Trademark Appeal Case
「ふくだけ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 判定2000−60148(T2000−60148/J6) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
請求人の所有に係る登録第4389275号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「つや出し剤,せっけん類,さび除去剤,研磨紙,研磨布,家庭用脱脂剤,家庭用帯電防止剤,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として、平成11年7月15日登録出願、同12年6月2日に設定登録されたものである。
2 イ号標章
請求人の示す商品「つや出し成分を染み込ませた自動車ボディーつや出し用不織布」について使用するイ号標章は、別掲のとおりの構成よりなるものである。
3 請求人の主張の要点
(1)請求の趣旨
イ号標章が本件商標の商標権の効力の範囲に属するとの説明:
(a) 「ふくだけ」の文字に関して、
本件商標「図形+SOFT99/ふくだけ」の構成中の「ふくだけ」の文字、及びイ号標章「ザ・ふくだけ」の構成中の「ふくだけ」の文字は、双方共に自他商品識別の機能を有するものである。
なぜなら、「ふくだけ」の文字からは「何がどうなる」といった事項の一切が不明であって、何ら商品の品質等の意味合いを有するものではないものである。
上記のことは、過去の登録商標が、その指定商品との関係において、本件商標及びイ号標章の「ふくだけ」の文字部分と似通った意味合いを有してながらも登録されている。
このように、本件商標「図形+SOFT99/ふくだけ」の構成中の「ふくだけ」の文字、及びイ号標章「ザ・ふくだけ」の構成中の「ふくだけ」の文字もまた、上記登録商標と同様に、双方共に自他商品識別の機能を有するものである。
(b) イ号標章の称呼に関して、
イ号標章「ザ・ふくだけ」の構成中「ザ」の文字は、「ふくだけ」の文字に英語の定冠詞として知られる「the」の表音をカタカナ書きで冠してなるものであって、且つ「ふくだけ」の文字を強調するためのものである。
また、イ号標章「ザ・ふくだけ」の構成中「・」の中黒は、「ザ」の文字と「ふくだけ」の文字を区切るためのものである。
しかも、「ザ」の文字はカタカナ文字、「ふくだけ」の文字はひらがな文字で書しており、これもまた異なっている。
そうとすると、簡易迅速を旨とする取引の場では定冠詞の部分を省略し、中黒で区切られた、ひらがな文字の「ふくだけ」の文字より生じる称呼を以て取引に当たる場合もある。
したがって、イ号標章からは「フクダケ」の称呼も生じるものである。
上記のことは、過去の審決においても、同様の旨で審決されている。
(c) 上述したことからは、本件商標、及びイ号標章の構成中の「ふくだけ」の文字は自他商品識別の機能を有するものである。
そして、イ号標章からは「フクダケ」の称呼も生じるものである。
一方、本件商標は「図形+SOFT99/ふくだけ」の文字よりなるものであるので、その構成からは「ふくだけ」の文字部分が視覚的に分離されて「フクダケ」の称呼も生じる。
よって、両者は、称呼において互いに類似するものである。
また、本件商標に係る指定商品とイ号標章の使用商品「つや出し成分を染み込ませた自動車ボディーつや出し用不織布」とは同一又は類似の商品である。
以上のとおり、イ号標章は、本件商標と称呼において相紛れるおそれのある類似の商標であり、これを使用する商品が本件商標に係る指定商品が本件標章に係る指定商品と相抵触するものである以上、イ号標章をその商品「つや出し成分を染み込ませた自動車ボディーつや出し用不織布」に付して使用することは本件商標権の効力の範囲に属するものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の構成は、別掲のとおり、図形及び「SOFT99」の文字と「ふくだけ」の文字を横書きした構成よりなるものである。
(2)請求人の提出に係るイ号標章は、別掲のとおり、「ザ・ふくだけ」の文字を横書きした構成よりなるものである。
(3)ところで、「ふく」の文字にも、「伏」、「服」、「副」、「幅」、「復」、「福」、「腹」、「複」、「覆」、「吹く」、「拭く」、「葺く」等の漢字があるが、指定商品との関係では、「ふく」の文字よりは、「拭く」の文字を想起するものであって、該文字は、「布・紙などでよごれをとる。」の意味がある。また、「だけ」の文字は、「それと限る」の意味がある。
そうすると、「ふくだけ」の文字よりは、指定商品との関係では、「拭くだけでつやを出すことができる商品」の意味合いを認識させるものである。
したがって、本件商標中の「ふくだけ」の文字部分は、商品の使用方法、品質を表示するものであり、自他商品の識別標識として機能を有しない部分であり、本件商標において自他商品の識別標識力のある要部は、図形及び「SOFT99」の文字部分にあるというべきである。
(4)そこで、イ号標章をみると、イ号標章は、「ザ・ふくだけ」の文字を横書きした構成よりなるところ、「ザ」の文字は、英語の定冠詞として知られる「the」の文字の表音を片仮名文字で冠してなるものと認められる。また、「・」の記号は、「ザ」の文字と「ふくだけ」の文字を接続する程度に用いられているものとみるのが相当である。
そうすると、「ふくだけ」の文字を含んでなるイ号標章に接する取引者、需要者は、商品「つや出し成分を染み込ませた自動車ボディーつや出し用不織布」を使用しても、該文字より、「拭くだけでつやを出すことができるつや出し布」の意味合いを表したものと認識するとみるのが相当である。
そうとすれば、請求人がその指定商品「つや出し剤」等に使用する「ふくだけ」の文字を含む本件商標のみならず、被請求人が商品「つや出し成分を染み込ませた自動車ボディーつや出し用不織布」に使用する「ふくだけ」の文字を含むイ号標章は、自他商品の識別標識として機能を有するものではなく、当該商品の品質、使用の方法を普通に用いられる方法で表示したものといえるものであるから、商標法第26条第1項第2号に該当するものといわなければならない。
したがって、本件商標の商標権の効力は、イ号標章には及ばない。
よって、結論のとおり判定する。
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