Trademark Appeal Case
商品役務の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第310号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「サラダ館」の文字を横書きしてなり、第37類「建築一式工事,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守」を指定役務として、平成4年9月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『サラダ館』の文字よりなるものであるところ、これは『株式会社シャディ』(大阪府松原市阿保町442番地の1)が、商品のカタログ販売を表すものとして使用し、一般に広く認識されている『サラダ館』の標章と類似するものであるから、これをその指定役務について使用をするときは、あたかも前記会社の業務に係る役務であるかのように役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張の主旨
本願商標は、第37類「建築一式工事,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守」を指定役務としているのに対し、引用商標権者「株式会社シャディ」は、その標章を使用しているのは、「商品」に使用しているものであり、「役務」には使用していない。
商標法第2条4項において、「商品に類似するものの範囲には役務が含まれることがあるものとし、役務に類似するものの範囲には商品が含まれることがあるものとする。」と定めているので、商品と役務は、相互に類似する場合があることになっている。
しかしながら、商品と役務との類似については、商品と役務の類似に関する判例等もないことから、(イ)役務の提供と承認の製造、販売が同一の業者によって行われるのが一般的であるかどうか、(ロ)役務と商品の用途が一致するかどうか、(ハ)役務の提供の場所と商品の販売が一致するかどうか、(ニ)需要者の範囲が一致するかどうか、を基本的な指針として個別に厳格に取り扱うべきものであり、まして取引の実情を把握し、取り扱わなければならない本件商標の場合、その役務を業界において「株式会社シャディ」の商品の品質、原材料を表示するものとして取引上普通に使用されているものとして認められないから、軽々しく商標法第4条第1項第15号で拒絶すべきでないと判断すべきである。
そして、商標登録を受けるには、自己の業務に係る商品やサービスについて商標を使用していること、又は、使用する蓋然性があることを要するものである(商標法第3条第1項柱書)。この商標を使用する蓋然性を判断するため、昭和51年1月1日の登録出願のものより、願書に出願人の業務を記載しなければならないことになっており、その記載すべき業務の表示は、日本産業分類の細分類に相当している。そして、平成4年4月1日サービスマーク制度施行後の出願は、当然、従来行われてきた商品に係る自己の業務のほか、役務を指定する場合は、役務に係る自己の業務を記載しなければならないと規定されている。
したがって、願書記載の「区分(類)」、「指定商品(指定役務)」および「業務」の三項目は常に相互に関連ある表示として留意しなければならない。
このようなことから役務を指定する場合、役務に係る自己の業務記載を考慮すると、商標法第4条第1項第15号に該当するという判断も常に、願書記載の「区分(類)」、「指定商品(指定役務)」および「業務」の三項目を留意・判断しなければならない。
以上の点を本件に該当してみるに、「株式会社シャディ」が第37類「建築一式工事,暖冷房装置の修理又は保守,ボイラーの修理又は保守」を指定役務としている業務を行っているとは到底認められない。
本件の場合、「株式会社シャディ」がカタログ販売している商品には、建築材料、暖冷房装置やボイラーの商品が含まれていないことから、この商標登録出願が、「株式会社シャディ」の商品と、混同を生ずるおそれがあるとは考えられないので商標法第4条第1項第15号に該当しないと判断すべきである。
次に、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるかどうかの判断にあたっては、(1)その他人の標章の周知度、(2)その他人の標章が創造標章であるかどうか、(3)その他人の標章がハウスマークであるかどうか、(4)企業における多角経営の可能性、(5)商品と商品、役務と役務、商品と役務間のそれぞれの関連性等を総合的に勘案して判断すべきである。
このことからも本願のサービスマークと「株式会社シャディ」のカタログ販売の商品とは、何らの関連性がないこと明白であり、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。よって拒絶理由通知書で述べられた理由によって拒絶されるべきものではない。
4 当審の判断
(1)「サラダ館」の標章の周知著名性について
