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Trademark Appeal Case

造語称呼類似と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90654(T2000−90654/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4368470号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4368470号商標(以下「本件商標」という。)は、「Beauterium Luxe」の文字と「ビュートリアム リュクス」の文字を上下2段に左横書きしてなり、平成10年11月11日に登録出願、第11類「家庭用電気式超音波美顔器,その他の家庭用電気式美顔器」を指定商品として、平成12年3月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要旨

本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

登録異議申立人 株式会社エルエスモ−ド(以下「申立人」という。)の提出に係る甲第2号証、甲第3号証及び甲第8号証ないし甲第194号証によれば、申立人の引用する「ビュートリアム」の文字を横書きしてなり、平成4年10月1日に登録出願され、第42類「美容」を指定役務として、平成9年3月12日に設定登録された登録第3269582号商標、同じく「BEAUTRIUM」の文字を横書きしてなり、平成4年10月1日に登録出願され、第42類「美容」を指定役務として、平成9年3月12日に設定登録された登録第3269583号商標(以下まとめて「引用商標」という。)は、申立人の親会社である株式会社グリ−ンスタンプ及び申立人の業務に係る役務「美容」について平成元年4月より今日まで継続して使用してきたものであり、この間、申立人のヘアーサロン、エステティックサロンとその記事が多数の全国的な雑誌、新聞又は業界紙に掲載されたことにより、本件商標の登録出願前には、申立人の業務に係る役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたことが認められる。

しかして、本件商標は、前記に示したとおりの文字よりなるところ、その構成中前半の「Beauterium」及び「ビュートリアム」の文字より生ずる称呼は、引用商標と「ビュートリアム」の称呼を同一にするものであり、かつ、その欧文字部分にしても、本件商標が、取引者・需要者の印象に残りにくい中間部分において、「e」の文字が1文字多いという微差にすぎず、また引用商標は、既成語にはない申立人の創造語(造語)と認められるものである。加えて、本件商標の指定商品は申立人の役務(美容)と密接に関連する「家庭用電気式超音波美顔器,その他の家庭用電気式美顔器」であるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、前記した実情よりして、取引者、需要者の間に広く認識されている引用商標を想起し、該商品が申立人の業務に係る商品又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。

4 商標権者の意見の要旨

(1)申立人の商標が需要者に広く知られていることを示すための証拠(甲第10ないし14号証、甲第184ないし194号証)は、合計で15件の証拠に過ぎず、このような少数の取引者、需要者に知られていたからといって、引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたとは、到底認めることができない。

(2)出願人がヘアーショーに出演したことを示す証拠(甲第180ないし182号証)は、その規模や、対象者が不明瞭。申立人は、さらに12回のヘアーショーに出演したと主張しているが、いずれにしても、10年間におけるヘアーショーの回数は最大でも合計15回にすぎず、このことによって引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたとは、到底認めることができない。

(3)申立人のヘアーサロン、エステティックサロンが雑誌、新聞に記載されている証拠(甲第15ないし179号証)は、その総数が1989年(平成元年)から1999年(平成11年)の10年間にわたって165例であり、この例数を単純割りすると1年間では16.5件であり、月間では1.375件にしかならない。申立人のヘアーサロン等が、平均で月に1件強、雑誌や新聞に記事として掲載されていたとしても、この程度の件数で申立人の商標が需要者に広く知れわたっているとするには無理がある。加えて、上記甲号証の中には、雑誌名も出版年月も不明なものが数多く含まれている。

(4)本件商標における「美顔器」も、確かに申立人の役務(美容)と「関連する」ものと言い得るものではあるが、その程度は、化粧品やヘアドライヤー等と同程度のものと解され、「密接な関連」はないものであるから、仮に引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、出所の混同は生じないものである。

5 当審の判断

申立人が提出した甲第2号証及び同第3号証(商標公報)、同第8号証(申立人の会社案内)、同第9号証(親会社である株式会社グリ−ンスタンプの経歴書)、同第10号証ないし同第14号証及び同第184号証ないし同第194号証(引用商標が需要者に広く知られていることの東京商工会議所等からの証明書)、同第15号証ないし同第179号証(各種雑誌等)、同第180号証ないし同第182号証(ヘア−ショ−のパンフレット)、同第183号証(BEAUTRIUM/Esthetique Salonのパンフレット)によれば、申立人の親会社及び申立人は、その業務に係る役務「美容」について、平成元年4月より今日まで継続して引用商標を使用してきたこと、この間、申立人のヘアーサロン、エステティックサロンは、青山、広尾、表参道、芦屋、南青山、心斎橋に開店され、その関連記事が数多くの全国的な雑誌、新聞、業界紙に繰り返し掲載されていたこと、東京商工会議所をはじめ、マスコミ、歌舞伎、芸能界、同業者からもその周知性についての証明書が提出されていること、又、近年、いわゆるカリスマ美容師などと囃され、美容師に対する関心が高まっていたこと(例えば、甲第171号証、同第172号証)、そしてヘア−サロン「BEAUTRIUM」の美容師が全国的なヘア−ショ−に多く出演していたことの各事実を認めることができる。

以上の事実に照らしてみれば、引用商標は、本件商標の登録出願前には、申立人の業務に係る役務「美容」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたものといわなければならない。

この点について、商標権者は、申立人が提出している甲号証のなかには雑誌名も出版年月も不明なものが数多く含まれているばかりでなく、甲号証程度の件数をもってしては、引用商標の周知・著名性を立証するには不十分である旨主張している。

しかしながら、甲号証のなかには、その書証中に雑誌名、出版年月日が明らかになっていないものが見受けられるとしても、申立書の証拠方法の記載中には、雑誌名、発行年月日が明示されているのであるから、判断の資料として用いることは可能なものというべきである。そして、仮に、書証中に雑誌名、出版年月日が明らかになっていない甲号証を除いたとしても、引用商標の周知・著名性は、その他の数多くの甲号各証をもって十分、把握し得るものである。

また、商標権者は、本件商標の指定商品である「家庭用電気式超音波美顔器,その他の家庭用電気式美顔器」と申立人の役務「美容」とは「関連する」とは言い得ても「密接な関連」はない旨主張している。

しかしながら、甲号各証に徴すれば、申立人の役務の中には「美顔(フェイシャルトリ−トメント)」が含まれていることは明らかであり、例えば、甲第120号証(「WEDDING BOOK」June1995夏号)の紹介記事の中には各種の美顔用の器具を用いたフェイシャルトリ−トメントが行われている事実を認めることができる。

そうとすれば、本件商標の指定商品である「家庭用電気式超音波美顔器,その他の家庭用電気式美顔器」は、専ら、美顔の用途に使用されるものであり、その需要者も美顔に強い関心を抱く者ということができるから、申立人の役務中の「美顔(フェイシャルトリ−トメント)」とは「密接な関連」を有するものとみるのが相当である。

しかして、本件商標は、その構成中の前半部分が「Beauterium」及び「ビュートリアム」の文字よりなるものであるところ、これより生ずる称呼は、引用商標から生ずる「ビュートリアム」の称呼と同一にするものであり、その欧文字部分にしても、本件商標にあっては、印象に残りにくい中間部分において「e」の文字が引用商標に較べて1文字多いという微差を有するにすぎず、しかも、引用商標は、既成語にはない申立人の創造語(造語)と認められるものである。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、前記した実情よりして、取引者・需要者の間に広く認識されている引用商標を想起し、該商品が申立人の業務に係る商品又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、通知した取消理由は、妥当なものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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