Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第5387号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり、「すき焼きのたれ」の文字を横書きしてなり、第30類「すき焼き用のたれ,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドインチ、すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成8年3月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は『すき焼きの割り下』を表したものと直観させる『すき焼きのたれ』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるものであるから、これをその指定商品中『すき焼きの割り下』について使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由により、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「すき焼きのたれ」の文字を普通の書体をもって表してなるものである。
ところで、本願商標の、構成中の「すき焼き」は「牛・鳥肉などに葱・焼き豆腐などを添えて鉄板で煮焼きしたもの」を、また「たれ」は「醤油や味噌などに調味料・香辛料を加えて作る焼物・鍋物の調味用の汁」の意を表し、「割り下(わりした)」の語と同義に理解されるものである(株式会社岩波書店発行「広辞苑第五版」より)。
また、食品分野の業界新聞である日本食糧新聞(1999.02.05)によれば、「和風・中華風スープ特集」として、「この冬に注目されたのが鍋物用調味料。・・・・この二、三年目立ってきたのが、『しゃぶしゃぶのたれ』『すき焼きのたれ』『鍋つゆ』といった素材にこだわりをもったもの・・・・」とする記事及び「九八年度で約七〇億円に達した『すき焼きのたれ』は・・・・」とする記事が掲載されているように、「すき焼きのたれ」の文字(語)は、しゃぶしゃぶ料理その他の鍋料理に用いる各種のたれ(調味料)と同様に、「すき焼き用の調味料(割り下)」を指称するものであり、かつ、相当量の製品が生産・販売され、取引に供されていることが認められる。
さらに、日経流通新聞(1998.01.24)によれば、「すき焼きのたれ」に関する記事として、エバラ食品工業(横浜市)「すき焼きのたれ」「すき焼きのたれマイルド」、モランボン(東京都府中市)「特選すきやきのたれ」、日本食研(愛媛県今治市)「晩餐館 すきやきのたれ」の記載がみられ、そしてさらに、食品メーカー各社のインターネットホームページ上の、キッコーマン(千葉県野田市)「こだわりすきやきのたれ」、(有)鳥寛「すきやきのたれ」等の広告記事にみられるように、食品メーカー各社が「すき焼きのたれ」の文字(語)を、「すき焼き用の調味料(割り下)」を表すものとして取引上普通に使用していることが認められる。
以上によれば、「すき焼きのたれ」の文字(語)は、「すき焼き用の調味料(割り下)」を指称するものとして容易に理解され、かつ、取引場裡においても、該意味合いの調味料として普通一般に通用し得るものとみるのが取引の実情に照らし相当である。
してみると、本願商標を、その指定商品中の「すき焼き用のたれ」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品の品質、用途を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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