Trademark Appeal Case
POLO商標の著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第19758号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、寝巻き類、下着、水泳着、水泳帽、和服、エプロン、えり巻き、靴下、ゲートル、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、足袋、足袋カバー、手袋、布製幼児用おしめ、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、耳覆い、ずきん、すげがさ、ナイトキャップ、ヘルメット、帽子、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、靴類(靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具を除く)、靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具、げた、草履類、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(乗馬靴を除く)、乗馬靴」を指定商品として、平成5年9月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク州在の「ザ ポロ ローレン カンパニー」が商品「被服、ネクタイ」等に使用して本願の出願時には既に著名となっている商標「ポロプレーヤーの図形」及び「POLO」の文字を有してなるものであるから、このような商標を本願の指定商品に使用するときには、これが恰も上記会社或はこれと何等かの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
国内及び外国の辞書、事典を調査したところ、全て「POLO」は「スポーツ名」としか記載されていない。アメリカのデザイナー「ラルフ・ローレン」とは記載がない。「POLO」はペルシャで始まりイギリスで発達したスポーツ名に過ぎず、スポーツとして「POLO」を知らない日本人はいない。そのため、「POLO」は「テニス」「ゴルフ」と同様スポーツ名であり、「一般用語」である。
「POLO」又は「POLO RALPH LAUREN」が「ラルフ・ローレン」のものであるとしても、「POLO」との合成語のすべての商標が「ラルフ・ローレン」のものと決めつけるべきではない。
4 当審の判断
(1)(株)講談社昭和53年発行7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。
そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。
他に、これを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本願商標は、別紙に表示するとおり馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形と、「ASCOT PARK POLO CLUB」の文字との組み合わせからなるものであって、「ASCOT」、「PARK」、「POLO」、「CLUB」の各文字は、それぞれ既成の意味を有する語である。したがって、「POLO」の文字部分が1つ語に吸収されて埋没しているものではなく、かつ、全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものとも言い難いものである。そして、「POLO」の文字部分については、ポロ競技(馬に乗ったプレーヤーによる2チームが互いにマレットで1個のボールを奪い合い、ゴールに打ち込むことを競う球技)を、また、図形部分については「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずるものと認められる。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「POLO」の文字に注目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「POLO」標章を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
(3)以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。