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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2000−90700(T2000−90700/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4371270号商標の指定商品中「第14類 時計」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4371270号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成10年10月28日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成12年3月31日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立て理由(要旨)

(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

イ 本件商標は、昭和47年11月4日に登録出願され、「ALBA」の欧文字を書してなり、商品の区分第23類「時計、その部品及び附属品」を指定商品として昭和51年1月6日に登録されている登録第1177657号商標(以下、「引用A商標」という。)、同じく、昭和54年10月5日に登録出願され、レタリング化した「ALBA」の欧文字を書してなり、商品の区分第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として昭和58年12月26日に設定登録されている登録第1646181号商標(以下、「引用B商標」という。)、同じく、昭和57年5月21日に登録出願され、「アルバ」の文字を書してなり、商品の区分第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、昭和60年8月29日に設定登録されている登録第1798811号商標(以下、「引用C商標」という。)と類似するものである。

ロ 本件商標は、図形部分と上下二段に横書きされた欧文字部分との組み合わせよりなるものであるが、この両部分は、常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由も見出し難いところであるから、該文字部分も自他商品の識別標識としての機能を果たしえるものである。しかして、該欧文字部分の構成は、上段の「ALBA」の文字と下段の「ROSA」の文字が全体として特定の観念を有するものでもなく、必ずしもこれを一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の理由は見出し難いことから、かかる構成にあっては、本件商標に接する取引者・需要者は、時計の分野において強い商品識別力を有する「ALBA」の部分に注目して取引することもあり、その結果、「アルバ」の称呼が生じ得るものである。してみれば、本件商標は単に「アルバ」の称呼をも生ずるものということができる。

他方、引用各商標は、「ALBA」「アルバ」の文字に相応し、「アルバ」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標と引用各商標とは「アルバ」の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標中の指定商品「時計」と引用各商標の指定商品に係る商品「時計」とは同一の商品であること明らかである。

(2)本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

イ 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、1881年(明治14年)創業、1892年(明治25年)に時計製造工場として「精工舎」を設立し、時計類の研究・開発に務め、柱時計の製造販売を始め、1895年(明治28年)に懐中時計を製造し時計類の販売業務を開始し、初めて時計の輸出を行い、それ以降、目覚まし時計、置時計、オルゴール時計を製造し、1913年(大正2年)に国産初の腕時計の製造を始めたものである。

1917年(大正6年)に初代「精工舎」を会社組織に改め、「(株)服部時計店」とした後、1924年(大正13年)に製造販売に係る時計類の名称に「SEIKO」「セイコー」を使用開始後に、「SEIKO」を出願し、1925年(大正14年)12月2日に設定登録を受け、登録商標の下に各種時計、眼鏡等の製造・販売を今日まで行なっている。

申立人は、1895年(明治28年)に精工舎(現在セイコー株式会社)」を設立して、製品の販売業務、輸出入業務を開始して以来、その販売網は国内を始め世界100ヵ国以上に及び、商標として永年に亘るテレビ、新聞、雑誌の広告、宣伝及びオリンピック大会その他の主な国際競技大会の公式時計やセイコースーパーテニスの開催等の結果、日本のみならず世界各国の取引者・需要者間において周知・著名となっているものである(甲第5号証)。

申立人が引用する引用A商標「ALBA」(甲第2号証)の登録商標は、昭和47年11月4日に登録出願し、昭和51年1月6日に指定商品「時計、その部品及び附属品」として商標登録を受けた後、昭和54年(1979年)に国内向けとして「クレドール」ブランドと共に「アルバ」ブランドを導入したのである。その後、引用B商標「ALBA」(甲第3号証)の登録商標を、指定商品「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」として昭和54年10月5日に登録出願、 同58年12月26日に商標登録、引用C商標「アルバ」(甲第4号証)の登録商標を、指定商品「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」として昭和57年5月21日登録出願、昭和60年8月29日に商標登録になり、これらの商標登録「ALBA」「アルバ」を商品「時計」に使用し、永年にわたり製造・販売されてきた結果、今日においては我が国はもとより、東南アジアの各国においても「ALBA」[アルバ」のブランドは、申立人の製造・販売に係る商品時計の商標として取引者・需要者間に広く知られるに至ったのである。これらの製品は、いずれも、高精度、高品質、優れた機能性、デザイン等によって人気を得ているものである。特に、時計メーカーとしてその信用は国際間に揺るぎないものとなっている。申立人の製造・販売する商品「時計」におけるブランド展開としては「セイコー」ブランドを中核として、幅広くブランドを展開しており、ファッション性、機能性、価格帯等の選択肢を広げ、市場のニーズに応えている。

