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Trademark Appeal Case

商標の周知性認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年異議第90317号
審判種別異議
結論other

結論テキスト

登録第4015883号商標の登録を取消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4015883号商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)、布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和57年6月25日に登録出願され、平成9年6月20日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議申立ての理由

本件登録異議申立人(以下、申立人」という。)は、「本件商標は、申立人の名称の著名な略称を含むものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。また、本件商標は、申立人がその業務に係る『被服類』の商品に使用し、広く一般に知られている『Polo』の文字と同綴りの欧文字を表してなり、かつ、本件指定商品と上記商品とは同一又は類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、商品の出所について混同を生ずる虞があるから、同第10号に該当し、更に、不正の目的をもって使用をするものであるから、同第19号にも該当する。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証乃至同第10号証を提出した。

3 登録取消理由の通知

当審において本件登録異議申立てを審理し、本件に係る商標登録は、次の理由により、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて取り消すべきものと認める(商標法第4条第1項第15号の規定に係る部分については、同法第43条の9第1項に基づくものである)として、商標権者に対し、同法第43条の12に基づき取消理由を通知して、意見を求めた。

本件商標「Polo」は、ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド(アメリカ合衆国ニューヨーク所在)が、商品「被服、装身具、香水、眼鏡」等に長年使用し、本件商標の出願前から需要者の間に広く知られている商標「POLO」、「ポロ」(以下、「引用商標」という。)と類似するものであり、指定商品「被服(運動用特殊被服を除く)」も前掲使用商品と同一又は類似のものである。また、本件商標は、その指定商品中「布製身回品(他の類に属するものを除く)、寝具類(寝台を除く)」に使用するときは、恰も上記会社と何らかの関係を有する者に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じる虞がある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものである。

4 本件商標権者の意見

本件商標権者は、前掲取消理由の通知に対して、引用商標が本件商標の登録出願時、需要者の間に広く知られていなかったものである旨以下のように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第16号証(枝番を含む)を提出した。

(1)申立人は、本件商標権者が所有する登録第1447449号商標(乙第2号証)、登録第1434359号商標(乙第3号証)の通常使用権者である。この事実は、昭和62年1月1日締結のライセンス契約書に示す通りである(乙第4号証)。

その後、登録第1434359号商標については、申立人により、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号を理由に、無効審判が提起され、平成7年1月23日付の「本件審判の請求は成り立たない」旨の審決(乙第5号証)を得て現在に至っている。

また、申立人は日本進出に当たり、乙第8号証の1992年8・9の「暮らしの手帖」39、58頁掲載の事情があり、「Polo」の適法な使用を求め、乙第9号証の1のレターからわかるように昭和56年2月24日、ラルフ・ローレンが西武百貨店を介して、登録第1447449号商標の使用許諾の申し入れをしてきた。

この交渉は、乙第9号証の2の1985年(昭和60年)10月25日のレターでわかるように続行し、昭和62年1月1日付のライセンス契約書(乙第4号証)の締結で円満に解決し、申立人は、以後日本国内で登録第1447449号商標、登録第1434359号商標の登録商標を合法的に使用することが可能になり、契約締結日の昭和62年1月1日以後、申立人の「Polo」、「ポロ」が需要者の間で広く知られるようになったものと確信する。

また、本件商標権者は、登録第1447449号商標の登録出願前である昭和43年頃から、登録第1447449号商標を使用しており、例えば昭和45年度の売上げは2.4億円(推定)、昭和51年度は4.3億円(推定)、昭和55年度は、9.8億円であり、現在まで引き続き登録第1447449号商標、登録第1434359号商標を使用している。昭和55年(1980年)10月6日付の繊研新聞(乙第6号証)から申立人の売上げは、昭和54年度は3億円、昭和55年度は5億円であり、本件商標権者の昭和55年度の売上げと比較すると、本件商標権者の売上げの方が多いことがわかる。

さらに、本件商標に対する審査経過をみると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号を理由として一旦拒絶されたが、拒絶査定に対する審判請求理由補充書(乙第10号証)で本件商標が、同第15号に該当しない旨の証拠を示して述べた主張が全面的に認められ、その結果、登録になった権利である。この理由書において、昭和59年10月当時には、未だRalph Lauren氏及び「Polo」ということばが「POLO by Ralph Lauren」の略称であり、それが「著名」であるとは見倣されていなかった旨主張し、この主張が全面的に認められ、本件商標は登録になっている。

(2)甲第2号証は、ライセンス契約締結日(昭和62年1月1日)の以後である1988年(昭和68年)の新聞記事である。この新聞記事からライセンス契約締結により商標「POLO」、「ポロ」の合法的な使用が可能になったので、日本国における本格的使用を計画していることが窺え、商標「POLO」、「ポロ」が需要者の間に広く知られるようになったのはこの時期以後であることが推察される。

