結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31222号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3090033号商標(以下、「本件商標」という。)は、「MOBILE」の欧文字と「モビーレ」の片仮名文字を上下二段に横書きした構成よりなり、第25類「洋服,ワイシャツ類,下着」を指定商品として平成4年10月8日に登録出願、同7年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、請求人の調査では、被請求人は、いずれの指定商品についても、過去3年以上にわたって、我国において本件商標を使用していないから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきであると述べている。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由として、被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品について使用している旨述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第13号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標の通常使用権者である大阪市中央区博労町3丁目6番15号のカネタ株式会社(以下、「通常使用権者」という。)により、商品「ワイシャツ」について使用されている。
よって、本件商標登録は、商標法第50条第1項の規定に該当せず、本件審判請求は認められるべきでない。
(2)本件商標の使用
通常使用権者がその業務にかかる商品「ワイシャツ」について使用している商標は欧文字「MOBILE」をやや図案化してなる標章であるが、その図案化の度合いは登録された文字商標を実際に商品について使用する際によく適用される程度のことであり、取引者、需要者は使用されている商標を「MOBILE」商標であると認識する(乙第4号証ないし同第7号証及び同第9号証)。
本件商標は、その構成前記のとおり「MOBILE」欧文字と「モビーレ」カタカナ文字との上下2段横書きの構成であるが、使用されている商標も欧文字「MOBILE」から成り、本件商標の欧文字の部分「MOBILE」と使用されている「MOBILE」商標とは、欧文字の綴り、配列を同じくし、本件商標と使用されている商標とは、取引者・需要者に訴える観念を共通にし、本件商標と使用されている商標の間には社会通念からみて同一性が認められる(乙第3号証)。
(3)指定商品「ワイシャツ」についての使用
通常使用権者はその業務にかかる商品「ワイシャツ」を販売するに際し商品に付す帯紙ネームあるいは襟首シールに「MOBILE」商標を明確に表している。その使用態様を示すため、商品「ワイシャツ」に「MOBILE」商標が表れている帯紙ネームあるいは襟首シールが付されていることを示す商品写真を乙第4号証及び同第5号証として提出する。
また、通常使用権者が開催する百貨店、専門店等向け展示会において当該商品「ワイシャツ」の宣伝、広告のためのディスプレイにおいて、「MOBILE」商標は明瞭に表され、商品「ワイシャツ」との関係で使用されている。これを示すため、当該商品コーナーのディスプレイの状態を被写体とする写真を乙第6号証及び同第7号証として提出する。
乙第6号証が示す商品コーナーが設けられた展示会はクラボウ本社2階で1998年9月16日、17日、通常使用権者の本社別館で同年9月16日から18日まで開催されている。
また、乙第7号証が示す当該商品コーナーが設けられた展示会は1998年10月15日、16日、通常使用権者の東京支社6階のショールームで開催されている。これらの展示会が当該月日に当該場所を会場として開催されたことを裏付ける目的で、これらの展示会案内書写を乙第8号証として提出する。
商品に付されている帯紙ネーム、襟首シールあるいは広告板に表される「MOBILE」商標の右端下には、この商標が登録商標であることを示す丸アールの記号が常に記されている。
乙第5号証の商品写真(2)が示す商品「ワイシャツ」に付されている帯紙ネームの実物を乙第9号証として提出する。
さらに、これら商品写真あるいはディスプレイ写真に写っている商品「ワイシャツ」と同じあるいは同種の商品「ワイシャツ」が通常使用権者から衣類等の販売専門店に販売されていることを出荷実績表である乙第11号証及び納品伝票、運送会社伝票等を乙第12号証として提出し、これを立証する。
乙第5号証の被写体である商品「ワイシャツ」と同種の商品「ワイシャツ」の広告が掲載されている通信販売業者による商品カタログ「月刊 共済ニュース 7月号(1999年 462号 平成11年6月25日発行)」を乙第13号証として提出する。当該被写体商品あるいはそれと同種の商品が通常使用権者により製造され、販売されていることをこの証拠方法は示す。当該広告に掲載の商品が購入者に発送されるときには、乙第5号証が示す「MOBILE」商標が表される帯紙ネームあるいは襟首シールが付されている。
(4)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本において本件請求にかかる指定商品中「ワイシヤツ」について使用されている。
(1)本件商標の構成は前記したとおり「MOBILE」の欧文字と「モビーレ」の片仮名文字とを上下二段に横書きした構成よりなるところ、該欧文字部分のみを捉えれば、これよりは「モビール」、「モービル」或いは「モバイル」と読まれ、「移動性の、動きのある」の意味合いを有する英語として理解されるものであって、さらに、最近では、「モバイル(mobile)」と称してPDA(電子手帳)、コンピュータ、携帯電話など、小型で持ち運べる情報機器の利用形態、或いはその機器そのものを指称する語(現代用語の基礎知識2000年版より)として世上よく知られるものである。
(2)しかしながら、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生じる称呼がその商標より生じる称呼とみるのが相当である。
そうすると、本件商標のかかる構成にあっては、上述した「移動性の、動きのある」の意味合いを有する英語としての「モビール」、「モービル」又は「モバイル」の読み方と異なる「モビーレ」の読みをもって取引に資されることを意図し採択されたものとみることができるものであり、そして、該仮名文字は称呼を特定すべき役割のほか、「モビーレ」文字部分のみを捉えれば、上述意味合い及び該欧文字綴りを直ちに連想、認識し難いものであるから、該「モビーレ」の文字自体も独立して自他商品の識別標識としての機能を有するというべきである。
したがって、本件商標にあっては、常に同一の称呼及び観念を生ずるといえないところの欧文字と片仮名文字とが結合された構成をもって一商標として登録されたものであるから、その使用に際しては両文字が一体として、その指定商品に使用されなければ商標法50条による商標登録の取り消しを免れないものといわなければならない。
(3)そこで、被請求人提出の証拠(乙各号証)において、本件請求にかかる指定商品中「ワイシヤツ」について使用されている商標(以下、「本件使用商標」という。)の使用が本件商標の使用といえるかどうかについて判断するに、通常使用権者が商品ワイシャツについて使用しているとする構成態様は「MOBILE」(「O」の文字は図案化されている。以下、本件使用商標については同じ。)の欧文字とその下段に「モバイルシャツ」との使用(乙第4号証)、「MOBILE」文字と丸アール記号を介して「SHIRTS」の欧文字を横に列ね、その下段に「モバイルシャツ」片仮名文字とを上下二段に横書きした使用(乙第5号証及びその帯紙乙第9号証)、そして、これらワイシャツについての展示ディスプレイとするところにおいて「MOBILE」文字或いは「モバイルシャツ」の使用(乙第6号証の1及び2、乙第7号証の1及び2、乙第8号証の2、乙第13号証)が認められるとしても、本件使用商標を構成する上述使用態様と本件商標は片仮名文字部分の使用が意図されていないという点で明かな差異を有し、両者の構成態様は著しく異なるものといわざるを得ないから、本件使用商標は、本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標といえないほか、社会通念上同一の商標ともいうことはできない。
(4)そうすると、上記各商標の使用をもって本件商標の使用とすることができないから、これらの証拠によっては、本件商標がその指定商品について使用されていたものとは認められない。
その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)により指定商品について使用されていたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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