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Trademark Appeal Case

モノグラムの外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号判定2000−60073(T2000−60073/J6)
審判種別記載はありません。
結論other

結論テキスト

指定商品「時計」に使用するイ号標章は、登録第3332712号商標の商標権の効力の範囲に属する。

理由テキスト

1.本件商標

本件判定請求人(以下、「請求人」という)が所有する登録第3332712号商標(以下「本件商標」という。)は、下記(A)に示すとおりの構成よりなり、第14類「時計、身飾品(「カフスボタン」を除く)、カフスボタン、宝玉及びその模造品」を指定商品として、平成7年1月13日に登録出願、同9年7月18日にその設定登録がされているものである。

2.イ号標章

被請求人が商品「時計」に使用する商標として請求人が示す標章(以下、「イ号標章」という。)は、下記(B)に示すとおりの構成よりなるものである。

3.請求人の主張

(1)本件商標は、下記(A)(甲第1号証)に示すとおりの構成よりなり、腕時計の文字盤上の下部に描かれ、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものである(甲第6号証 本件使用商標第1ないし同第4)。

これに対して、イ号標章は腕時計の文字盤上の上部に描かれ、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものである(甲第6号証 イ号使用標章第1ないし同第4)。これらの商品の写真は、実物大の約1.7倍ないし2倍に拡大したものであり、本件使用商標時計とイ号使用標章時計の大きさはほぼ同一である。甲第5号証のカタログからも明らかなように本件使用商標の実物大における商標の表示は、文字盤上の少ないスペースに小さな文字・図形等によってなされているのが実情である。本件商標とイ号標章とは、全体の形態がほぼ同じような格好に描かれ外観上酷似した類似の商標である。

(2)判定請求の必要性

イ 請求人は、本件請求にかかる登録第3332712号商標の商標権者である(甲第1号証 原簿・商標公報)。

ロ 本件商標を付した商品「腕時計」は、機能的及びデザイン的にも優れているところから、若い女性層の間では「ルキア」と呼び親しまれている人気商品であり、売れ筋ナンバーワンの商品でもある。請求人は、本件商標を付した腕時計を日本国内はもとより香港においても平成10年9月頃より販売を開始し、現在に至っている。香港において、該商品「腕時計」を販売している取扱店は甲第3号証に示すとおりである。本件商標は、請求人が製造・販売する商品「腕時計」に使用した結果、日本国内はもとより香港においても、請求人の業務に係る商品「腕時計」を表示したものとして、需要者の間に広く知られるに至っているのである。

ハ 請求人は、本件商標を香港において出願中である(甲第2号証 社内管理)。

二 被請求人は、香港において商品「腕時計」及び「時計ケース」(甲第6号証 イ号使用標章第1ないし同第4・イ号使用標章時計ケース)にイ号標章を付して販売を行っている(甲第4号証 INVOICE)。

ホ 被請求人が販売している商品「腕時計」に用いているタグ(甲第6号証 イ号使用標章ラベル)の日本文字による表記からは容易に日本向け商品であることが想起し得るものである。

ヘ 今後、被請求人によりイ号標章を付した商品「腕時計」が日本国内に輸入される可能性が非常に高いので、侵害品の輪入差止を行うに当たり、税関から厳正中立的な立場からの判定を求められており、侵害品の輸入を差し止める場合における申立書へ添付する資料として緊急性を要する状況にある。

(3)イ号標章の説明

イ 被請求人は、平成11年9月現在イ号標章を付した商品「腕時計」を香港において販売を行っている(甲第4号証 INVOICE)。イ号標章は、本件商標を模倣したものであって、斯かる類似標章の存在が培われて来た本件商標の信用度を利用して之を不当に侵害せんとするものであることは明らかである。

ロ (2)二、ホ、へよりみれば、被請求人による日本国内への輸入行為のおそれはある。

ハ 請求人は、平成7年9月頃より、商品「腕時計」について本件商標の使用を開始し、その後も継続使用し、現在に至っている。同商品の販売地域は日本国内はもとより、海外でも販売を行っている。本件商標は、請求人がテレビ・新聞・雑誌等に宣伝・広告した結果、遅くとも被請求人が商品「腕時計」にイ号標章を使用する頃には、既に請求人の業務にかかる商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至ったものである。

(4)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明

イ 本件商標とイ号標章の構成

本件商標は、下記(1)に表示した構成よりなり、該構成はローマ文字「L」と「K」のモノグラム図形である。イ号標章は、ローマ文字「I」と「K」よりなるものである。

ロ 本件商標とイ号標章との類否についてみるに、まず、指定商品についてみると、商品「腕時計」である。甲第5号証の本件使用商標時計の実物大(カタログ)からも明らかなように、「腕時計」などにおける商標の表示は、文字盤上の少ないスペースに小さな文字及び図形等によってなされているのが実情である。つぎに、本件商標とイ号標章を比較するに、両者の構成は前記した如く、底辺部に多少の差異はあるとしても、いずれも同程度の太線、角度をもって直線的に描かれているものであり、「K」との調和が酷似するものである。ところで、請求人が製造・販売する商品「腕時計」に使用している商標のローマ文字は「L」と「K」を底辺部で結合したものであり、「ルキア」の時計のマークとして需要者の間においては広く知られるに至っている本件商標に近似させる目的をもってイ号標章の採択を否定することはできない。してみると、本件商標とイ号標章はともにローマ文字の直線を基本としたものであり、底辺部の点が異なるとしても、各対応する文字の書体が酷似し、全体から受ける印象は相似たものとなり、「LK」に似せて描かれた形状が殆ど同一であることにより、対比観察することはもとより離隔観察する場合にも外観において互いに紛れるおそれがある。

してみれば、全体としてみた場合は、これらの差異は部分的なものと言えるものであって、共通の構成に僅かに変化を与えた程度のものと見るのが自然であり、実際の商取引上では、この差異は比較的看過されやすい。

したがって、本件商標とイ号標章とは、外観において紛れるおそのある類似の標章である。

以上のとおり、イ号標章は本件商標と類似する標章であり、その使用商品と指定商品も類似する商品であるから、被請求人が商品「腕時計」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

4.当審の判断

まず、本件商標とイ号標章との外観上の類否を判断するに、本件商標は、下記(A)に表示したとおり、欧文字の「L」字状の下線部に「K」の文字を乗せた如きモノグラム図形よりなるものである。

他方、イ号標章は、下記(B)に表示したとおり、欧文字の「I」と「K」の文字を並列に並べた如きモノグラム図形よりなるなるものである。そして、本件商標とイ号標章とは、構成中の左側のモノグラム図形部分が、前者は「L」状であり、後者は「I」状とそれぞれ相違するものであるが、前者の「L」状の横線部分は縦線に比べて短く、かつ、両者は同じ程度の間隔を置いてその右側にほぼ同一に近い「K」の文字状のモノグラム図形を描いてなるものであるから、構成の軌を一にするものと認められるものである。

したがって、本件商標とイ号標章とは、これを時と処を異にして観た場合、外観上相紛れるおそれがある類似の商標と認められ、かつ、イ号標章を使用する「時計」は本件商標の指定商品中に包含されているものである。

してみれば、商品「時計」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力(禁止権)の範囲に属するものと認められる。

よって、結論のとおり判定する。

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