Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第13648号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「COOL&COMFORT」の欧文字を横書きしてなり、第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品」を指定商品として、平成7年12月1日に登録出願されたものである。
2.原査定の理由
原査定は、「本願商標は、特に衣料用の素材においては着用時に快適性を有するいわゆる高機能の織物、布地が開発されているところ、涼しくて快適な商品であることを認識させるにすぎない『COOL&COMFORT』の欧文字を横書きしてなるから、これを本願の指定商品について使用しても、単に商品の品質、効能を強調したにとどまるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定し、本願を拒絶した。
3.当審の判断
(1)株式会社繊研新聞社(東京都中央区在)が発行する「繊研新聞」に、「クール」及び「コンフォート」の語を用いた記事が、例えば次のように掲載されている。
ア.「クール」の語を用いた記事
▲1▼ 1999年1月4日付けの「【新年号 99年春夏の売れそうアイテム】 フロアレングススカート−1」をタイトルとする記事中に、「白がクールでかっこいい(中略)今年は甘くてべたっとした感じではなく、すかっとしてクールなかっこよさが求められています。そんな傾向にぴったりの白です。」との記載。
▲2▼ 1998年5月9日付けの「98〜99年秋冬レディストレンドチェック グレーが圧倒、赤もきらり」をタイトルとする記事中に、「あったか生地も売れそうだ。(中略)ファーへの注目度も高い。(中略)これらのあったか生地は、どれもシックにクールにデザインしてあるのが特徴。トレンドテーマのひとつ、『クール・アンド・ウオーム』がうけているのでも分かる。」との記載。
▲3▼ 1998年4月10日付けの「<98年秋冬東京コレクション速報> グレーさまざま」をタイトルとする記事中に、「とくに目立つのは、モヘアや縮じゆうウールなど暖かな生地にラメやビーズなどの冷たい輝きの素材を組み合わせた『クール・アンド・ウオーム』のテクニック。」との記載。
▲4▼ 1998年2月25日付けの「98年秋冬ロンドンコレクション シャープな仕立て増える」をタイトルとする記事中に、「ボーイッシュなウール地とビースの刺しゅうをのせた透ける素材を組み合わせて見せるクールなカジュアルウェアをデザインした。(中略)ファートリミングのベストやふわふわモヘアのラツピングドレスまで、すべてクールなグレーが基調。」との記載。
▲5▼ 1997年9月19日付けの「レナウン 機能と快適さテーマ、98年春夏メンズスポーツ」をタイトルとする記事中に、「『素材の持つ機能や特性から生み出される快適さ』を切り口に、クール、ドライ、ライト、ソフト、ストレッチなどの素材感を各ブランドで取り入れる。」との記載。
イ.「コンフォート」の語を用いた記事
▲1▼ 1999年4月13日付けの「瀧定の来春夏向け紳士服地 4テーマで快適表現、心地良さなど提案」をタイトルとする記事中に、「瀧定名古屋店紳士服地部門は、シンプルでコンフォータブルな志向の高まりに向けて、二〇〇〇年春夏物は四つのテーマで『コンフォート』を提案、心地良さと高度な満足感を表現する。」と
の記載。
▲2▼ 1999年1月29日付けの「【メンズリポート・トピックス】98年12月18日〜99年1月22日」をタイトルとする記事中に、「99〜2000年秋冬ミラノメンズコレ コンフォートでふわっとした素材 99〜2000年秋冬のミラノメンズコレクションは、ナチュラル、コンフォート(着心地の良さ)、ラグジュアリーといった前シーズンの流れを引き継いだ形で立ち上がった。」との記載。
▲3▼ 1999年1月22日付けの「テキスポ・ナゴヤ・コンベンション 99年秋冬は新バランス、より薄く・軽さ提案」をタイトルとする記事中に、「二月五日、名古屋の国際デザインセンター(ナディアパーク)で一千点の生地を紹介する。全体の傾向は『より軽く、薄く、コンフォータブル』。(中略)次の三つのテーマで全体を区分けしている。(1)『ファンクション』(機能性や保護感)(略)(2)『コンフォート』(心地良さやリラックス)(略)
(3)『トラディション』(伝統的、クラシック素材)(略)。」との記載。
▲4▼ 1998年1月17日付けの「98〜99年秋冬ミラノ・メンズコレクション 縮絨タッチの杢グレー広がる」をタイトルとする記事中に、「メルトンやフランネル、フェルトといったあったか素材でも決して重厚ではなく「薄く軽い」のが今シーズンのポイントだ。その背景にはコンフォート(着心地の良さ)というキーワードがある。」との記載。
