結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30606号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2263189号商標(以下「本件商標」という。)は、「SAIORI」及び「彩織」の文字を併記してなり、昭和61年3月10日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ甲第1号証及び同2号証を提出している。
本件商標は、その全指定商品「被服、布製身回品、寝具類」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。また、本件商標の登録原簿(甲第2号証)には、使用権設定の記載はない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書を提出している(なお、登録商標の使用説明書中「商品及び縫い付けタッグの写真」は乙1号証、「商品カタログ(1996年秋冬物用)の写真」は乙2号証、証明書は乙3号証として符号を付した)。
(1)本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内である平成9年2月まで、本件商標の通常使用権者である小原株式会社(東京都中央区日本橋大伝馬町1−8所在)によって使用されていた。
すなわち、被請求人は、昭和61年から上記小原株式会社と取引関係にあり、被請求人が製造した各種繊維製品を小原株式会社に納入し、小原株式会社がそれを自己の名において市販する形態での取引を継続していた。被請求人が製造納品して小原株式会社が市販した製品には、上段に大きく「彩織」と表記し、下段に小さく「SAIORI」と表記した商標(以下「彩織/SAIORI」商標とする。)を使用したものがあり、上記商標の使用は、もとより、被請求人の許諾に基づくものであって、1996年(平成8年)秋冬物用商品の小原株式会社のカタログの31頁に示されているタオルは、同社役員の証明書記載のとおり、平成9年2月頃まで販売され、カタログも、同時期まで頒布されていた。
しかも、被請求人から小原株式会社に納入されて小原株式会社が「彩織/SAIORI」ブランドの下で市販していた製品には、乙第3号証の別紙IIに示すような「彩織/SAIORI RAINIER」なる表示を付した布製タッグが縫い付けられていた。
繊維製品業界においては、製品取引とは関係のない第3者に登録商標の使用を許諾する場合には、文書による使用許諾契約を取り交わすことはあるが、商標権者が、自己の製品の納入先への商標の使用を許諾するような場合には、文書による使用許諾契約を取り交わすことは行われないのが通常である。上記商標についても、小原株式会社によるその使用は、同社と被請求人との取引開始の当初(昭和61年)から両者間において合意され継続的に使用されていたものである。
(2)小原株式会社による上記の如き表示の使用態様が、いずれも、本件商標の使用に該当することは明らかである。
すなわち、本件登録商標は上段にローマ字で一連に「SAIORI」と横書きし、下段に漢字をもって「彩織」と横書き表記し、上段部分と下段部分は略々同一の大きさで構成されているものであるところ、小原株式会社のカタログにおける表示は、上段に「彩織」と大書し、下段に、小さな文字で「SAIORI」と表記した構成からなるものであって、「彩織」部分と「SAIORI」部分との上下関係及び大小関係が本件商標と相違しているが、この程度の相違は、商標の使用の観点からは、実質的に同一商標の使用とみなされる範囲内の相違であると解される。
また、小原株式会社の市販商品に縫い付けられていた布製タッグにおける表示も、上段に「彩織」と大書し、下段部分は、いずれも小さな文字をもって、「SAIORI」と表記した左側部分と、「RAINIER」と表記した右側部分とからなるものであるが、「RAINIER」は小原株式会社の所謂オリジナル商品の総称表示のマークであるから、布製タッグにおけるこの表示も、全体として、本件商標の使用と云いうるものである。
(3)以上のとおり、本件商標は、被請求人から使用許諾を受けた通常使用権者である小原株式会社により、少なくとも本件商標の指定商品に属するタオルについて、平成9年2月までその標章を付した商品を販売し、かつその標章を付した広告文書(カタログ)を頒布することによって使用されていたものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項に規定する、継続して3年以上日本国内において使用されていない登録商標には該当しないものであるから、本件審判の請求は成り立たないものと確信される。
被請求人の提出した乙各号証をみるに、乙2号証の「商品カタログ(1996年秋冬物用)の写真3葉」はカタログの表紙、表紙裏、目次及び販売用の商品を示すものと認められる。
乙3号証に添付の別紙Iは、1枚目はタイトルとして「CATALOG」、黒塗りの円内に白抜きで「′96及びAutumn & Winter」、「OHARA TOWEL COLLECTION」の文字が記載され、さらに布らしきものが前面に表示されたカタログ表紙と認められ、2枚目は目次と認められ、同じく「96及びAutumn & Winter」の文字とともに「contents」、「ジュンコシマダ9」、「サザビー12」、「OHR」の文字等が表示され、3枚目はカタログ31頁の記載であり「彩織」「SAIORI」の文字が表示されているとともに商品タオル外が表示され、4枚目は表紙裏であり、その下部には「小原株式会社 本社/〒103東京都中央区大伝馬町1−8 Telー03−3663ー4511」の記載が認められる。
別紙IIの写真は、商品タオルと「彩織」及び「SAIORI RAINIER」が表示された布製のタッグが示されているものである。
また、乙1号証の「商品及び縫い付けタッグの写真3葉」(平成11年8月12日付け撮影)は、商品タオルに「彩織」及び「SAIORI RAINIER」の文字が表示されたタッグが縫い付けられていることを示しているものである。
そして、乙3号証の小原株式会社の役員の証明書は、小原株式会社( 東京都中央区大伝馬町1ー8)にかかる取締役部長村田泰夫氏による証明であるところ、前記別紙1は取引先に配布したカタログのコピーであること、カタログ31頁の「彩織/SAIORI」の商品欄に記載の商品は、商標権者の協和リビング株式会社が製造して小原株式会社に納品し、これを同社が市販していること、商品には別紙2のタッグが縫い付けられていたこと、商標の使用については、繊維製品の取り引きの習慣上文書による契約があったわけではないが協和リビングにお願いしてその承諾をうけていることの記載が認められる。
以上の事実からすると、被請求人は、昭和61年から小原株式会社と取引関係にあり、各種繊維製品を小原株式会社に納入したと述べる一方、小原株式会社は本件商標を使用しているとして取引先に配布したカタログのコピーを提出しているところ、登録商標の通常使用権契約は、これを登録原簿に登録しなければ成立しないというものではなく、口頭、文書を問わず、当事者間にその合意があれば有効に成立するものであるから、被請求人と小原株式会社との間には本件商標の使用について契約が成立していたものとみるのが相当であり、小原株式会社は、本件商標の通常使用権者と認められる。
そして、小原株式会社は、提出したカタログ中の表示の「96及びAutumn & Winter」からすれば、「96」の文字が1996年用と、「Autumn & Winter」の文字は、その秋及び冬を表すと認められ、その時期にカタログ1996年秋冬物用のカタログを作成し、少なくとも1996年(平成8年)秋冬に商品の販売のために頒布し、商品取引に使用されていたものと判断するのが相当である。
そして、同カタログ中の商品「タオル」は、本件商標の指定商品中の「布製身回品」に含まれものである。
また、同商品カタログに使用されている「彩織」「SAIORI」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められる。
してみれば、被請求人の提出した証拠を総合勘案するに、本件商標は、通常使用権者により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定商品について使用されていたと認めることができる。
そして、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の登録は、商標法50条の規定により取消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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