Trademark Appeal Case
POLO著名性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第2005号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PROFESSIONAL POLO」の文字を横書きしてなり、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成8年8月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定における本願の拒絶理由は次のとおりである。
本願商標は、その構成中にアメリカ合衆国ニューヨーク州所在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」が商品「ネクタイ、シャツ、ジャケット等に使用して著名な商標「POLO」の文字を有してなるものであるから、これを出願人がその指定商品に使用するときは、需要者をして、恰も該商品が前記会社又はその関連会社の生産・販売または取り扱いに係る商品であるかの如く認識させ、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)「POLO」商標の著名性
▲1▼(株)講談社昭和53年7月20日発行の「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッドパートナーシップ」の前身,以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立したことが認められる。
▲2▼そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
▲3▼ また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、(株)講談社昭和56年4月発行「男の一流品大図鑑’81年版」、(株)講談社昭和55年6月発行「世界の一流品大図鑑’80年版」、婦人画報社昭和55年12月発行「MENS CLUB 1980,12」、(株)講談社昭和56年6月発行「世界の一流品大図鑑’81年版」、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月発行「流行ブランド図鑑」に「POLO」、「Polo」、「ポロ」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。
▲4▼ 我が国において、ラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「ポロ商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されていることが認められる。
▲5▼ ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定とほぼ同様に認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上、認定の事実を総合し、かつ、上記判決の趣旨も併せ考慮するに、「ポロ商標」は、我が国においては、遅くとも本願商標の出願の時までには、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類その他、靴、かばん類等のいわゆるファッション関連の商品の商標として、取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められ、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。
(2)本願商標における混同のおそれ
本願商標は、前記のとおり[PROFESSIONAL POLO」の文字よりなるものであるところ、「PROFESSIONAL」と「POLO」の各文字が半文字程度の間隔をもって表されていることより、視覚的にこれら両文字より構成されていると容易に看取されるものであって、これらを常に一体のものとして認識しなければならないとすべき格別の事由が存するものとは判断し得ないものである。
そして、上記(1)で認定したとおり「POLO」商標は、被服類その他、靴、かばん類等のいわゆるファッション関連の商品分野において広く認識されているものであるばかりでなく、本願商標の指定商品には、かばん類、袋物等ファッション関連の商品が包含されているものであるから、本願商標がその指定商品に使用された場合、これに接する者は、これらの事情からして、構成中の「POLO」の文字部分に注意を惹かれ、これより直ちに米国の著名なデザイナーであるラルフ・ローレンに係る商品を表示するものとして広く知られている「POLO」商標を連想、想起し、同人又は同人の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同するおそれが少なからずあるといわなければならない。
したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品と混同するおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する商標であるから、同法条に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。