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結論

敗訴(請求棄却)

商標「名古屋コーチンを使用した鶏肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」の普通名称と付記の識別力(第3条第1項第6号|審判平成11年審判第35417号)

審判番号
平成11年審判第35417号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「名古屋コーチンを使用した鶏肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」
争点(論点)
普通名称と付記の識別力
適用条文
第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
第29類
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成11年審判第35417号・不服)は、本件商標「名古屋コーチンを使用した鶏肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」について、商標法第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「普通名称と付記の識別力」です。指定商品・役務は第29類に属します。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4119943号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年2月12日に登録出願され、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第29類「名古屋コーチンを使用した鶏肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」を指定商品として、平成10年3月6日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「登録第4119943号商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出している。

(1)本件商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができず、自他商品識別力を有しないから、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものである。

(2)本件商標は、「純系名古屋コーチン」の文字を有するが、該文字は、「鶏の一品種。コーチン種と在来種の地鶏との雑種を名古屋地方で改良したもの。現在は名古屋種として固定。体丸く羽は褐色。卵肉兼用」と記載されている(甲第3号証)ように、普通名称である。また、「純系」も「全ての遺伝子についてホモである個体から自家受精で生じ同じ遺伝子型を持ち続ける個体群。」と記載されており、純粋種を意味する用語である。

(3)本件商標は、その全体の大半を占める2羽の名古屋コーチンの写真又は写実絵が直ちに認識され、それに目がいく。これをもって本件商標が認識されるのであり、「ナンショク」の文字は極めて小さく、細く且つ目のいきにくい位置であり、これらの絵は、単に一般的な名古屋コーチンを認識させるにすぎない。

また、本件商標には、小さく「ナンショク」と片仮名での付記表示が存在する。この付記表示は、「純系名古屋コーチン」の文字列に比較して、極めて小さく、かつ細いもので、需要者が直ちにそれを認識ないし判読できるものではない。

すなわち、本件商標は、その全体の大半を占める「純系名古屋コーチン」及び2羽の「名古屋コーチンの写真又は写実絵」が直ちに認識され、それに目がいく。これをもって本件商標が認識されるのであり、極めて小さく、細く、かつ目のいきにくい位置(「純系名古屋コーチン」の末尾の2羽の写真又は写実絵との間の部分)に意図的に隠されたように含まされた「ナンショク」なる付記は、商標の要部を構成しないことはもちろん、需要者に認識され難いものであるから、これをもって自他商品識別力を有するとは到底いえない。商標の拡大鏡でみて初めて認識できるにすぎないような微少な付記的部分は、商標において識別力を発揮しうる部分とは到底いえない。

3 被請求人の答弁

被請求人は「結論同旨の審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べている。

(1)本件商標の指定商品は、「名古屋コーチンを使用した鶏肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」であるから、「名古屋コーチン」が普通名称であることは、本件商標が自ら証明しているから、名古屋コーチンの名称の使用に制約を受けることはない。

(2)請求人は、その請求理由の中で「ナンショク」の文字について「拡大鏡で見て初めて認識できるに過ぎないような微少な付記部分」と表現した上で、その小ささを理由として識別力を発揮し得ないと主張するが、それが誇大表現にすぎないことは、特許庁、電子情報図書館の資料から明らかであり、「ナンショク」の文字が肉眼で判読できないのであれば「商標・書誌表示」画面中の「商標(検索用)」欄にデータ入力されるはずがない。さらに商標法第3条第1項第6号は、「小さな字は、識別力を有しない」という規定はない。逆に、「商標の構成部分中識別力のある部分が識別力のない部分に比較して著しく小さく表示された場合であっても、識別力のある部分から称呼又は観念を生ずるものとする。」とあることから、商標の識別力は、字の大小に影響されるものではないことは明かである。

また、本件商標が「名古屋コーチンを使用した食肉、名古屋コーチンを使用した鶏肉製品」を指定商品としていることから、「名古屋コーチン」の語に独占排他権を生じさせる意図が全くないことは明白である。

4 当審の判断

本件商標は、別掲のとおり「純系」「名古屋コーチン」「ナンショク」の各文字と鶏の図形の組合せよりなるところ、「純系」の語は、「全ての遺伝子についてホモである個体から自家受精で生じ同じ遺伝子型を持ち続ける個体群。」を意味し、また「名古屋コーチン」は「鶏の一種」(「広辞苑」)を表すものとして、一般に理解、認識されている語である。

そうとすれば、本件商標中、自他商品の識別機能を有する部分は、構成中鶏の図形の下に表されている片仮名文字の「ナンショク」にあるものとみるのが相当である。

ところで、本件商標中の「ナンショク」の語は、二羽の鶏の図形の下にやや小さめに表されているものの、需要者には十分「ナンショク」と判読し得るものである。

してみれば、本件商標は、自他商品の識別力を有し、何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものとはいい得ないものである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものではないから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効にすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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