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Trademark Appeal Case

商標と商品の同一類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号判定2000−60049(T2000−60049/J6)
審判種別記載はありません。
結論other

結論テキスト

商品「運動具、これらの部品及び付属品」に使用する(イ)号標章は、登録第0770325号商標の商標権の効力の範囲に属しない。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第770325号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示す構成よりなり、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び付属品」を指定商品として、昭和40年3月15日に登録出願され、同43年2月8日に登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

2 イ号標章

被請求人が、その商品カタログ(請求人のいう「ボールゲーム」の用品の販売カタログ)(甲第1号証)使用するイ号標章は、別掲A表紙の「ペタンク」と「用品カタログ」とに2段に表示された文字中「ペタンク」の文字及び別掲B裏表紙のアクセサリー欄に掲載のカウンターとスコアブックに表示された「PETANQUE」と「Petanque」の文字である。

3 請求人の主張

請求人は、被請求人が商品「運動具、これらの部品及び付属品」に使用するイ号標章は、商標登録第770325号商標権の効力の範囲に属する、との判定を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)第1請求人である本商標権者が「ボールゲーム」について「ペタンク」なる名称を付して日本での普及を図ってきたものであり、前記ボールゲームに使用する用品について、甲第2号証の1及び2に示すように、レジスタマークを付けた「ペタンク」なる商標を付して独占的販売を行なってきた経緯を認識すべきである。

そして、第2請求人たる株式会社スポーツアンドレジャーは、甲第5号証に示すうように、「ボールゲーム」の用品のみの販売を目的として第1請求人等を主要株主として、平成元年に設立されると同時に、本件商標についての独占的通常使用権者の許諾を前記第1請求人より受けて、平成元年より前記「ボールゲーム」の用品の販売を行ない、且つ本件商標の顕著性の維持を努めてきたが、甲第1号証に示すように、平成7年より、被請求人が代表を務めるエフジエイピーサービスセンターが、商品カタログに「ペタンク」なる商標を付して販売し、この結果、第2請求人の販売に係る商品との間に出所混同が生じ、甲第6号証に示すように、平成7年より第2請求人「ボールゲーム」の売上高が半減したという事実があり、かかる事実をもってイ号標標と登録第770325号商標との判定請求の必要性があることは明瞭である。

(2)被請求人は平成7年1月頃より、「ペタンク」の標章が付された甲第1号証に示す商品カタログに基づいて、運動用具としてのボールの販売を行なっている事実があり、更に上記カタログの裏表紙に示す如く、上記「ボールゲーム」のアクセサリーの販売、特に「PETANQUE」なる標章を付したカウンター及びスコアブックの販売も併せて行なっている。

被請求人の商品カタログ(甲第1号証)の表紙に「ペタンク」の標章が商標的に付されている。そして、この「ペタンク」は本件商標と標章上同一であることは明瞭である。また、上記カタログの裏表紙のアクセサリー中に付した「PETANQUE」なる標章は「ペタンク」と共通の称呼を有し、本件商標と類似であることは明瞭である。前記イ号標章の使用商品たる「ボールゲーム」は運動具に属し、アクセサリーとして開示されているカウンター及びスコアブックは「ボールゲーム」の付属品であるから、運動具の付属品に属する。

これによりイ号標章の使用商品は本件商標の指定商品第24類「運動具、これらの付属品」と同一であることは明瞭である。

したがって、イ号標章は、本件商標と同一若しくは類似する商標であり、その使用商品も指定商品と同一であるからして、被請求人が使用するイ号標標は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。これに対し、第1請求人は前記したように、甲第3号証に示すように、昭和60年に大谷氏より「ペタンク」の商標権を買取り、商標権の移転手続を経て商標的使用についての独占権を確立して、「ペタンク」なる商標を付したボールゲーム用品の独占的使用を図り、その結果、平成元年までに前記ボールゲームに使用する用品について、「ペタンク」なる商標を付したものが、第1請求人の販売する商品を表示するものとして広く認識された事実がある。そして第1請求人は、前記認識に基づいて、甲第5号証に示すように、第2請求人たる株式会社スポーツアンドレジャーを、前記「ボールゲーム」の用品のみの販売を目的として設立し、と同時に、本件商標についての独占的通常使用権者の許諾を前記第2請求人に行なった。その後第2請求人は、甲第2号証の1及び2のカタログ及び甲第6号証の売り上げの推移に示すように、平成元年より前記「ボールゲーム」の用品の販売を行ない、本件商標の顕著性の維持を努めてきたが、平成7年より、被請求人が代表を務めるエフジェイピーサービスセンターが、前記商品カタログに「ペタンク」なる商標を付して販売し、この結果、第2請求人の販売に係る商品との間に出所混同が生じ、甲第6号証に示すように、平成7年より第2請求人の「ボールゲーム」の売上高が半減したという事実があることは前記したとおりである。

