8月10日に登録出願され、「STYLING GUM 」と「スタイリング ガム」の文字を二段に併記してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、同12年7月21日に設定登録されたものである。

2.(1)登録異議申立人「高野勝弘」(以下、「申立人A」という。)の異議理由

本件商標は、「様式、型」を意味する「スタイリング(STYLING)」の文字と、「ゴム(質)」を意味する「ガム(GUM)」の文字とを結合してなるものであり、かつ、「スタイリング(STYLING)」の語は、「ヘアスタイリングクリーム」「ヘアスタイリングジェル」、また、「ガム(GUM)」の語も「ヘアホールドガム」「ヘアガム」等として、それぞれ品質を表示するものとして普通に使用されているものである。

そうとすれば、本件商標をその指定商品について使用するときは、「ヘアスタイルの維持のために使用されるガム状の商品」を直感させるものであるから、上記文字に照応する商品について使用するときは、単にその商品の品質・形状等を表示するにすぎず、またこれを上記商品以外の商品について使用するときは商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

(2)登録異議申立人「ジョン・オー・バトラー・カンパニー」(以下、「申立人B」という。)の異議理由

昭和63年7月20日に登録出願され、「G・U・M・」の文字を横書きしてなり、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年1月31日に設定登録されている登録第2370753号商標、同じく、昭和63年2月3日に登録出願され、「G・U・M」の文字を横書きしてなり、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録されている登録第2234175号商標、同じく、昭和63年2月3日に登録出願され、「ガム」の文字を横書きしてなり、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年5月31日に設定登録されている登録第2234176号商標(以下これらを合せて、「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品「歯ブラシ・歯磨き・洗口液」等を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから、引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生じさせるおそれがある。

また、引用商標には多大の信用が蓄積されており、商標権者が引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用することは、引用商標に化体した業務上の信用へのフリーライドであり、その使用には不正の目的があるものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3.当審の判断

(イ)「申立人A」の異議理由について

申立人Aが提出した甲各号証をみるに、「STYLING GUM」及び「スタイリング ガム」の各文字が、化粧品に関し商品の品質・用途等を表示するものとして普通に使用されている事実はなく、本件商標は、全体として一連の造語を表した商標とみるのが相当である。

したがって、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、これをその指定商品中のいかなる商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。

(ロ)「申立人B」の異議理由について

本件商標は「STYLING GUM」と「スタイリング ガム」の文字を二段に併記した構成よりなるところ、「STYLING」「スタイリング」と「GUM」「ガム」の両文字は左右バランスよく表されており、これより生ずると認められる「スタイリングガム」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、例え構成中の「STYLING」「スタイリング」の文字が「スタイリングスプレー」「スタイリングフォーム」の如く、他の語と結合して「髪を整える」の意味合を形成する場合があるとしても、かかる構成においては商品の品質を表示した部分というより、造語の一部を形成している部分にすぎないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、全体として特定の観念を生じさせない造語を表したものであり、「スタイリングガム」の一連の称呼のみを生じさせる商標というのが相当である。

他方、引用商標は、「G・U・M・」「G・U・M」「ガム」の文字を表してなるものであるから、これよりはいずれも「ガム」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「スタイリングガム」の称呼と、引用商標より生ずる「ガム」の称呼とは、構成音数の差異により十分聴別し得るものである。

また、本件商標は、上記のとおり特定の観念を生じさせない造語を表したものと認められるものであるから、引用商標が如何なる観念を生じさせるものであっても、この点での両者は比較すべくもないところである。

さらに、両商標は、それぞれの構成よりみて外観上互いに区別し得る差異を有するものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

してみれば、引用商標が申立人の業務に係る商品「歯ブラシ・歯磨き・洗口液」等に使用されて取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるとしても、本件商標と引用商標とは、商標が著しく相違するものと認められるものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、取引者・需要者間にその商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといえる。

加えて、商標権者が本件商標を採択使用する行為に、不正の目的があったとは認め難い。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、結論のとおり決定する。

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