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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第6284号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「タワーメンテ」の片仮名文字を書してなり、第37類「鋼構造物の修理又は保守,鋼構造物工事,塗装工事,金属表面防錆処理工事」を指定役務として、平成8年6月21日に登録出願されたものであるが、指定役務については、平成10年1月13日付手続補正書をもって「鋼構造物の修理又は保守」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『塔、やぐら』等を意味する『タワー』の文字に『整備、保全、営繕』等を意味する『メンテナンス』の略称として一般に親しまれている『メンテ』の文字を一連に『タワーメンテ』と書してなるものであるから、これをその指定役務中、例えば『鋼構造物の修理又は保守」に使用しても、『塔の修繕(メンテナンス)』程の意味合いを看取するに止まり、単に役務の質(内容)を表したにすぎず自他役務を区別する標識としての識別力を具有しない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記構成文字よりなるものであるところ、その構成中の「タワー」の文字部分は、「塔」(岩波書店発行「広辞苑第5版」)を意味する語として一般によく知られ、「東京タワー」の如く、日常的に使用されている語といえる。

また、同じく、「メンテ」の文字部分は、「機械・建物の維持。管理。保守。」を意味する「メンテナンス」(前出「広辞苑第5版」)の略として、普通に使用されていることは、例えば、1999年3月11日付日刊工業新聞(23頁)、1999年2月2日付日刊流通サービス新聞(15頁)、1998年1月30日付日経産業新聞(23頁)、1996年7月12日付毎日新聞(神奈川版14頁)等々の新聞記事などの記載により認め得るところである。

してみると、本願商標は、「タワー」と「メンテ」の2語を結合したものと理解され、これをその指定役務である「鋼構造物の修理又は保守」について使用した場合は、これに接する需要者は、「タワー(塔)の維持・管理・保守」なる意味合いを表したと認識するにとどまるものとみるのが相当である。

上記に関して、請求人(出願人)は、同人の業務に係る「鉄塔の修理又は保守」について、平成6年より一部地域で、また、平成8年より全国的に本願商標を使用しており、宣伝広告も平成6年より行い、需要者間に広く認識されているものであるから、本願商標は、商標法第3条第2項の規定に該当するものである旨を主張し、証拠を提出している。

そこで、請求人が提出した証拠を検討するに、提出された証拠は、▲1▼「NIPPON DENRO Corporate Informatoin」と題する請求人の事業内容等を記載したパンフレット、▲2▼平成8年7月1日付「請求人の経歴書」、▲3▼平成3年9月付「塔状鋼構造物の腐食診断・処置(タワーメンテナンス)」に関するガイドライン、▲4▼平成9年2月付「四国電力株式会社殿/伊方南幹線鉄塔部材腐食原因調査報告書」、▲5▼平成9年2月付「中部電力株式会社殿/那加分岐線鋼管鉄塔特別点検報告書」、▲6▼「画像解析による溶融亜鉛めっき鋼材表面の劣化度評価」(1998年3月)と題する構造工学論文と認められるところ、上記▲1▼〜▲6▼の各証拠において、本願商標を構成する「タワーメンテ」の語が使用されている箇所は、僅かに▲3▼における「タワーメンテ(診断)のガイドライン」においてのみであり、これとても、本願指定役務中の「鉄塔の修理又は保守」に限られるものである。しかも、その使用例は、例えば、「既設鉄塔にいつタワーメンテを施したらよいか。」、「タワーメンテを行う」など、その殆どのものが記述的な用法であって、商標としての使用とは認め難いものである。

してみれば、提出された証拠によっては、本願商標がその指定役務に使用された結果、自他役務の識別標識としての機能を有するに至っているものとは認めることができず、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものということはできない。

したがって、本願商標は、これをその指定役務中「鉄塔(タワー)の維持・管理・保守」について使用しても、単に役務の質を表示するにすぎないものであり、該役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当であるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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