(3)かかる事実をもって、被請求人が商品「運動具、これらの部品及び付属品」に使用するイ号標標は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する、との判定を求める。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第21号証を提出した。

(1)世界的に著名なスポーツであるペタンク競技の普及を図ってきたのは、第1請求人ではなく、日本ペタンク協会である。ボールゲームに「ペタンク」なる名称を付したのは、第1請求人ではなく、元々「ペタンク」はフランスを発祥の地として世界的に周知著名なスポーツであり、そのペタンク競技の普及を前記協会が努めてきたのであり、第1請求人はその当時の代表者であり、その途中で本人以外の全理事の議決により解任されたのである。そして、「ペタンク」なる商標は、日本ペタンク協会に法人格がないために、便宜上当時の代表者であった第1請求人の名義で取得されたにすぎない。しかるに、被請求人であるエフジェイピーサービスセンターは、第1請求人である村瀬良臣の解任に伴なって、前記協会の事業の一貫として、ペタンク競技用の用具の輸入販売のために平成7年に設立されたものである。このような事情は、前記協会の理事長代行である山崎勝が協会各位に対して、平成4年4月3日付で行なった通告書(乙第3号証)からも明白であり、また、被請求人が前記協会の事業の一貫としてペタンク競技の用具の輸入販売を行なっていることは、甲第1号証表紙(第1頁)の左上欄、同第2頁左上欄および第4頁(最終頁)下から3〜1行目および下から第5行目の記載からも明らかである。

したがって、第1および第2請求人には、判定請求の必要性は全くないのである。

(2)そもそも「ペタンク(PETANQUE)」とは、フランスを発祥の地とする世界的に広く知られたボール競技であることは、日本ペタンク協会発行の「ペタンク競技の手引き」(1999年発行)(乙第4号証)、財団法人新潟県長寿社会振興財団発行の「ペタンクルールブック」(乙第5号証)、日本ペタンク協会発行の「1993世界最大のペタンクの祭展」(乙第6号証)および東京都教育庁体育部スポーツ振興課発行「ニュースポーツガイドブック」第3頁(乙第7号証)下から10行目の記載からも明らかである。また、財団法人日本レクリエーション協会発行の「スポーツ&レレクリェーシヨンは町作りの活性剤」と称するパンフレット(乙第8号証)の第15頁にも、同協会加盟種目団体のおすすめ第37種目として、ペタンクが記載されている。さらに、毎日新聞1991年9月20日号(乙第9号証)、同1991年9月21日号(乙第10号証)及び同1991年9月22日号(乙第11号証)にも、それぞれペタンクに関する記事が記載されているのである。また、財団法人レクリエーション協会主催のパンフレット(乙第12号証)によれば、平成8年9月29日(日)に松山市のサンパークで開催されている。さらに、山梨日日新聞社発行の「ザやまなし」別冊(1992年12月25日発行)の第9頁および第39頁(乙第13号証)には数多〈のスポーツ競技に混ってペタンク競技が行なわれたことが記載されている。また、第54回全国レクリエーション大会INぐんま実行委員会事務局発行のパンフレット(乙第14号)には、平成12年10月27〜29日に、前橋市において全国レクリエーション大会が開催されることになり、その種目別全国交流大会の中にペタンクが含まれているのである。また、第13回全国スポーツ・レクリエーション祭石川県実行委員会発行のパンフレット(乙第15号証)には、平成12年9月30日(土)〜10月1日(日)に石川県西部緑地公園においてスポーツ競技が行われる予定で、その中にペタンクが平成12年10月1日(日)松任総合運動公園多目的運動場で開催されることが予告されている。「悠々サロン」1995年10月号(郵便貯金振興会平成7年10月発行)第10頁(乙第16号証)に南仏生まれの楽しい球技と題してペタンクが紹介されている。また、「レクリエーション」2000年6月号(財団法人日本レクリエーシヨン協会平成12年6月1日発行)第9〜11頁(乙第17号証)には、ペタンクが種目別全国交流大会として平成12年10月29日に前橋市で行なわれることが記載されている。また、会誌「ペタンク」NO.13’95年春号(日本ペタンク協会1995年3月10日号)(乙第18号)、同NO.14’96春号(日本ペタンク協会1996年3月15日発行(乙第19号証)およびFJPニュース’97特別号(日本ペタンク協会1997年4月15日号)(乙第20号証)にもそれぞれ日本ペタンク協会がペタンク競技の普及に努めていることが記載されている。さらに、財団法人日本レクリエーション協会事業部サービスセンター発行の「レクリエーションカタログ」1999.4〜2000.3の第10頁(乙第21号証)にもペタンクが通常のスポーツであることが示されている。