▲5▼ 1997年9月5日付けの「IWS来秋冬ウールニットヤーン展 自由な組み合わせ提案、着心地の良さを重視」をタイトルとする記事中に、「『九八〜九九年秋冬ウールニットヤーン展』では『究極の着心地よさ(コンフォート)』を基本にして、ファッション性と扱いやすい機能を持ったメリノエクストラファイン、ウール・プラス・オペロン、マシンウオッシャブルなど、ニットウエアのサブブランド素材を中心に紹介する。」との記載。
(2)これらの記載よりすれば、織物等本願指定商品や被服を取り扱う業界において、「クール」の文字は、商品が涼しいもの、クールなものであることを表すものとして、また、「コンフォート」の文字は、商品が心地よい、着心地よいものであることをそれぞれ表すものとして使用されているものであって、かつ、いずれの語も、需要者に同様の意味を表す商品の品質を表示するものとして理解されているものと判断するのが相当である。
(3)そして、上述の「繊研新聞」に、織物等の商品の品質、機能を表示するものと認められる二語を「アンド」又は「&」を介して、「○○○アンド○○○」又は「○○○&○○○」のように表した記事が、例えば次のように掲載されている。
▲1▼ 1998年4月28日付けの「フェルトが増える ふわふわ、もこもこのあったか生地」をタイトルとする記事中に、「パリ、ミラノメンズコレクションのトレンドの一つとして注目される『ライト・アンド・コンフォート』。」との記載。
▲2▼ 1998年4月6日付けの「98〜99年秋冬コレクション クール&ウォーム」をタイトルとする記事中に、「バルマンの肉厚ツイードスーツはスパンコールやラメ糸でクールな光りをのせている。いずれもあったか生地をすっきりとシックに収めたクール・アンド・ウオームな仕上がりだ。」との記載。
▲3▼ 1998年4月1日付けの「東レ、帝人 99年春夏総合素材展を展開、合繊独自の機能性を提案」をタイトルとする記事中に、「両者が展開する『T−40コーナー』は『ナチュラル&コンフォート』がテーマ。」との記載。
▲4▼ 1998年2月12日付けの「ミズノのゴルフウエア『グランドモナーク』 新機能素材拡充、防寒を中心に」をタイトルとする記事中に、「(1)軽量性・吸水・撥水(はっすい)・保温機能の綿素材『ライト・アンド・ウォーム』のシャツ」との記載。
▲5▼ 1997年8月7日付けの「東レの糸・テキスタイル輸出 4〜6月は10%増、南通からは3倍に」をタイトルとする記事中に、「ミフティは商品に『クール・アンド・ドライ』の説明タグをつけ、特殊素材を訴えながら販売しているが、今後はブラウスのほかにランジェリーやアウター全般に用途を広げ、大型素材に育てていく。」との記載。
▲6▼ 1997年5月19日付けの「東邦レーヨンの来春夏ニット 4ブランド重点に明るい色で内容一新」をタイトルとする記事中に、「東邦レーヨンは九八年春夏ニット素材提案で、『フィット・アンド・ドライ』をテーマに四つの重点ブランドを打ち出した。」との記載。
(4)上記(3)の記載よりすれば、織物等本願指定商品や被服を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものと認められる二語を「アンド」又は「&」を介して「○○○アンド○○○」又は「○○○&○○○」と表わした文字は、商品が有する二つの特徴的な品質、機能を表示するものとして使用されているものであって、かつ、
需要者にも同様の意味を表示したものと理解されていると判断するのが相当である。
(5)そして、本願商標は、「COOL&COMFORT」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるものであり、本願の指定商品を取り扱う業界及び我が国の一般における英語の普及程度よりすれば、これに接する取引者、需要者は、「COOL &COMFORT」の文字を「クール&(アンド)コンフォート」の文字と同義のものと容易に理解するものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、上述の事情よりして、「COOL&COMFORT」の文字を、その商品が「クールで着心地よいもの」であるという商品の品質を表示したものと認識するにすぎないものと言うべきである。
なお、請求人は、過去の審査例、審決例をあげて、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を有している旨主張し、甲第1号証乃至甲第52号証を提出しているが、自他商品の識別標識としての機能の有無は、判断時の社会通念に応じて判断されるべきものであり、また、提出された事例は本件と事案を異にするものであるから、この主張は採用できない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
したがって、この判断と同様の趣旨で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であってこれを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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