国内市場においては、高級ブランドとして「GrandSeiko」「SEIKO CREDOR」、若年層向けに「ALBA」ブランドを展開させている。海外市場においては、「SEIKO」ブランドの「GrandSeiko」「SEIKOCREDOR」を柱にして、東南アジア向けに「ALBA」ブランドを展開している。

ロ 甲第2号証の登録商標「ALBA」は、下記の商品区分の分野において防護標章として登録されている。

昭和34年法による、第9類、第26類、第19類、第10類、第20類、第21類、第22類、第23類、第25類、第27類、第24類、第18類

ハ 申立人は、わが国の時計業界における大手企業の一つであるところ、昭和54年頃から引用A商標「ALBA」(甲第2号証)を付した時計の販売を始め、以後継続して「ALBA」を付した時計を国内のみならず東南アジア地域に販売していた(甲第6号証 ’84ウオッチカタログ、甲第7号証 ’85ウオッチカタログ、甲第8号証1991WATCH CATALOGUE)。申立人は、平成6年から主力商品の一つである「クレドール」に機能やデザイン等により、新商品シリーズとして「リネアクルバ」「エントラータ」「パシフィーク」等の商標を結合させ「クレドール・リネアクルバ」「クレドール・エントラータ」「クレドール・パシフィーク」等の「クレドールシリーズ」を販売するようになり、以後現在に至るまで、申立人の主力商品の一つとして継続し販売している(甲第13号証 「CREDOR」時計カタログ)。

ニ 主力商品の一つである若年層向けの「アルバ」ブランドも、高級品時計の「クレドール」と同様にファッション性、機能性、価格帯の選択肢を広げ市場のニーズに応える為に、平成9年(1997年)頃より「アルバシリーズ」として「イプシロン」「カリブ」「サクセス」「ヴィエント」「トレイルマスター」「エー・ケー・エー」「スプーン」等の商標を結合させ、若年層に人気のある「アルバ・スプーン」を筆頭に「アルバ・イプシロン」「アルバ・カリブ」「アルバ・サクセス」「アルバ・ヴィエント」「アルバ・トレイルマスター」「アルバ・エーケーエー」等として販売するようになり、以後現在に至るまで、申立人の主力商品である「アルバシリーズ」として継続して販売しているものである(甲第9号証 2000年版「ALBA」時計カタログ、甲第10号証 1999年5月1日発行「THESEIKOBOOK」、甲第11号証 1999年7月10日発行「Goods Press」、甲第12号証 平成9年7月22日発行「PATENT AttorneY」)。

ホ 引用各商標の「アルバ」「ALBA」の商標は、キャラクター商品としても使用されている(甲第9号証)。「ディズニーキャラクター」時計には「MICKEY」「Pooh」に「ALBA MICKEY」、「ALBAPooh」として文字板に配している。「ピーターラビットと仲間たち」時計、「となりのトトロ」時計、「キュリアスジョージ」時計等にも、それぞれ「ALBA」の商標が配されている。

ヘ 引用各商標が著名性を有する商品である「時計」と本件商標の指定商品中の「時計」とは同一の商品である。本件商標が、上下二段に横書きにされた全体の「ALBA」と「ROSA」からは特定の意味をもつものとは把握し難いものである。そうすると、本件商標が指定商品中「時計」に使用された場合には、本件商標に接する取引者・需要者は、著名商標と綴り字を同じくする「ALBA」が上段に配置されていること、本件商標が全体として特定の意味を把握できないことから「アルバシリーズ」と看取されること、本件商標が付される商品「時計」と引用各商標が付された商品「時計」は同一店舗において取引される実情よりみれば、本件商標は「ALBA」の商標を含むものと理解され把握され、恰も申立人によって製造・販売された商品「アルバシリーズ」、または、該申立人と何等かの関係を有するものによって製造・販売された商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。ちなみに、「アルバ・スプーン」と「アルバ・ローザ」が同一店舗で取引された場合、「アルバシリーズ」として取り扱われるおそれは十分にあり得るものである。

したがって、本件指定商品の「時計」の分野の取引者・需要者は、「ALBA」の文字を含む本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

