Trademark Appeal Case
商標「SPARK-L」と「SPARK-S」の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 判定2001−60031(T2001−60031/J6) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
請求人の所有に係る登録第4427808号商標(以下、「本件商標」という。)は、「SPARK−L」の文字を横書きしてなり、第11類「圧電式ガス点火具」を指定商品として、平成11年8月17日登録出願、同12年10月27日に設定登録されたものである。
2 イ号標章
請求人の示す商品「圧電式ガス点火具」について使用するイ号標章は、別掲のとおりの構成よりなるものである。
3 請求人の主張の要点
(1)請求の趣旨
イ号標章が本件商標の商標権の効力の範囲内に属するとの判定を求める。
(2)イ号標章の説明
イ 請求人商品
請求人は、昭和48年ころより、家庭用ガス器具を対象とするピストル型の圧電式ガス点火具商品について本件商標たる標章の使用を開始し、以後、同商品の販売を行ってきた(以下、「請求人商品」という。)。
請求人商品は、銀色メタルボディのピストル型の形状で、引き金を引くことにより銃身部分の先端に電気火花が形成されるという特徴のある圧電式ガス点火具商品である。同商品の台紙は、縦長長方形の右上部を赤地の台形状に、左下部を黒地の台形状に、ほほ2分の1の大きさに区切られ、赤地部分には、上部に女性がガスレンジに向かって料理をしている絵が描かれ、その下には黒字ないし白字で英語の単語、文章が記載され、黒地部分には白字で英語の単語、文章が記載されている。
請求人商品では、本体の側面の刻印に、及び台紙中の記載において、本件商標たる標章が使用されている。
請求人商品は、販売開始後から好評を博するようになり、昭和53年には約1億円の販売実績を記録し、その後現在までの間、順調に販売実績を伸ばしてきた。同商品の販売地域は、日本のほか中近東地域であり、その生産数量は、販売開始後総計で少なくとも500万個に上っている。同製品は、国際見本市に出品されたり、社団法人神奈川県産業貿易振興協会の展示場に展示されるなど、市場において高い評価を得ているものである。
ロ イ号商品
平成11年7月ころ、請求人は、イ号標章を付したピストル型の圧電式ガス点火具たるイ号商品が市場において流通しているとの情報を得るところとなった。
イ号商品の形態は、その材質から形状等に至るまで、請求人商品の形態とほほ同一であり、台紙についても、色彩や文字の配列等、請求人商品のそれと極めて類似している。イ号標章の使用箇所についても、本件商標たる標章と全く同様に、商品本体の側面の刻印及び台紙中の記載において用いられている。
しかしながら、イ号商品は、中国で製造され、請求人商品に比して著しく品質の劣る粗悪品である。
イ号商品の製造、販売行為の目的が、請求人製品の高い評価にただ乗りして利益を得るべく、これを模倣してイ号商品を製造し、販売するというものであることは優に推認されるところである。
請求人商品と極めて類似する粗悪品のイ号商品の販売が廉価でなされたことから、購入者において両商品の誤認混同が生じる事態となり、請求人商品に値崩れが生じ、その売上利益が減少するとともに、また請求人商品に対する社会的評価は著しく害されることとなるに至った。
(3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明
本件商標とイ号標章の外観は、それぞれ「SPARK−L」あるいは「SPARK−S」という文字がゴシック体によって成り立ち、使用態様としては共に商品本体の側面部分に刻印され、また台紙に印字されて使用されており、両者は、その外観において極めて類似するものである。
また、称呼の点についても、両者はそれぞれ、「スパークエル」あるいは「スパークエス」と発音し呼び表されるものであり、その称呼も極めて類似するというほかない。
そして、観念の点についても、本件商標は、火花を意味する「Spark」を主たる内容とし、末尾に、アルファベット一文字の「L」が付されているというものであるところ、イ号標章も、火花を意味する「Spark」に、アルファベット一文字の「S」が付されているというものであり、両者は、観念の点についても共通ないし極めて類似するものである。
以上よりすれば、イ号標章は、本件商標との関係で、商品の出所混同を生ぜしめる危険性が極めて高いものであって、類似の商標にあたるというべきである。
そして、イ号標章の使用商品たるイ号商品は、圧電式ガス点火具であるところ、これは本件商標にかかる指定商品に他ならず、使用される商品は同一である。
以上のとおり、イ号標章は、本件商標と類似する商標であり、その使用商品と指定商品は同一であるから、イ号商品に使用されるイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。
4 当審の判断
本件商標とイ号標章の類否について判断すると、本件商標は、「SPARK−L」の文字を横書きしてなるところ、末尾の「L」の文字部分は、商品の品番・等級等を表示するための符号・記号として類型的に採択、使用されるアルファベットの1文字であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうとすれば、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際においては、本件商標に接する取引者、需要者は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない「L」の文字を省略して、前半の「SPARK」の文字部分及びこれより生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものと言わざるを得ず、これより、「スパーク」の称呼を、及び「火花」の観念を生ずるものと認められるものである。
他方、イ号標章は、「SPARK−S」の文字を横書きしてなるところ、末尾の「S」の文字部分は、上述のとおり、商品の品番・等級等を表示するための符号・記号として類型的に採択、使用されるアルファベットの1文字であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
そうとすれば、簡易、迅速を尊ぶ商取引の実際においては、イ号標章に接する取引者、需要者は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない「S」の文字を省略して、前半の「SPARK」の文字部分及びこれより生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものと言わざるを得ず、これより、「スパーク」の称呼を、及び「火花」の観念を生ずるものと認められるものである。
してみれば、本件商標とイ号標章とは、「スパーク」の称呼を、「火花」の観念を共通にするものである。
次に、外観についてみると、本件商標の「SPARK−L」とイ号標章の「SPARK−S」は、語尾に商品の品番・等級等を表示するための符号・記号として使用される「L」と[S]の文字に差異が認められるにすぎないから、構成文字全体として、極めて近似しているものと認められる。
したがって、本件商標とイ号標章とは、称呼及び観念を共通にし、外観においても極めて近似し、全体として、類似する商標と認められる。
したがって、商品「圧電式ガス点火具」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものといえる。
よって、結論のとおり判定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。