Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第20753号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙(1)に示すとおり、「DocuPrint」の欧文字を書してなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」を指定商品として、平成6年7月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2721092号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙(2)に示すとおり、「DOCPrint」の欧文字を横書きしてなり、平成3年4月26日登録出願、第11類(平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令第1条所定の「商品の区分」)「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、同9年4月25日に設定の登録がされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙(1)に示すとおり、「DocuPrint」の欧文字よりなるところ、書された文字の全体からは、何ら特定の意味合いを看取せしめない一種の造語と認め得るものである。そして、構成中、前半の「Docu」の文字部分は、一般に親しまれている英語の「Document」等の読み方に倣って、「ドキュ」と読まれ、また、後半の「Print」の文字部分は、容易に「プリント」と読まれるものといえるから、本願商標は、全体として「ドキュプリント」と読まれ、その一連の称呼をもって取引に資されるものとみるのが自然である。
これに対して、引用商標は、その構成別紙(2)に示すとおり、「DOCPrint」の欧文字よりなるところ、書された文字の全体からは、何ら特定の意味合いを看取せしめない一種の造語と認め得るものである。そして、構成中、後半の「Print」の文字部分は、「プリント」と読まれる平易な英語といえる一方、これを除く前半の「DOC」の欧文字部分は、英語の「Doctor」、「Doctrine」がそれぞれ「ドクター」、「ドクトリン」と読まれる例に倣って、「ドク」と読まれ、同時に、全体として「ドクプリント」の一連の称呼をもって取引に資されるものとみるのが自然である。
そこで、本願商標より生ずる「ドキュプリント」の称呼と引用商標より生ずる「ドクプリント」の称呼とを比較するに、両称呼は共に全6音構成よりなり、2音目の「キュ」と「ク」の音を異にするほか、他の音を悉く同じくするものである。
そして、差異音は、前者の音「キュ」(kju)が後舌面を軟口蓋に接し、呼気を破裂させて発する無声子音「k」及び拗音「ju」(半母音「j]と母音「u」との結合音)とを結合して一音節として発する音であるのに対し、後者の音「ク」は、前者と同じ無声子音「k」及び母音「u」とを結合して一音節として発せられる音であって、両者の音は、子音「k」及び母音「u」を共通にし、かつ、半母音「j」もそれ自体の音の響きが弱く、いずれの場合も後続の母音「u」に吸収され易い音といえるから、これら音の性質及び調音方法よりして、差異音は、それ自体、極めて近似する音として聴取されるといえるものである。
加えて、差異音は、全体の称呼を識別する上で常に明瞭に聴取されるとは限らない中間(2音目)に位置するものと認められる。
そうすると、前記音の差異をもって両称呼を常に明瞭に聴別し得る程度の差異とみるのは困難であり、したがって、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、全体の語感、音調が極めて近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれのあるものといわなければならない。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼において互いに紛らわしいものといわなければならない。
請求人(商標登録出願人)は、本願商標、引用商標共に、構成中の「Print」の文字部分が商品の用途、機能等を表示すぎず、識別力を有しない部分であるから、その要部はいずれの場合も「Docu」、「DOC」にあり、それぞれより生ずる「ドキュ」、「ドック」の称呼において両者は類似しない旨主張しているが、たとえ、「Print」の文字部分が指定商品中の特定の商品について商品識別の機能を有しない場合があるとしても、それをもって直ちに両商標が「ドキュ」又は「ドック」とのみ称呼されるとみるのは些か早計であって、前記認定の一連の称呼までも否定するのは適切でなく、また、本件の場合は、むしろ、全体として生ずる「ドキュプリント、「ドクプリント」を自然的称呼とすべきものであること前記認定のとおりであるから、この点について述べる請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。その他、請求人の主張を認めるに足りる証左は見出せない。
また、両商標の構成は、一方が「DocuPrint」、他方が「DOCPrint」とするものであって、異なるところは僅かに「u」の一字に止まり、全9字中の8字を共通にするから、両者は外観印象においても極めて近似した印象を与えるものであり、また、両商標は、共に造語とみられること前記のとおりであるから、両者を観念において区別し得るとする事由は見出せない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念の各点を総合判断するに、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に内包されるものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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