(3)本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

本件商標は著名な引用各商標と称呼を同一にする類似の商標であり、かつ、著名商標の「ALBA」を含むものである。しかも、商標権者は、引用各商標が著名性を獲得した後に登録出願したものであり、不正の目的をもって使用をするものと推認せざるを得ない。

3 当審の取消理由

本件商標は、平成10年10月28日に登録出願され、別記に示すとおりの構成よりなり、第14類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年3月31日に設定登録されたものである。

他方、申立人の提出に係る甲各号証によれば、昭和47年11月4日に登録出願され、「ALBA」の文字を横書きしてなり、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和51年1月6日に設定登録されている登録第1177657号商標(以下、「引用A商標」という。)、同じく、昭和54年10月5日に登録出願され、やや図案化した「ALBA」の文字を書してなり、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年12月26日に設定登録されている登録第1646181号商標(以下、「引用B商標」という。)及び昭和57年5月21日に登録出願され、「アルバ」の文字を横書きしてなり、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年8月29日に設定登録されている登録第1798811号商標(以下、「引用C商標」という。)は、本件商標の登録出願時に、申立人の業務に係る商品「時計」の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものと認められるものである。

そして、本件商標の指定商品中、第14類の「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」と申立人の業務に係る商品「時計」とは、共に貴金属製の商品として、販売店・需要者等を共通にする密接な関係にある商品と言い得るものである。

してみれば、本件商標は、その構成中に申立人の上記著名な商標と同一の「ALBA」の文字を含むものであるから、本件商標をその指定商品中、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」について使用した場合、その商品が申立人の業務に係る商品若しくは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

(1)本件商標は引用B商標(登録第1646181号商標:ALBA)との間で出所の混同を生ずるものではない。よって、本件商標は、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

(2)商標権者と本件商標の需要者における認識

(a)商標権者の沿革及び商標権者の業務内容

商標権者である株式会社アルバローザ(以下単に権利者という)は、今年で創業26年の歴史を有するところであり、元々女性用の被服類の製造、販売を行うアパレルメーカーとして創業を開始したところである。権利者が当初権利化した商標は、「ALBA ROSA」の文字よりなり「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品としてなるものである。商標権者は、その後、取扱商品を衣料品から「かばん、袋物」、「装身具」、「マット」、「クッション」などへと拡大し、またこうした取扱商品について「ALBA」と「ROSA」の文字を2段書きにし、かつハイビスカスの図形を一体化した本件商標の如きデザインの商標を平成5年に採択し、使用を開始したところである。権利者の製造、販売に係る商品は、そのデザインやコンセプトがユニークなところから若い女性を中心に人気を集め、本件商標と同じ態様の商標を付し、販売される商品は、次第に需要者に浸進し、各種マスコミや雑誌にも取り上げられるまでに至っている。特にここ5〜6年の需要者への浸進は目を見張るものがあり、次に権利者の ”アルバローザ”あるいは”ALBA ROSA”の需要者における認知度を述べる。

(b)権利者商標、「アルバローザ」あるいは「ALBA ROSA」の需要者における認識「アルバローザ」は権利者の商号、株式会社アルバローザの要部であり、需要者においては、本件商標と同じ態様の使用商標並びに「ALBA ROSA」の使用商標を含めて、一連一体に ”アルバローザ”と親しみを込めて称呼されているところである。すなわち、権利者は、常に新しいデザインやコンセプトの商品(例えば被服、布製身回品、バッグ、装身具、化粧品)を提供する総合ファッションメーカーとして需要者に認識されており、その事実は若い女性に人気のあるファッション雑誌に特集が組まれる程、人気を博していることからも伺えるところである。以下、最近出版されたファッション雑誌の記事について解説する。

ア.「株式会社角川春樹事務所発行の雑誌、月刊ポップティーン2001年2月号」(乙第2号証) ”みんながお年玉で狙うものランキング”という調査のランキングで、「ALBA ROSA」の商品が堂々3位にランキングされた記事が掲載されている。ちなみに1位が「LUIS VUITTON」、2位が「GUCCI」、4位が「PRADA」であり、上位のうちナショナルブランドとしては「アルバ ローザ」のみである。

