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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第7210号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおり、「新しい数学」の文字を横書きしてなり、第9類「教科書その他の印刷物,紙類,型紙,荷札,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,製図用具」を指定商品として、平成7年12月22日に登録出願、その後、指定商品については、平成9年10月1日付の手続補正書により「雑誌,新聞,教科書,参考書,紙類,型紙,荷札,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,製図用具」に補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『新しい数学』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定商品中、上記に照応する事項を内容とする商品(書籍等)に使用する場合は、単にその商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品(印刷物)に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「新しい数学」の文字を横書きしてなるものである。そして、これを本願の指定商品中の「教科書」及び「参考書」について使用するときは、数学の教科書あるいは参考書の題号であって、その教科書あるいは参考書の内容が新しいことを示すものとのみ取引者・需要者に理解されると認められ、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していない。

請求人は、教科書は、教科書検定に合わせて定期的に発行される印刷物であり、また、その内容も固定的でなく、発行されるたびに変化し、一定の特定の内容を有しない印刷物であるから、その題号は雑誌や新聞の題号と同様に、著作物としての内容を表現するものでなく、自他商品を識別する機能を有する旨主張し、教科書の内容に合わせた参考書についても同様に主張する。

しかし、検定に合わせて教科書が定期的に発行され、また、発行のたびに内容の改訂があるとしても、数学の教科書であれば、数学教育の目的にかなう内容のもののみが採用収録されることは明らかであって、それ以外のものは収録されないといえるから、種々の分野の記事が合わせて掲載されるのが通常である雑誌や新聞と教科書(教科書の内容に合わせた参考書についても同様)とを同列に考えて、無条件に教科書・参考書の題号が商品の内容を示すものでなく、自他商品の識別機能があるとすることはできないから、この点の請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、教科書(教科書の内容に合わせた参考書についても同様)については、毎年出版される膨大な量の教科書・参考書を識別するために、そのタイトル(題号)即ち商標は、非常に重要な識別要素となっており、その意味で教科書業界において、教科書・参考書のタイトル(題号)は、商品を識別する商標として正に機能している旨、また、この商標の識別力を認めず登録しないことは、他人が同一類似の教科書・参考書のタイトルを使用することを容認する結果となり、かえって業界に混乱を生じ、健全な流通取引秩序の維持を図る商標法の精神に反する結果となる旨主張する。

しかし、本願商標は、前記のとおり、数学の教科書あるいは参考書の題号と理解されるものであり、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していないから、特段の理由がない限り、取引者・需要者に出所標識としての商標としては認識されえないというのが相当である。確かに、内容を示しているというほかない教科書・参考書のタイトル(題号)によって、事実上、教科書・参考書が識別される場合があることを否定しないが、そのような場合があることを考慮しても、教科書・参考書のタイトル(題号)については、どのようなものでも無条件で一般的に識別力があるとまで判断することはできない。また、本願商標は、特段の理由により識別力があるとも認められないから、前記の請求人の主張も採用できない。

そうしてみると、本願商標は、これをその指定商品中の「教科書」及び「参考書」のうち、数学の教科書あるいは参考書について使用するときは、商品の品質(内容)を表示するものというべきであって、自他商品の識別機能を果たしえず、また、前記以外の教科書及び参考書に使用するときは、数学の教科書あるいは参考書であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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