原査定で引用の、「サラダ館」の文字よりなる標章は、シャディ株式会社(松原市阿保町442−1に本社を置き、資本金7億円、昭和元年創業、同37年資本金600万円にて(株)ハヤシンチェーンタオル設立、同45年(株)ハヤシンチェーンに改称、同45年に社名変更して『シャディ(株)』と改称)及び、シャディ株式会社の系列子会社「株式会社シャディサラダ館」(平成3年6月15日をもってシャディ株式会社がすべての営業権を引き継いでいる。)の両法人が、両社のチェーン店網のフランチャイズ契約店の営業標識(ハウスマーク)として使用し、現在はすべて「株式会社シャディ」が一括して引き継いで使用しているもので、別掲(営業標識A標章(シャディ株式会社サラダ館推進部のインターネットホームページ、URL:http//www.shaddy.co.jp/sarada/page3.html)(主に古くからの専属館が永年使用している営業標識)、営業標識B商標(シャディ株式会社サラダ館のインターネットホームページ、URL:http//www.g−plaza.com/salada−kan/)(主に現在全国統一様式として、フランチャイルズ契約店の「屋号」として現在使用中)のような「サラダ館」若しくは「シャディ」の文字と「サラダ館」の文字を組み合わせた標章(以下「引用標章」という。)である。
引用標章は、大阪府松原市阿保町442番地に本社を置く、如上の法人「シャディ株式会社」(以下「シャディ社」という。)が、1988年(昭和63年)10月から「カタログ店舗販売」方式を一層推し進めるため、店舗販売とカタログ販売を複合化した新業態のフランチャイズショップの店舗名称として採択したものと認められる。
そして、「サラダ館」なる名称は、1988年(昭和63年10月)兵庫県加古郡播磨町「サラダ館・土山駅前店」を皮切りに、1991年には220店舗、1998年に992店舗を全国展開し、「日本の卸売業調査」(日経流通新聞)における家庭雑貨の部門で、シャディ社(シャディ株式会社の系列子会社「株式会社シャディサラダ館」)の売上高の順位は、1983年(昭和58年)に第2位、1984年及び1985年には第1位を占め、そして、1984年の無店舗販売業者の売上高の比較(日本経済新聞)上においては、シャディ社は、ポーラ化粧品・ジャパンライフ・タイヘイ・ダスキン等に続き第9位を記録し、ギフト用品問屋では最大手となり、そして、如上の法人に係る営業標識の「サラダ館」の標章は、分厚いカタログとコンピュータ端末等を設置した、フランチャイズシステムの店舗と商品カタログによる相互利用による販売方式を示す営業標識として、シャディ東京営業本部、名古屋支店、仙台支店、福岡支店、広島支店、札幌支店、甲府営業所等の全国的展開により周知著名となったものと認められる。
そして、首都圏をはじめ地方に展開する「サラダ館」の各店一店あたり、約二千五百世帯をカバーする全国展開を遂げ、「小さな商圏で高い占有率を狙う」(例:毎日新聞1994年11月1日付大阪朝刊13面記事)戦略で、シャディ社の95年(平成7年)3月期の業績見込みは、売上高867億4千万円、経常利益は22億3千万円の増収増益となり(同日同紙記事)、1999年(平成11年)12月には、営業標識「サラダ館」を掲げるフランチャイズショップ契約店は、千店を突破(繊研新聞1999年12月6日付13面)している。
以上の事実によれば、本願商標は、その登録出願の時に、シャディ社の営業に係るカタログ誌名、カタログ・ストアー店名及びフランチャイズシステムの店舗と商品カタログによる相互利用による販売方式を示す営業名称を表すものとして既に取引者・需要者の間に広く認識されていたことが認められ、その状態は現在まで継続しているものと認められる。
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
引用標章の「サラダ館」なるものは、一種の造語標章と認められる。
そして、引用標章の使用権者、「シャディ株式会社」は、極めて広範囲の商品(シャディ社は通信販売で取り扱う全商品を需要者の最寄りの「サラダ館」の店舗を介して、受注・販売しており、寝装品、タオル製品、室内繊維、ハンカチ・靴下、衣料品、繊維雑貨、和陶器、洋陶器、ガラス製品、漆器(お椀など)、木製品、ポット・ボトル、台所・日用品、電化製品、健康機器、鍋・ケトル・フライパン、金属洋食器、室内装飾品、レジャー用品、文具、カバン、雨具、装身具、ベビー・子供用品、石鹸・洗剤、食料品)等を取扱っており、フランチャイズ網のハウスマークとして、「サラダ館」の標章を使用して、全国津々浦々に展開している。
そして、その取り扱う商品に関するメンテナンスや修理サービスを行っている事実が認められる(サラダ館ホームページ:URL:http//www.shaddy.co.jp/sarada/salada.html)。
そして、本願商標は、「サラダ館」の文字よりなるであるから、その構成文字に相応して、「サラダカン」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用標章は、別掲のとおりの構成からなるところ、多少デザイン化したとはいえ、「サラダ館」の文字を構成中に有するものであり、その構成文字に相応して「サラダカン」の称呼を生ずるものであるから、本願商標と引用標章とは「サラダカン」の称呼と文字を共通にする類似の商標である。
してみれば、各企業における多角経営化が図られている実情からみて、本願商標をその指定役務について使用した場合、取引者、需要者は、本願商標の「サラダ館」の文字部分より、周知著名な引用標章「サラダ館」を想起し、その役務が、上記「シャディ社」との間にいわゆる親会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による役務に係る事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る役務であると誤認し、その役務の出所について混同するおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標といわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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