イ.「株式会社講談社発行の雑誌、『VIVI』2000年6月号」(乙第3号証)

a.P.56〜P.64の「安くていいもの売れるものグランプリ」という特集において、「アルバローザ」の「派手ビキニ」がグランプリとの記述(P.63参照)がある。また「ミニスカート」の部門でも「アルバローザ」の商品が1位との記述が存在する(P.64参照)。

b.P.68以降(実際はP.79まで)の「2000年夏最強水着カタログ」という特集においても、「アルバローザ」の商品についてトップページで紹介されている(P.68参照)。

c.P.190〜P.191において「アルバローザ25周年」として特集が組まれ、権利者の歴史からパレオ、スカート、トップス、ワンピースなどの被服類の他、本件商標の指定商品に係るペンダント、リングなどのアクセサリー類、ネイルエナメル、サンオイルなどの化粧品など、権利者の各種商品が紹介されている。

ウ.「株式会社学習研究社発行の雑誌、『東京ストリートニュース』2000年7月号」(乙第4号証)

a.表紙において「大好きアルバローザ」とのキャッチフレーズが記載され、「最新アイテム、水着、メンズ、”マイタネ”までぜ〜んぶみせちゃう!」との記述の下、本誌において特集が組まれていることが紹介されている。

b.P.15〜P.19において、権利者の紹介の他、権利者の商品、被服類の他、タオル、バッグ、ポーチ、靴、リングなどの「アルバローザ」の各商品が紹介されている。

エ.「株式会社日之出出版の雑誌、『Fine』2000年2月号」(乙第5号証)

a.P.1の見開き部分に権利者の広告が存在する。

b.P.6において、Fineの人気モデルである「一場千秋」並びに「宮崎景子」の着用している服が「アルバ一ロザ」である旨の紹介がなされている。

c.読者プレゼントのコーナにおいて、「アルバローザ」のニット、スカート、ローション、クリーム、オイルオフペーパーの各商品が紹介されている。

オ.「株式会社日之出出版の雑誌、『Fine』2000年6月号」(乙第6号証)

a.P.1の見開き部分に権利者の広告が存在する。

b.P.11〜P.15のトロピカル商品の特集において、「アルバローザ」の水着等の紹介がされている。

c.P.102、103のインテリアカタログにおいて、「アルバローザ」のバスマット並びにメイクボックスの紹介がされている。

カ.「株式会社日之出出版の雑誌、『Fine』2000年7月号」(乙第7号証)

a.P.3、4の見開き部分に権利者の広告が存在する。

b.P.40の読者の「日焼け相談」コーナにおいて本件商標の指定商品に係る「アルバローザ」のジェリーが紹介されている。ちなみに、この記事に続くP.41においては、申立人の商標で今般引用商標として指摘された「ALBA」の時計に関する広告が掲載されている。

c.P.111〜P.198において、「Vacance Style Book」としてアルバローザの被服類、ポーチ、バッグ、ビーチマット、リング、化粧品類、タオルハンガー、バスケット、カップなどの商品が紹介されている。

キ.「株式会社講談社発行の雑誌、『VIVI』1999年6月号」(乙第8号証)見開きの2〜3頁において「大好きアルバローザのHITスタイル」なる特集が組まれ、被服類の他、バッグ、ペンダント(本件商標の指定商品)、カート、ティッシュケースなどの商品が掲載されている。

ク.「株式会社講談社発行の雑誌、『VIVI』1999年5月号」(乙第9号証)P.152〜153において、「NEWS この夏、アルバローザのグッズが続々登場」とのキャッチフレーズの下、権利者商品に関する特集が組まれている。この中には被服類の他、化粧品類、バッグ、敷き物、浮き輪、クッションの他、本件商標の指定商品に係る「チョーカーネックレス、アンクレット、ネックレス」などの商品も掲載されている。

以上が、一昨年から今年にかけて発刊された雑誌類における権利者の商品関する記述のごくー部である。この他にも多数の雑誌等において「アルバローザ」の商品が紹介されており、最近、若い女性の間では「アルバローザファッション」、「アルバローザスタイル」というファッションに関する流行語として定着しているところである。このような各証拠でも判るように、権利者の商標は「ALBA ROSA」(登録第1948790号商標)、「ALBA」「ROSA」の文字を二段に書してなる商標についても、ともに需要者は「アルバローザ」として一連ー体の語として認識していることが伺えるところである。もし、こうした過去1、2年分の雑誌記事でもお判りいただけないのであれば、権利者としては創業当時からの膨大な雑誌記事等を保管しているところであり、いつでも証拠として提出できる用意がある。加えて、最近では乙第2号証でも示すように、有名ファッションブランドの一角として、「ルイヴィトン」、「グッチ」、「プラダ」のような海外著名ブランドとともに、権利者「アルバローザ」の名が需要者に浸透しているものである。

