結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2000−90749(T2000−90749/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4376259号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成11年9月3日に登録出願され、「ミッドプラス」の文字を標準文字とし、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、同12年4月14日に設定登録されたものである。
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その指定商品中の「運動用具」についての登録は取り消されるべきである。
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の提出に係る甲第2号証ないし甲第4号証によれば、テニスラケットを取り扱う業界においては、テニスラケットの打球面を中間サイズよりもやや大きめに設計・製造した種類のものがあり、商品カタログ等においてそれら型式のラケットを「ミッドプラス」と称して該語を取引上普通に使用している事実が認められる。
しかして、本件商標は、「ミッドプラス」の文字を標準文字とするものであって、該文字自体に格別特長は見出せないものであるから、これを本件商標の指定商品中の前記型式のテニスラケットについて使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品の形状・品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。そして、前記以外のテニスラケットについて使用した場合は、その品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「テニスラケット」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。
「ミッドプラス」なる語は、国語辞典及び英和辞典をみても、何れにも特定の用語は存在しないから、本件商標から「大きさが中間サイズよりもやや大きい」のような意味観念が直ちに生じ得るとの認定は当を得ないものであり、また、「ミッド(mid)」と「プラス(plus)」の二つの成語を重ね合わせて熟語としての意図で用いても、「中央に(を)加える」とか「真中に付加する」とか「中間に付加する」とかの意味は出なくはないが、少なくとも「大きさが中間サイズよりもやや大きい」との意味観念は一切生じ得るものではない。
「ミッド」や「プラス」の語は本来「テニスラケット」に特有又はこれから派生した用語ではなく、現に、「テニスラケット」の打球面の大きさやサイズを表現した用語として用いられている事実はない。
申立人が提出する証拠をみても、テニスラケットのサイズを説明的・記述的に説明した用語であるとの認識で使われてはいない。各甲号証を見る限り、このような表示は説明的、記述的というより、まさに、自社のテニスラケットAとBとを区別するための「商標」としての表示に他ならない。
したがって、本件商標は、一連に一体不可分に書して成るものであり、2語に分断されることなく互いに融合し合って一体不可分化した全体として特段の意味、観念を生じない造語と認識・把握するのが自然であり、自他商品の識別力を十分に備えた商標である。
本件商標は、上記のとおりの構成からなるところ、「ミッド」の語は、「中間の、真中の」等の意味を有する英語の「mid」に相応する語であって、我が国においても「ミッドナイト(真夜中)、ミッドポイント(中間点)」の如く語頭に「ミッド」の付く語は数多く用いられており、又、「プラス」の語は、「付加、加えること」等の意味を有する外来語として、極めて親しまれて用いられているものである。
しかして、この両語を結合した「ミッドプラス」の語は、成語ではないとしても、いずれの語も、我が国において親しまれて用いられている外来語であることから、商標権者も主張しているように、容易に「中央に(を)加える」、「真中に付加する」、「中間に付加する」の如き意味合いを認識・把握し得るものである。
そして、申立人が提出した甲第2号証(「テニスマガジン別冊春季号」ベースボール・マガジン社 平成7年4月25日発行)のロシニョールジャパン株式会社のテニスラケットのカタログには「100平方インチのフェース面積・・・」の商品説明のもとに「ミッドプラス」の文字が表示されており、株式会社エフイーティーが扱うドイツのフォルクルブランドのテニスラケットには「C10ミッドプラス」の商品説明として「C10ミッドサイズのフェイスを102平方まで拡大し、高い操作性と高性能を兼ね備えたモデル」との説明がなされており、又、甲第3号証(「スポーツナロ通信販売 メーカー別カタログ」株式会社スポーツナロ 1998年版)のYONEXのテニスラケットのカタログには「90平方インチのRA−3000 PRO MID(RA−3000 プロ ミッド)」のテニスラケットと並べて「100平方インチのRA−3000 PRO MID PLUS(RA−3000 プロ ミッドプラス)」のテニスラケットが掲載されており、更に、甲第4号証(「1999年 TENNIS CATALOG」ダイワ精工株式会社)にも93平方インチ、95平方インチ、100平方インチの各テニスラケットに「ミッドプラス」の表示がされている事実を認めることができる。
上記事実に照らしてみれば、テニスラケットを取り扱う業界においては、「ミッドプラス」の語は、テニスラケットの打球面を中間サイズよりもやや大きめに設計・製造したラケットの形状、品質を表すものとして取引上普通に使用されているものということができる。
この点について、商標権者は、「ミッドプラス」の語からは「大きさが中間サイズよりもやや大きい」との意味観念は一切生じないこと、甲号各証は、自社のテニスラケットAとBとを区別するための「商標」としての表示である旨主張しているが、取消理由は、上記3のとおり、「ミッドプラス」の語から「大きさが中間サイズよりもやや大きい」との意味を生ずるとまで認定している訳ではなく、又、甲号各証に掲載されている各社が「ミッドプラス」の語をいずれも商標として使用しているとみるのは、その表示方法からみても、無理があるものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、「ミッドプラス」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これをその指定商品中の「打球面を中間サイズよりもやや大きめに設計・製造したテニスラケット」について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品の形状、品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものであり、また、これを上記以外の「テニスラケット」について使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「テニスラケット」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであり、先に示した取消理由は妥当なものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、「テニスラケット」についての登録は取り消すべきものである。
そして、本件登録異議の申立に係るその余の指定商品については、取り消すべき理由のないものであるから、同法第43条の3第4項により、その登録を維持するものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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