以上述べたように、「ペタンク」は、ゴルフ、テニス、ボーリング、ゲートボール等と同様に極めてポピュラーなスポーツであることは明白である。(3)甲第1号証の表紙は、日本ペタンク協会公認FJPボールとして「ペタンク用品カタログ」すなわちPETANQUE EQUIPMENT CATALOG」として記載されているのである。すなわち、前記乙第1〜20号証等からも明らかなように極めてポピュラーなスポーツ(ボール競技)であるペタンクに用いる用品のカタログとして使用されているのである。すなわち、テニスやゴルフ等のごとき競技において、その用途を示すために単にテニスボールやゴルフボールとして使用するのと全く軌を一にするのであって、普通名称であるペタンクという競技に使用するために用具(例えばボール)についてその用途を示しているにすぎない。ちなみに、テニスやゴルフがサービスマークとして登録されていないと同様に「ペタンク」という競技について請求人はサービスマークの登録は行なっていないのである。

したがって、何人といえども自由に使用できる「ペタンク」という競技に使用するための用具の用途を示すにすぎない。

つぎに、アクセサリーについて述べると、例えばスコアブックの場合、そこには「PETANQUE SCORE BOOK」と記載されているのであり、これはとりもなおさず、ペタンク用のスコアブックの意味であって、用途を示すにすぎないのである。すなわち、「PETANQUE」の文字がなければ、唯の手帳と認識される可能性があり、何であるか、あるいは何のスコアブックであるかが記載され得ないのである。また、カウンターの場合も、そこには「PETANQUE MARCPOUR DU POCHU」と記載されているだけであり、これはとりもなおさずペタンク用カウンターを意味するものであり、「PETANQUE」の文字がなければ何であるかわからないのである。したがって、何人といえども自由に使用できる「ペタンク」という競技に使用するための用具を示すにすぎない。

(3)以上述べたように、被請求人の商品カタログに使用する「ペタンク」ないし「PETANQUE」の標章は、それぞれ単独に使用されているのではなく、「ペタンク用品カタログ」、「PETANQUE EQUIPMENT CATALOG」、「PETANQUE SCORE BOOK(ペタンク用スコアブック)」および「PETANQUE MARCPOUR DU POCHU(ペタンク用カウンター)」のように、何人といえども自由に使用できるスポーツの用具を示す方法で使用されているのである。

したがって、被請求人が商品「運動具、これらの商品及び附属品」に使用するイ号商標は、登録第770325号商標の商標権の効力に属しない。

4 当審の判断

(1)本件商標は、別掲に示すとおり、「ペタンク」の文字よりなるものである。

(2)請求人の提出に係る甲第1号証の商品カタログに使用しているイ号標章は、前記のとおりである。

(3)被請求人の提出した証拠には、「ペタンク」について要旨次のように記載されている。

イ. 乙第16号証「悠々サロン1995年10月号」(郵便振興会平成7年10月発行)

フランスを発祥の地とするボール競技であり、日本には1960年代に伝わり、今や競技人口は、ざっと30万人。生涯スポーツとして認められ始めてるそうだ。

ロ. 乙第4号証「ペタンク競技の手引き」1999年日本ペタンク協会発行

1910年南仏で生まれたボールスポーツで、発祥国フランスでは500万人がプレーを楽しみ、その内50万人がペタンクのライセンスを持ち様々な大会に参加していること、昭和61年第1回日本ペタンク選手権大会開催、平成3年フランスチャンピオン招請事業開始、平成7年第10回日本ペタンク選手権大会開催、平成8年第1回ペタンクジャパンオープン開催、平成9年には日本ペタンク協会加盟協会が100団体を越える、平成10年に(財)日本余暇文化振興協会及び(財)日本レクリエーション協会に加盟した。