(c)インターネット等においての権利者の検索

権利者の商号あるいは商標でもある「アルバローザ」、「ALBAROSA」を、例えばインターネットにおける検索エンジン(Yahoo、goo、infoseek等)において検索すれば判るとおり、権利者の商品や権利者に関する紹介、あるいはこれに便乗するサイト(例えば権利者商品のオークション業者、明らかに権利者名を意識したような風俗店)が多数存在することに驚愕するものである。例えばYahoo等のエンジンにおいて「アルバローザ」や「ALBAROSA」を入力して検索した場合、300件以上ものサイトが存在することに驚く。これに対し、「ALBA」の文字を同様の検索エンジンで検索した場合、SEIKOの時計「ALBA」に関しては数十件で、しかもほとんどが「SEIKO ALBA」等の表示をもって表示されていることがわかる。したがって、どちらかというとネット社会においては、むしろ権利者の商号あるいは商標、「ALBA ROSA」の方が一般に浸透されていることが理解できる。ちなみに「ALBA」の語だけで検索を行っても、権利者「アルバローザ」に関する事項はヒットしないところであり、この点一つとっても、「ALBA ROSA」と申立人の引用商標「ALBA」は具体的な混同を生ぜず、需要者において明確な棲み分けができている旨理解できるところである。

(d)その他のマスコミにおける紹介

権利者の商品に関しては、特に若い女性に人気があるところから、人気のあるミュージシャンやタレントなどが好んでアルバローザの商品を愛用しているところである。また、若者向けのテレビ番組などにおいて、時々、いわゆる”渋谷系ファッション”の代表として、アルバローザの渋谷店の店舗やそのファッションスタイル、ライフスタイルが紹介されている。

(e)権利者の商品カタログ等

ア.1999年夏の商品カタログ(乙第10号証)乙第10号証のカタログには、権利者の商品として、被服類の他、黒い丸で囲んだ「アクセサリー」、「バッグ」類の他、そのプライスが表示されている。

イ.2000年春の商品カタログ(乙第11号証)乙第11号証のカタログには、権利者の商品として、被服類の他、黒い丸で囲んだ「アクセサリー」類が表示されている。

ウ.2000年夏の商品カタログ(乙第12号証)乙第12号証のカタログには、権利者の商品として、被服類の他、黒い丸で囲んだ「アクセサリー」、「バッグ」類の他、そのプライスが表示されている。

エ.2000年秋、冬の商品カタログ(乙第13号証)乙第13号証のカタログには、権利者の商品として、被服類の他、黒い丸で囲んだ「アクセサリー」類が表示されている。

(f)権利者商標の登録状況について

以上のように、権利者については、「アルバローザ」とー連ー体に需要者に認識され、その取扱商品は、「被服」、「バッグ」、「アクセサリー」に止まらず、靴、時計、食器、化粧品、文房具、運動具(スノーボード、ボディボード等)、菓子類など多岐にわたるところである。このため、権利者が現在保有している「ALBA ROSA」関連の商標に関しては、登録第1948790号商標の他に、登録第3233127号商標、同第4363679号商標等が存在する。ちなみに、菓子、化粧品に関しては、全国に存在するソニープラザで購入できるところであり、株式会社ソニークリエイティブに第30類を含む本件商標と、花びら模様の図形と「ALBA ROSA」「アルバローザ」の文字を組み合わせてなる登録第4384310号商標を使用許諾している。この他「ALBA」「alba」等の文字よりなる他人の商標が第16類、第22類等に多数登録されている。こうした商標の登録状況を見ると、「ALBA」の商標が登録されている各分類、特に申立人が防護商標「ALBA」の登録を認められている各分類において、多数の「ALBA○○」なる商標登録が認められていることが理解できる。

したがって、こうした例に照らせば、申立人がなぜ、本件商標のみを大々的に取り上げ、前記のように本件商標が需要者一般に「アルバローザ」と称呼・認識される実態が存在するにも拘わらず、商標法4条第1項第15号に違反しているとの理由で異議申立を行ったのか理解に苦しむところである。申立人においては、権利者商品ならびに本件商標が「アルバローザ」とー般需要者に称呼・認識されていることについて例えば前記雑誌(乙第7号証)での両者(権利者と申立人)の商品が併存状態等により熟知しているはずである。近年異議申立制度を、他人の営業活動を妨害するため使用する例が数多く見られるところであり、特に商標権者においては、最近、国内のアルバローザ人気に目を付け、韓国や中国から「ALBAROSA」のコピー商品が大量入荷されている実態に鑑み、出願、登録した商標に基づき、直ちに権利行使を行わざるを得ない場面が多々見られるところである。

