結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第31373号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1919395号商標(以下「本件商標」という。)は、「EMMA」の欧文字を書してなり、昭和59年10月30日登録出願、第9類「太陽熱温水器、太陽熱温水パネル、その他の暖冷房装置、その他本類に属する商品」を指定商品とし、昭和61年12月24日設定登録、その後、平成9年12月26日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第6号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、過去3年間において、本件商標の指定商品中「化学機械器具」について本件商標権者が使用していない。
また、商標登録原簿上、使用権者の存在も認められず、使用権者が本件商標を前記指定商品について使用していた事実も寡聞にして不知である。
したがって、本件商標は継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが、その指定商品中の「化学機械器具」について本件商標を使用していないものであり、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
被請求人は、本件審判請求の予告登録日前3年内に使用していると主張しているが、その証拠は提示されていない。
被請求人は、被請求人と加商株式会社との提携は10年を優に越えているとしているが、その明白な証拠は認められない。
また、被請求人は「EMMA」を使用した暴露試験機を加商株式会社を通じて我が国に宣伝・販売していると主張している。そして、「商品の性格上、取引量が多量の最終消費者向けの商品のような物量の移動を証するものはない」と述べているが、そのような商品だからこそ、販売を証明できる契約書や納品書、送金を証明する書類が存在するはずだが、そのような証拠書類は全く提示されていない。
本件審判請求の予告登録日前3年内に使用された暴露試験機が販売されているのであれば、その機械は現存するはずだし、その機械の銘盤などには「EMMA」という商標が付されているはずである。したがって、その銘盤の写真などを提示することもできる筈であるが、そのような証拠も提示されていない。
被請求人が作成した英文カタログと加商株式会社が作成した和文要録を証拠として提示しているが、これらの英文カタログや和文要録が日本において、頒布されたという証拠も存在しない。「平成8〜9年に我が国において使用されていた事実が明らかである。」と述べているが、英文カタログや和文要録を作成はしたが、いろいろな都合で、実際は頒布はしなかった、ということもあり得る。したがって、英文カタログや和文要録が存在するという事実のみで、商標の使用の事実があったという証明にはならない。
被請求人は、「商品の性格を考えれば、少なくとも、加商株式会社を通じて我が国の顧客に対する充分な宣伝・広告がなされていたことは間違いない」と主張しているが、何をもって「間違いない」と言うのか、その意味がよく理解できない。
加商株式会社は「通常使用権者」であるとも記載されているが、加商株式会社が通常使用権者であるという証拠も認められない。
「叙上の通り・・・過去3年の間継続使用されていた。」とも述べているが、「過去3年の間継続して」使用されていた、ということは全く証明されていない。
被請求人は、本件請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める旨答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1) 請求人は、本件商標が、その指定商品中『化学機械器具』(旧第9類)について過去3年間継続して商標権者によって使用されているとは思われず、また、使用権者も原簿上存在しないので、専用使用権者・通常使用権者のいずれも本件商標を使用していないと思われる、と述べている。
しかし乍ら、被請求人は、我が国での代理店であり、通常使用権者である加商株式会社(東京都中央区日本橋2−14−9所在)を通じて、商標「EMMA」を付した「暴露試験機」を宣伝・販売しており、この商品が「化学機械器具」の範疇に包含されると思われるので、請求人の主張には理由がない。
この「暴露試験機」とは、調査対象物(プラスチック片、合成樹脂、布地、紙、その他)を太陽光線やその他の自然条件に晒して劣化の度合いや色変化、また化学変化等の条件を設定して検証・調査するものである。「暴露試験」という言葉は英単語「exposure」に対応する言葉として加商株式会社によって採択されたものであるらしく、他の資料でも使われ出している言葉であるようだが、定着している用語であるかどうかは定かでない。被請求人及びその代理店である加商株式会社はこの機械を「Weathering System(ウエザリングシステム)」等とも呼称しているが、尚更機械の性格がわかりにくいので、ここでは「暴露試験機」という用語を用いたものである。この機械は、試験機という用語は用いているものの、装置としては化学機械器具に分類される「反応機、乾燥機、及び選別機」の機能を備え、この類似商品群に該当すると考えられる。ちなみに被請求人と加商株式会社との提携は10年を優に超え、本願商標を付した商品の輸出販売行為は間違いなく本件審判請求の予告登録日(平成11年1月20日)前3年内に行われており、法の予定する明らかな本件商標の使用があったものであるから、請求人の主張には理由がなく、本件審判の請求は成り立たぬものと思料する。以下本件商標使用の事実を証拠とともに明らかにする。
(2) 被請求人は、本件商標『EMMA』を使用した上記「暴露試験機」を加商株式会社を通じて我が国に宣伝・販売している。商品の性格上、取引量が多量の最終消費者向け商品のような物量の移動を証するものはないが、被請求人が作成した1996年度の英文カタログと、加商株式会社が作成し、宣伝用にこの英文カタログと共に配布するその和文要録を乙第1号証及び第2号証拠として提出する。
乙第1号証:ATLAS/OUTDOORACCELERATEDWEATHERING(英文カタログ:1996年度版)
このカタログは、暴露試験という特殊な機能を中心に説明しており、一般的な機械の説明カタログの形式となっていない。しかし、「EMMA」及び「EMMAQUA」と称される暴露試験(機)についての説明がなされている。ちなみに、表紙の写真に表わされるものが「EMMA」の商標をもって取引される機械器具であり、「EMMAQUA」と称される機械はこれと同一態様の機械に放水装置(water spray)が設備されたものである。「EMMA」の効能等は、第2頁に示されている。
乙第2号証:加商株式会社が作成し、日本の顧客に上記カタログと共に配布する和文要録
日本の顧客はこのカタログ要録を参照しまた加商株式会社の説明を得て、製品の購入等に至るものである。商品の性格を考えれば、少なくも、加商株式会社を通じて我が国の顧客に対する十分な宣伝・広告がなされていたことは間違いない。
尚、本件商標「EMMA」は上記カタログ及び要録の中に示される。
(3) 叙上の通り、本件商標は被請求人の我が国の代理店(通常使用権者)である加商株式会社によって、過去3年の間継続して使用されていた。少なくも、カタログ及び要録から平成8-9年には我が国において使用されていた事実が明らかである。今一度、使用の内容を確認すると、本件商標と実際に使用されていた商標(カタログ参照)は、同一の商標と認められるべきものである。次に、当該商標が実際に使用された商品「暴露試験機」は、その用語はともかく機械としての機能・性格から判断する限り、「化学機械器具」の一種と判断されるべきものである。
よって、本願商標は、適切な使用があったものであり、商標法第50条第1項の規定に該当せず、その登録を取り消されるべき事由はない。
被請求人は本件商標が商品「暴露試験機」について使用されている事実を示すものとして乙第1号証及び乙第2号証を提出しているので、これについてみるに、乙第1号証は、英文により作成された商品カタログであり、1996年に米国において印刷されたものであることが認められる。しかしながら、これらのカタログがいつ頒布されたかは明らかでない。
被請求人は、乙第1号証は、通常使用権者である加商株式会社が作成した乙第2号証の和文要録と共に我が国において宣伝用に使用している旨主張しているが、乙第2号証については、その作成日が明確にされていない。
してみれば、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、本件商標が本件請求の登録前3年以内に商標権者又は使用権者によって本件取消請求に係る指定商品について使用されていたものということはできない。
その他、これを覆すに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、本件取消請求に係る指定商品について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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