ハ. 乙第7号証「ニュースポーツガイドブック」東京都教育庁体育部スポーツ振興課発行

東京都では、生涯スポーツの振興策として、ニュースポーツも奨励していて、都の区市町村(64地域)中、13地区でペタンクが普及している(平成4年現在)。

ニ. 乙第8号証「生涯スポーツのすすめ」財団法人日本レクリエーション協会発行

同協会加盟種目団体の37種目の生涯スポーツ中に「ウォーキング」、「クリケット」「ゲートボール」、「ダーツ」、「トランポリン」、「ビリヤード」、「フォークダンス」等と並んで「ペタンク」が掲載されている。

(4)上記(3)の事実及び乙第5号証ないし乙第21号証を総合すると、我が国において、「ペタンク」は、スポーツの名称、スポーツ競技名として知られ、その競技の国内大会、国内交流大会、国際大会及び国際交流大会が開かれていて、公的機関の広報誌及び新聞で報道されていることが確認できる。このことは,例えば、日本語大辞典(1989年12月22日、株式会社講談社発行)のペタンク[petanque]の項をみれば、「フランスで考案されたスポーツ。二組に分かれ、直径3cmぐらいの木球(ビュット)を6〜10mぐらい離れたところに置き、それを標的として金属球を投げて、近くに落ちた数をきそう。」と記載されており、同様な意味を現代用語の基礎知識1998(自由国民社発行)及び最新早引きカタカナ語辞典(〈株〉緒方出版、1996年7月30日発行)においても確認できる。

(5)そうとすれば、「ペタンク」、「PETANQUE」及び「petanque」の文字は、スポーツの普通名称を表すものと認められる。

(6)請求人は、甲第1号証を被請求人が販売している「ボールゲームの用品及びその付属品」のカタログとしているが、正確には甲第1号証のカタログは、表紙、2頁、3頁及び裏表紙からなり、その表紙に表された「ペタンク用品カタログ」及び「PETANQUE EQUIPMENT CATALOG」の文字のとおり、「ペタンク用品カタログ」であることが同カタログの記載内容からして明らかである。

(7)以上の事実に基づき、イ号標章をみると、「ペタンク」の文字は、「ペタンクというスポーツ用品のカタログ」を意味すると認められる「ペタンク用品カタログ」の文字を構成しているものであり、その構成全体で「ペタンクというスポーツ用品のカタログ」と観念されるものとみるのが相当である。

また、裏表紙に表示れた「カウンター」及び「スコアブック」にそれぞれ、「PETANQUE」及び「Petanque」の文字が表されていることが確認できるが、「カウンター」という商品は「お互いのスコアがすぐ分かるように得点がついているペタンクの用具」(ペタンク競技の手引き)(乙第4号証2頁)であり、「スコアブック」も「得点や競技経過を記録するノート」(大辞林)であることを考慮すれば、「カウンター」及び「スコアブック」に表された「PETANQUE」及び「Petanque」の文字は、ペタンク用品であることを示すものであって、商品の用途を表示したものと認識されるにすぎない。

そうすると、被請求人が、その商品カタログ(甲第1号証)に使用するイ号標章は、被請求人が自他商品の識別標識すなわち商標として使用しているものでなく、取引者、需要者に商標として認識されるものでもないと認められる。

(8)請求人は、「ボールゲーム」にレジスターマークを付した本件商標を付して独占的販売を行ってきた経緯があり、また、本件商標の顕著性の維持に努めた旨主張し、商品カタログ(甲第2号証−1及び2)を提出しているが、イ号標章については前記のとおり判断できるものであり、請求人主張の事実はその判断に影響を及ぼすものではない。

(9)前記商品カタログ(甲第1号証)に紹介されている「ペタンク競技用ボールセット、同ボール、同カウンター及び同スコアブック」は、いずれも「運動具、これらの部品及び付属品」に属する商品と認められる。

したがって、商品「運動具、これらの部品及び付属品」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものと判断する。

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