(3)申立人商標の著名性

権利者は、今般の取消理由において引用され、かつ商品「時計」において使用されている申立人の商標「ALBA」について十分熟知しているところであり、その著名性について何らの疑問を差しはさむものではない。しかしながら、本件商標は前記権利者の市場における認知度、すなわち著名性から「アルバローザ」と一連に称呼され、認識されるところであり、一方、申立人の引例商標は同じくその著名性から「アルバ」以外の称呼は考えられないところである。したがって、「ALBA」の引例商標が、例えば「アルバローザ」の称呼を生ずる本件商標や前記他人の商標(例えば「アルバ○○」)との間で具体的な混同が生ずる余地は全く考えられないところである。仮に、「装身具、時計等」の商品についての本件商標の登録が取り消され、本件商標のこれらの商品についての使用が認められないとするならば、「アルバ○○」なる需要者に現実に別商標と認識される商標についてまで、全て申立人の禁止権が拡大することとなり、「ALBA○○」、「アルバ○○」なる商標については、全て申立人がそのシリーズ商標として採択し、保護を拡張できることとなり、不合理極まりないところとなる。

(4)最近の審決例並びに異議決定例

こうした著名商標の保護限界に関しては、最近の平成58年審判第24109号、平成1年審判第12136号、平成10年異議第90535号等に多々見られるところである。上記のような商標法第4条第1項第15号の適用を否定する事例は枚挙に暇がなく、たとえ引用商標をその一部に含む商標であったとしても、その登録性が肯定されているところである。増してや本件商標は、乙第2号証ないし乙第9号証で明らかなように、ファッション業界において既に多くの需要者が知るところの著名商標として認識されている。通常、アパレルを中心とするファッション業界においては、被服、靴(25類)の他、バッグ(18類)、運動具(28類)、並びに本件商標に係る装身具、時計(14類)を取扱うことが一般的になされており、前記のようにここ数年総合ファッションメーカとして確立しつつある権利者にとって、今般取消対象として示された各商品(装身具、時計等)に本件商標が使用できないとなると、その業務の運営に多大な支障を生ずることとなる。

(5)結論

以上のとおり、引用商標「ALBA」は時計においてその著名性を有することは、申立人から提出された各甲号証から明らなところであるが、一方で本件商標はその構成から一体に「アルバローザ」と称呼されるものと判断されるところであり、そのことは商標権者より提出された各乙号証を見ても明らかである。加えて、商標権者の商標も、権利者から提出された各乙号証により需要者に広く認識された著名商標と認定することができ、たとえ今般取消対象にされた第14類の「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のろうそ消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計」について本件商標が使用されたとしても、需要者は引用各商標との間で具体的な混同、すなわちあたかも申立人と関連した商品、あるいは関連した出所から生じた商品である旨誤認する余地はない。

5 当審の判断

本件商標は、別掲に表示したとおり図形とやや図案化した「ALBA」「ROSA」の文字を上下二段に表した欧文字の組み合わせよりなるものである。

ところで、申立人が提出している甲第5号証ないし同第13号証等によれば、申立人は、「セイコー」「SEIKO」ブランドの時計を製造・販売する企業として世界的に著名な会社であり、また、同人は、「セイコー」「SEIKO」ばかりでなく、価格、需要者対象を異にし「GrandSeiko」「SEIKO CREDOR」「ALBA」「アルバ」なる商標を付した「時計」を永年に亘り製造販売してきた結果、本件商標の出願・登録時には、上記「ALBA」「アルバ」の商標が付された商品は申立人の業務に係る商品を表すものとして、取引者・需要者間に広く認識されていたものであることを窺い知ることができる。

そうとすれば、その構成中に申立人が時計に使用するものとして著名な「ALBA」と同じ綴り字の「ALBA」の文字を有してなる本件商標を、その指定商品中の「時計」に使用した場合には、該商品が申立人若しくは申立人と何等かの関係を有する者の商品であるかの如く、その商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。

してみれば、本件商標は「第14類 時計」に関し、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条第2項第3の規定により、上記商品については取り消すべきものとし、本件登録異議申し立てに係るその余の商品については取り消すべき理由がないものであるから、同第4項により登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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