Trademark Appeal Case
サイバーブランチの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第11302号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「サイバーブランチ」と「Cyber branch」の文字を上下二段に横書きしてなり、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務」を指定役務として、平成7年7月21日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『コンピュータのインターネットの画面空間上の支店』の意味合いを認識させるものであって、近年コンピュータの発達により、インターネットを通じて様々な商取引、商行為が行われていることから、これをその指定役務に使用するときは、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、その出願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「Cyber branch」の欧文字とその読みを表したと認められる「サイバーブランチ」の片仮名文字を普通に用いられる方法で併記してなるところ、その構成中前半の「Cyber」(サイバー)の文字は、請求人提出の甲第1号証及び同第2号証においても、例えば、「サイバーショッピング(cybershopping)・・・インターネット上で、デジタルマネーで買い物すること」、「サイバースペース(cyberspace)・・・コンピュータネットワーク上に作り出される仮想的な世界」、「サイバーモール(cybermall)・・・インターネット上で買い物ができるショッピングセンター」等の記述がなされているように、「コンピュータ(ネットワーク)上の」の意味を有する接頭辞として普通に使用されているということができる。また、構成中後半の「branch」(ブランチ)の文字は、「分岐、支店、支局」の意味を有する外来語として一般に親しまれていると認められるものである。
ところで、近年、コンピュータネットワークの急速な発展に伴い、インターネット上の仮想店舗で買い物をするオンラインショッピングや書籍や新聞などを配信する電子出版など様々な形の電子商取引が行われていて、金融関連の業界においても、インターネットを通じて、自宅のパソコンから預金の残高、入出金明細照会、振込、振替などが行えるサービスや企業と銀行のコンピュータを通信回線で接続し、各種の銀行取引や情報提供をオンラインで行うサービスが提供されているのが実情である。
さらに、新聞記事等においても、例えば、「バーチャルとは仮想を示すが、情報通信技術の発達により、新たな取引方法やサービスを従来の手法やチャネルに代わって提供する仕組みである。パソコンやインターネットから、顧客はそのアクセス先を銀行の支店窓口に代わるバーチャルブランチとして活用することができるだろう。」(日経金融、1995年11月1日版)、「インターネット上にホームページの形で開設する店舗。銀行ではバーチャルブランチと呼ぶ。パソコンの画面上に仮想の銀行支店を映し出し・・・」(日経、1997年2月22日朝刊)、「・・・多面的な顧客サービス拡充のためコールセンターやサイバーバンキングの機能拡大といった非対面チャンネルを整備する。・・・機能特化型店舗では、住宅街での個人ローンや富裕層の相談業務を始めとするインストアブランチ展開を構築する・・・」(日刊工業、1998年4月16日版)等が記載されている事実が認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として「コンピュータネットワーク上の支店(仮想店舗)」によって提供される役務であることを表示したものとして把握するに止まり、自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定役務に使用するときは、単に役務の質、提供の方法を表示するにすぎないものといわざるを得ないから、結局、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。