sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の末尾音の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35735号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4313313号商標(以下、「本件商標」という。)は、「美ばらん水」の文字を書してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成10年9月1日登録出願、同11年9月10日に設定登録がなされたものである。

2 引用商標

本件商標の登録無効の理由として、請求人が引用する登録第3261134号商標(以下、「引用商標」という。)は、「ビバランス」の片仮名文字と「BEBALANCE」の欧文字とを2段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成6年9月26日登録出願、同9年2月24日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし第3号証を提出している。

本件商標は、引用商標に類似するから、その登録は商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、商標法第46条の規定により無効とされるべきである。

本件商標は「ビバランスイ」、引用商標は「ビバランス」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は「ビバランス」までの音を共通にし、その差異は、前者の末尾に存する「イ」の音の有無の差異のみである。

ところで、日本語における母音は、「a(ア)」、「e(エ)」、「o(オ)」から「u(ウ)」、「i(イ)」に移るにしたがって次第に”きこえ ”が不明確になり、「u(ウ)」と「i(イ)」は聴取が困難であるとされている(甲第3号証)。

しかるところ、両称呼間における差異音は、母音の中で最も ”きこえ ”が不明確とされる「イ」であるうえに、その位置するところも、称呼の際のみならず、聴取の際にも明確さを欠くとみられる末尾である。

してみれば、「ビバランスイ」、「ビバランス」の両称呼それぞれを全体として称呼したとき、前者の末尾に存する「イ」は、明瞭には聴取され難いものといわざるを得ない。

そうすると、本件商標と引用商標は、その称呼において紛らわしい類似のものというべきであり、また、両商標の指定商品は、「化粧水」において同一である。

4 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

本件商標は漢字と平仮名文字からなり、片仮名文字と英文字とからなる引用商標とは外観は明確に相違する。

請求人は、本件商標から生ずる称呼「ビバランスイ」における最後の「イ」は、聞こえが不明確であるため引用商標から生ずる称呼「ビバランス」と類似すると主張するが、「美ばらん水」の最後の「水」を「ス」と発音、聴取することは困難である。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断

本件商標と引用商標との類否について判断するに、本件商標は、その構成前記のとおり、「美ばらん水」の文字よりなるのに対し、引用商標は、その構成前記のとおり、「ビバランス」の片仮名文字と「BEBALANCE」の欧文字とを2段に横書きしてなるものであるから、両商標は外観上明らかな差異を有するものである。

次に、本件商標は、その構成文字に相応して「ビバランスイ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、同様に「ビバランス」の称呼を生ずるものである。

しかして、両商標から生ずる「ビバランスイ」の称呼と「ビバランス」の称呼を対比すると、両称呼は、末尾において「イ」の音の有無に差異を有するものであり、他の構成配列音を同じくするものであるから、両称呼は比較的近似しているといえなくはない。

しかしながら、本件商標は「美」の漢字と「水」の漢字を両側に配した構成よりなるものであり、いずれの漢字も本件商標の指定商品「化粧品」についてはしばしば使用され、なじみのある語であるから、「水」の漢字は明瞭に発音し、聴取されるというのが相当である。そうすると、末尾に位置する「水」の漢字から生ずる「スイ」の音は、化粧品に使用する本件商標にあっては、「水」の観念と相俟まってって、明瞭に発音、聴取されるといわなければならない。

また、両商標はそれぞれ格別の意味を有しない造語と認められるものであるから、両商標は観念においては比較することができない。

ところで、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想、等を総合して全体的に考察すべきである(最高裁 昭和48年2月27日判決参照)。

これを本件についてみると、本件商標と引用商標とは、例え、称呼において近似する場合があるとしても、前記したとおり外観において著しく相違するものであって、両商標の看者に与える印象が著しく異なることから商品の出所の誤認混同を生ずるおそれもなく、両商標は互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。