甲第3号証の1,2,3は、商標「POLO」、「ポロ」が、取引者、需要者間で周知、著名になった時期の認定がバラバラで一定しておらず、本件の資料になり得ない。

甲第4号証は、申立人の商品カタログであり、この商品カタログには、本件商標と同一の「POLO」、「ポロ」のみの使用事実はどこにもない。使用商標は、どれも「POLO図形Ral

使用であり、しかもアメリカ用のカタログであって、日本国内での使用を示すものではない。

甲第5号証及び同第6号証、同第7号証は、いずれも本件商標と同一の「POLO」、「ポロ」の使用事実はなく、どれも「POL

合商標である。なお、甲第5号証の197頁、同第6号証の12頁,209頁、同第7号証の209頁の「ポロ」の使用は、商標としての使用ではない。

甲第4号証、同第5号証、同第6号証及び同第7号証の使用事実から、申立人は商標「POLO」、「ポロ」の単独使用は避け、

「Polo by RALPH LAUREN」の結合商標の使用に統一されていることが窺える。

甲第8号証及び同第9号証、特に甲第8号証において、引用標章がラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品を表す標章であるとする認識が広く需要者及び取引関係者の間で確立した日を「我が国において、遅くとも本件商標の登録出願がされた昭和59年までには既に...」と認定されている。「昭和59年まで」との認定には、昭和58年までも、昭和57年までも、昭和56年までも、昭和55年までも含まれ、仮にこの認定日「昭和59年まで」を認めるとしても、認定日は、きわめて不確定であり、本件に適用するには無理がある。

甲第10号証は、昭和64年の新聞記事で本件の証拠資料には不適である。

(3)以上のように、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではなく、本件商標権の登録は維持されるべきものである。

5 当審の判断

本件商標権者は、引用商標が本件商標の登録出願時、需要者の間に広く知られていなかったものである旨主張し、乙第1号証乃至同第10号証を提出している。

しかしながら、甲第5号証は昭和53年、同第6号証は昭和55年、同第7号証は昭和56年のいずれも本件商標の登録出願前において発行された雑誌であり、それぞれの発行以前に我が国でとりわけ需要者に人気の高いいわゆるブランドものを収録、掲載した雑誌と認められるところ、これらの雑誌の中に既に引用商標及びラルフ・ローレンのデザインに係る被服等が掲載又は紹介されているところである。

これに対して、本件商標権者は、申立人が我が国において合法的に使用開始した昭和62年1月1日以後に需要者の間に広く知られたと主張するが、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等は、我が国においては、既に、本件商標の登録出願時より数年前の昭和52年頃より販売されていた事実が認められるのであり(株式会社洋品界(昭和55年4月15日)発行「月刊『アパレルファッション店』別冊、1980年版『海外ファッション・ブランド総覧』122頁外、株式会社アパレルファッション(昭和57年1月10日)発行「月刊アパレルファッション2月号別冊「海外ファッション・ブランド総覧」25頁外、)、これらの使用実績が甲第5号証、同6号証及び同第7号証に反映したものと認められる。また、甲各号証の中には、本件商標の登録出願後の発行等に係る証拠も存在するが、その記載内容は登録出願前における実情の把握にも参酌し得るものと認められる。

してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等を表示するものとして取引者、需要者の間に広く知られていたものと言うべきである。

なお、本件商標権者は、申立人との昭和55年度の売上げを比較して主張するところがあるが、この点については詳細が不明で比較することができない。

また、本件商標権者は、甲第5号証乃至同第7号証について、申立人が引用商標「POLO」、「ポロ」と同一の商標を使用していない旨主張する。

しかしながら、甲第6号証においては「POLO」、「ポロ」が使用され、また、「Polo 図形 Ralph Lauren」、「Polo by Ral

「POLO」、「Polo」を中心とする結合商標が広範囲に使用された結果、これらが我が国の取引者、需要者の間においては、後者を含めて「POLO」、「Polo」、「ポロ」として特定乃至は略称され広く認識され、周知、著名な商標として認識されるに至ったものと認めるのが相当である(甲第2号証乃至同第10号証)。

なお、本件商標権者は、一部「POLO」、「ポロ」については商標としての使用を否定するところがあるが、広告的機能等を果たしているとみられる場合は、商標の使用に該当すると言うべきである。

したがって、本件商標権者の意見はいずれも採用することができない。

結論

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定に違反してされたものであるから、本件登録異議申立ては理由あるものとし、その登録を取り消すべきである。

よって結論のとおり決定する。

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